あの青い空のように

限りなく澄んだ青空は、憧れそのものです。

死刑判決を受けた少年について 思うこと

2010-11-27 15:31:18 | インポート

裁判員裁判では,二例目,少年犯罪としては初めての死刑判決がありました。被害者として二人が死亡,一人が重傷を負った重大事件で,被告の少年の自己中心的で残虐な犯行に対して,死刑という厳しい判断がなされました。

少年犯罪であったにもかかわらず,今後も加害者である少年の人格のゆがみは変わることはなく,更生も期待できないという点から,死刑という判断に至ったのではないかと思います。なぜ死刑という判断になったのか,その理由を少年に考えてほしいと,裁判員の方も会見で述べていました。

少年は,その判断を受け入れるような考えだということですが,どうなるのでしょうか。弁護団は少年を説得し控訴する方向で考えているようです。

同じ裁判員裁判で死刑判決が出された横浜の事件では,被告は被害者や遺族の思いに配慮し,控訴はしないで死刑を受け入れる方向のようです。

もし死刑制度がなかったら,どうでしょうか。無期懲役が最高刑になるわけですが,一生を刑務所内で終え,自分の犯した犯罪と向き合い,被害者と遺族の方への償いを続けなければならないのです。犯した罪を悔いる余裕や時間もなく,社会への怒りや恨みのみを抱いて,死刑になるより,ずっと辛くて苦しい懲役になるのではないでしょうか。また,一方では,与えられた時間が犯罪者の心に人間性を取り戻す貴重な時間となっていくのではないでしょうか。

死刑囚であった島秋人は,死刑がいつ執行されるかわからない不安と苦しい思いを抱いて生きた面もあったようです。その日を何事もなく終え,次の日の朝を無事迎えることができる 生かされる喜びを短歌に詠んだこともありました。死刑を宣告されるということは,執行の日まで,死と隣り合わせで生き,罪を償うために死を受け入れる覚悟を,毎日持ち続けなければなりません。

亡くなった命を被告人の命で償うことで,誰が幸せになるのでしょうか。遺族の方の悲しみは,死刑が執行されることで軽くなるのでしょうか。被告の家族は,その死を受け入れることで身内としての心は軽くなるのでしょうか。

死刑が確定した場合は,10年は刑を執行しない。ただし,10年後には,被告の更生や反省の様子,遺族の被告への思い等を考慮し,執行の有無について再検討する。もし被告の更生が認められ,遺族の思いも死刑執行を望まないのであれば,死刑から無期懲役へと刑を変更する。被告になんら改善が見られず,遺族も変わらず死刑を望んでいるとすれば,死刑の執行もやむを得ない。    

死刑制度廃止が難しいなら せめて,こんな形で10年後に死刑判決を見直す機会が与えられるような制度改革を 強く望みます。

だれでも みんな,同じ重さの 尊く かけがえのない命を 持っています。そのことが大切にされる 社会であり 制度であり 法であってほしいと思います。


北朝鮮の砲撃事件を通して思うこと

2010-11-27 13:40:52 | インポート

 今回の砲撃事件では,韓国側の犠牲者に民間人が2名もいるということで,北朝鮮の一方的な武力攻撃に対して,拉致問題と同様に,怒りを覚えます。

 それにしても,同じ民族でありながら北と南に分かれ,武力行使を伴う対立と緊張の中で暮らしている人々は,どんな気持ちなのでしょうか。政治体制の違いが民族を分断する国家間の対立になっていることを,とても残念であり悲しく思います。

 かってフォーク・クルセダーズが熱唱し,発禁処分となった『イムジン河』の歌を思い出します。イムジン河を挟んで,北と南に民族が分断され,家族でさえ分かれて暮らさなければならなくなった悲しみと,いつかは民族の統一が実現し自由に人々が往来できるようになることを切々と願う歌でした。

 今回の武力衝突には,北朝鮮の後継問題等も背景としてあるようですが,国家間のさらなる対立や武力衝突とならないことを願います。同じ民族でありながら,銃を持って殺し合うような悲しい戦争にならないでほしいと思います。

 ドイツの東西を隔てた壁が壊された時のかっての感動を,朝鮮半島でも味わうことができるたらいいのですが…。

 北と南の人々が,笑顔で向き合い,同じ民族として平和と幸福を共有できる日が一日でも早く訪れることを 心から祈りたいと思います。


楽天の補強と岩隈残留について 

2010-11-25 18:49:49 | インポート

 楽天の補強と岩隈の残留のニュースが,スポーツ面での話題になっているようです。

 補強策として,岩村は中村紀の代わりとして必要な戦力だと思いましたが,松井まで加わってくるとは思いませんでした。二遊間の強化が課題ということで,ショートもセカンドもできる松井をとることにしたようですが,若手の台頭や飛躍も期待できるのに果たして必要なのかなとも思いました。

 ただ,岩村も松井も大リーグでもまれてきた苦労人でもあります。ですから,野球の技術や精神面で,他の選手の模範となってくれるような気がします。若手も,実際に二人のプレーや打撃を目にし,たくさんのことを学ぶことができるのではないかと期待する思いもあります。

