あお!ひー

叫べ!いななけ!そして泣け!雑多なことを書いてみる。

花鳥-愛でる心、彩る技<若冲を中心に> 第5期(宮内庁三の丸尚蔵館)

2006-08-12 22:34:44 | アート系
花鳥-愛でる心、彩る技<若冲を中心に>もついにこれでラストの第5期です。

今回も待ち切れずに初日の今日、宮内庁三の丸尚蔵館に行ってきました。

「動植綵絵」、今回も右から展示してある順番です。


右、老松孔雀図。左、芙蓉双鶏図。


老松孔雀図はぎっしりと詰まってます。

画面の中がぎりぎりいっぱいなのです。でも、ちゃんと要素がまとまってます。やはり、この白い羽の描き込みがキレイです。

息を呑む美しさですね。

孔雀となってますが、こんな白い孔雀は見たことないので、おそらく若冲の中で鳳凰とリミックスされた架空の生き物だと思います。
(追記:なんて書いてたら、ご指摘をいただきました。白孔雀は実在するようです)

一発目からガツンときちゃいました。


芙蓉双鶏図は鶏のポーズが極まってます。

雄のポーズ、これ実際に出来るんでしょうか?ってくらいに無茶な姿勢。

首がでんぐりがえってますもの。

なんか、体が卍型になっちゃってます。

雌も負けてません。

体を地に這わせ、首から頭の先までが釣り針のよう。

どうしちゃったんでしょう、このつがい。

変なポーズ大会になってしまってます。

抱腹絶倒なはずの内容をこんな迫力で描かれてしまってはもう逆らえません。

参りました!!という感じです。


右、薔薇小禽図。左、群魚図<蛸>


薔薇小禽図は圧巻でした。

近くにいた子供の発した言葉。

「なんじゃこりゃ!」

バラの花が美しい!これだけたくさん並んでるとクラクラしちゃいます。

この絵で気になった箇所が2つ。

ひとつは右上の茶色の部分。たぶん、木か枝だと思うのですが、この描き込みがこれまでのとひと味違います。

「動植綵絵」で描かれた木というと、線で描かれてたと思うのです。

ところがこの茶色のは「*」マークみたいなのをたくさん描いて、全体を表してるのです。なんか、思いついてしまったんでしょうか。

それとも、何かこういう植物があるんでしょうか。何ぶん、植物の知識があるわけでないので解らないのです。

さて、もう一点は左から右斜め上にかけて弧を描いてるライン。

若冲、お得意の謎の空間の切取り方だと思います。

バラのとげとげ付きの枝がこのラインの向こうから出てるのです。

このラインの手前と向こうは同じ色。やはり、架空の構図なんですよね。

まるで、理路整然と進んでくのに、ラストで不条理な終わり方をするお芝居みたいです。


群魚図<蛸>は絶対にタコが描きたかったのだと思います。

一見、リアルに描かれてますが、タコの足が一本だけ左に伸びた先に子ダコがひっしと足をからませてしがみついてます。

鶏のようなホ乳類の擬人化は若冲さんのお手の物ですが、タコにまでそんなことさせてしまうなんて、すごすぎです。

ちゃんと、親にしがみついてるように見えるんですから。

この絵については水の中シリーズにしては超常アングルっぽくなくてまともです。

右下の魚がちょっと斜め上から見てるように見えなくもないのですが、画面の隅っこで一匹だけなのでおかしくなってはいないのです。


右、群魚図<鯛>。左、紅葉小禽図。


群魚図<鯛>は<蛸>と同じパターンです。

ただし、こちらのほうが微妙に超常アングルです。

左上のイカとエイは上から見てるアングルなのに、他の魚は横向きに泳いでいます。

やっぱり、そういうところが若冲っぽいですね。

でも、群魚図はなんで2つ描こうと思ったんでしょうね。やっぱり、いろんなお魚を描きたかったってところなんでしょうか。


紅葉小禽図はすごく真っ当に描かれています。

紅葉の色を変えるのに、色自体を変えるのと、色の塗りの濃淡を複合させてるあたりはさすがです。

塗りの薄いのは背後の枝が透けて見えるほど。

反面、濃く塗ったのはこれでもかというくらいに朱色が鮮やかです。


さて、先日3度目の「若冲と江戸絵画展」に行ってきた時のこと。

ショップでこの洋書を発見しました。

Ho Jakuchu Plant and Animal Scrolls

Korinsha Press

このアイテムの詳細を見る


2500円だったかな?

