あの青い空のように

限りなく澄んだ青空は、憧れそのものです。

アルジェリア人質事件

2013-01-19 11:14:17 | インポート

アルジェリアでの人質事件は、政府軍が施設に突入し、邦人も含めた多くの人質に負傷者が出たようです。新聞によると、日本人17人のうち7人の無事は確認したが、残りの10人の安否は不明。外国人の人質は、日本の他に、イギリス・フランス・ノルウェー・フィリピン等多くの国にまたがっているとのこと。しかし、現地の情報が混乱し、正確な被害状況は掌握できない状況にあるようです。多くの人の無事を祈りたいと思います。

襲われたのは、アルジェリアの基幹産業である天然ガス関連施設で、その建設に関わる邦人やそこで働いている人々が人質とされたようです。襲った武装勢力は、隣国マリでのフランス軍の軍事介入に抗議し、そこからのフランス軍の撤退と政治犯の釈放を求めて、事件を起こしたとのこと。

アルジェリア軍が人質の安全よりも軍事突入を図った背景には、国内でのテロ掃討作戦を20年間にも渡って続けてきたことがあるようです。その間の犠牲者は、10万人を超え、今回の事件でも敵の制圧が優先され、人質の救出は後回しとなったのではないかと見られています。

力と力の対立を通して多くの命を犠牲にしてきた歴史が、何の関係もない民間人の命まで平気で奪ってしまうという結果を生み出してしまったのではないかと思います。そういった繰り返しの中で、平和はいつ訪れるのでしょうか。命が大切にされない社会の中で、たくさんの尊い命が失われていくことに、心が痛みます。そこで生活する市民や子どもたちの命が、しっかりと守られ大切にされる世界であってほしいものです。世界のどこかで、今のこの瞬間にもテロや戦いが繰り返され、命が失われていくという 悲しい連鎖の鎖が 断ち切られる日が訪れることを 切に望みます。

天声人語に、サン・テグジュぺりの言葉が引用されていました。

「なぜ憎み合うのか? ぼくらは同じ地球によって運ばれる連帯責任者だ、同じ船の乗組員だ」「新しい総合を生み出すために、各種の文化が対立することはいいことかもしれないが …… 憎みあうにいたっては言語道断だ 」 結びの部分では、 < 彼が スペイン内戦取材中に 民兵につかまり生きてもどれたのは 「人間に対する敬意」が取り戻されたからだと 書き残している。 > と まとめています。

「人間に対する敬意」とは、何でしょうか。一人の人間の持つ 命の尊さとかけがえのなさを 感じ想うことのできる 感性 なのではないかと思います。力と力の対立を超えたところにある 敵と味方という関係の向こうにある 相互に相手の命を尊重し気遣う 想い。地球という 星の上で その想いを共有できる 人と人のつながりを、サン・テグジュぺりは 理想として想い描いたのではないでしょうか。そんな日が一日でも早く実現することを 強く願います。 

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