 補強と同時に,現有勢力の底上げも必要ですが,調和のある補強と育成を期待したいと思います。補強で入ってきた選手と生え抜きの選手とが切磋琢磨し,相乗効果で個々の技術や能力が高まることを大いに期待したいと思います。星野監督自身も,選手との最初の出会いの時に,個々の力量のレベルアップを求めたようですが,個の努力と共に,監督・コーチ・選手が一体となってチーム力の向上を図っていってほしいと思います。

 岩隈については,大リーグでプレーするという夢を実現できない状況になったことを,とても気の毒に思います。ポスティング制度自体にも問題がありそうですが,ただ楽天というチームとしては,岩隈残留は心強く,歓迎すべき状況ではあります。来年は,海外フリーエージェントの資格も取得できるようですので,そうなると移籍する希望球団を自由に選択できるようになります。岩隈には,もう1年楽天で頑張ってもらって,来年は日本で優勝の喜びを味わい,再来年に自ら選んだ大リーグのチームで活躍する…といった方向で進んでもらえたら最高ですね。

 もうすでに,来年の戦力は今年の戦力を上まわっているように感じています。

 もう 今から 冬を通り越して 球春を待ち遠しく感じています。

 


見て 思うこと

2010-11-23 22:04:01 | インポート

○ T小学習発表会を見て

子どもたちの演技を見て,一人一人の成長振りを改めて感じました。どの子も大切な主役の一人として活躍する姿に,小規模校ならではの良さも再認識しました。劇の内容もそれぞれの学年の子供たちに合った楽しく心に残る内容でした。一人一人の演技力(表現力)もすばらしかったです。全校合唱奏も,38名の心が一つとなり,T小のまとまりと和を感じる発表でした。                                             こんな形で子どもたちが確かな成長の足跡を残し成長している背後に,T小教職員スタッフの固いチームワークと個々の子どもたちへの細やかな指導や支援があったことを,かっての同僚として強く感じています。これからも,子どもたちが確かな成長の足跡を刻む一日一日であり,子どもたちと共に歩む充実した毎日でありますよう,心から応援しています。

○ イチョウの黄葉を見て

先日,紅葉を求めてドライブに出かけた折に,岩出山付近で見事なイチョウの木を見つけました。一本ではなく数本が一まとまりとなって成長したイチョウの木で,雲ひとつない青い空を背景に,高く,そして横にも広がるその黄葉のすばらしさに心を奪われてしまいました。

一枚一枚の黄葉した葉が,青い空のキャンバスに丁寧に一枚一枚鮮明に描かれているような気がしました。あと数日で,数え切れないほどのたくさんのイチョウの葉が,すべて風に舞いながら落ちつくすことになるのでしょうが,一枚一枚の葉が今が秋の総仕上げといった感じの鮮やかな色合いでした。その黄葉の向こうに,青空がさらに鮮やかに濃い色合いで広がっていました。空の青さが黄葉を引き立てるのか,黄葉が空の青さを引き立てるのか,お互いの主張が見事なまでに調和した美しさでした。自然が演出する青と黄色の平面的ではなく立体的な色合いの調和に,秋ならではの景色を見た思いがしました。

レオ・レオニのフレデリックではありませんが,やがてやってくる 冷たい冬を乗り切るためにも 秋の色と光と言葉をいっぱい集めておきたいものですね。

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死刑制度について思うこと

2010-11-20 23:03:11 | インポート

先日,裁判員制度が実施されて以来,初めての死刑という判断がなされました。裁判員に選ばれた人達にとっても,悩みぬいた上の判断であると共に,その結果に対する責任も痛感しながらの判断だったのではないかと思います。

ブログでも,死刑囚であると共に歌人でもあった島秋人についてふれ,死刑制度が果たして必要なのかどうかについて述べたことがありました。また,死刑が執行される刑務所内がマスコミに公開された時にも,死刑制度に対する私自身の考えを述べました。

結論から言えば,私は死刑制度には反対です。犯した罪は消えることはありませんが,その罪を悔い自分が殺した人の冥福を心から祈り,遺族の方々に真摯にお詫びする,犯罪者としての責任の取り方の方に,服役としての意味があると考えるからです。また,命の重さに軽重の区別はなく,その尊さも同様であり,罪を犯した人もそうでない人も命においては同じ価値を有していると考えるからです。

死刑の判断を裁判長が告げる際に,異例の形で裁判長が被告に控訴することを促す発言をしたとのことです。被告人の思い(罪を悔い,更生しようとする)を汲み取っての発言だったようです。

裁判では,犯罪の残虐さや残された遺族の思いを大切に考え,死刑という判断になったようです。死刑制度が,悪質な犯罪を抑止する上で効果的であり,愛する家族を失った遺族の思いや悔しさに配慮し犯した罪を死でもって償うという形をとれることで,その存続を願う考え方を理解できないわけではありません。

でも,私は島秋人という罪人の 死刑を迎えるまでの生き方やその間につくり続けた短歌を知っていますので,やはり死刑制度には賛成できません。罪を犯した後で,人間性を取り戻し,自分のしたことを心から悔い,更生を誓い,被害者や遺族の方へのお詫びの思いを真摯にもち続けた島秋人のような人には,やはり与えられた命を全うしてほしいと願うからです。

人の命を人の判断で左右することはできないのではないか。なぜなら,命はだれでもみんな同じ重さと尊さをもっているのですから。命は,肯定することで,その輝きを放つものなのですから。