「動植綵絵」ばかりずらっと載ってて見応えありです。

びっくりしたのは先日、三軒茶屋のTSUTAYAでこの本を発見したこと。

うーむ、ブルータス見てて物足りないなってひとに買われてくれるとよいですね~。

<参考 過去記事>
花鳥-愛でる心、彩る技<若冲を中心に> 第1期(宮内庁三の丸尚蔵館)
花鳥-愛でる心、彩る技<若冲を中心に> 第2期(宮内庁三の丸尚蔵館)
花鳥-愛でる心、彩る技<若冲を中心に> 第3期(宮内庁三の丸尚蔵館)
花鳥-愛でる心、彩る技<若冲を中心に> 第4期(宮内庁三の丸尚蔵館)
コメント (13)
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夏の路地

2006-08-12 16:00:03 | ロモ魚眼/LC-A
今日はいきなり天気がくずれて、こんな土砂降りになるとはね。

落雷もあって、さっき乗った電車が遅れてました。

暑いのは嫌だけど、かと言ってここまで不安定な天気も困ってしまいます。

写真は先日、六本木に行った時にロモで撮ったもの。

かなり、暑かったですが夏っぽくていいのです。

六本木っていうとヒルズのイメージが強いのですが、ちょっと裏の路地とか入ってみるとなかなか絵になる景色に出会えたりします。

子供の頃、汗だくだくになりながら遊んでた記憶をふと思い出しました。

灼熱のアスファルト、いつもより濃い影、上空をうざく支配する電線、そして太陽のギラギラとした光。

夏って、なんだか訳の解らないエネルギーに溢れてる気がするのです。

疲れもするのだけど、妙に元気に動いてみたりと両極端に反応してしまいます。

ああ、先日行けなかったビアガーデン。

こんな暑そうな日にこそ、屋外で飲みたいものですね。

コメント (6)
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new acquisition(オオタファインアーツ)

2006-08-12 10:28:18 | アート系
暑い中、六本木に行ってきました。

森美術館しか行ってなくって、他のところにも行ってみようと思ったのです。

六本木コンプレックスには行ったことがなかったので行ってみることに。

ところが、、、夏期休暇で旧廊のところばかり。

その中でかろうじて、magical ARTROOMとオオタファインアーツのみ開いてたので見てきました。

magical ARTROOMのほうはどうも合わなかったので割愛します。巡り合わせですからこれは仕方ない。

オオタファインアーツのnew acquisitionはいろんな作家さんの作品を一品ずつ展示されていました。

中でもすごく良かったのが、照屋勇賢さんの作品。

受付のよこにひっそりと展示されてるので、最初見逃してたのです。

作品のNoと位置を照会してて発見しました。

茶色の小さな紙袋。

上のところが木の型に切り抜かれてて、袋の中に織り込まれてます。

はて、どーなってるのかな?

そう思いつつ、しゃがんで目線を低くしてみると。。。

なんと、袋の中に木が平面でなくって、ちゃんと立体になってるじゃないですか。

しかも、上から当たるライトの灯りがすごくいい具合で、そこだけに神聖な空間が出来上がってるのです。

ああ、なんて素敵。

このひとの個展、興味あったんですが行ってなかったことを今になって後悔。

次回、あれば必ず行くことでしょう。

他には草間彌生さんの白い編目模様のドローイングや、謎の巨大蝉や映像インスタレーションなどいろいろと展示されてました。

今回はもう照屋勇賢さんの作品が見れただけで来た甲斐がありましたね。

この発見に価値なのありです。
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