花鳥-愛でる心、彩る技<若冲を中心に>もついにこれでラストの第5期です。
今回も待ち切れずに初日の今日、宮内庁三の丸尚蔵館に行ってきました。
「動植綵絵」、今回も右から展示してある順番です。
右、老松孔雀図。左、芙蓉双鶏図。
老松孔雀図はぎっしりと詰まってます。
画面の中がぎりぎりいっぱいなのです。でも、ちゃんと要素がまとまってます。やはり、この白い羽の描き込みがキレイです。
息を呑む美しさですね。
孔雀となってますが、こんな白い孔雀は見たことないので、おそらく若冲の中で鳳凰とリミックスされた架空の生き物だと思います。
(追記:なんて書いてたら、ご指摘をいただきました。白孔雀は実在するようです)
一発目からガツンときちゃいました。
芙蓉双鶏図は鶏のポーズが極まってます。
雄のポーズ、これ実際に出来るんでしょうか?ってくらいに無茶な姿勢。
首がでんぐりがえってますもの。
なんか、体が卍型になっちゃってます。
雌も負けてません。
体を地に這わせ、首から頭の先までが釣り針のよう。
どうしちゃったんでしょう、このつがい。
変なポーズ大会になってしまってます。
抱腹絶倒なはずの内容をこんな迫力で描かれてしまってはもう逆らえません。
参りました!!という感じです。
右、薔薇小禽図。左、群魚図<蛸>
薔薇小禽図は圧巻でした。
近くにいた子供の発した言葉。
「なんじゃこりゃ!」
バラの花が美しい!これだけたくさん並んでるとクラクラしちゃいます。
この絵で気になった箇所が2つ。
ひとつは右上の茶色の部分。たぶん、木か枝だと思うのですが、この描き込みがこれまでのとひと味違います。
「動植綵絵」で描かれた木というと、線で描かれてたと思うのです。
ところがこの茶色のは「*」マークみたいなのをたくさん描いて、全体を表してるのです。なんか、思いついてしまったんでしょうか。
それとも、何かこういう植物があるんでしょうか。何ぶん、植物の知識があるわけでないので解らないのです。
さて、もう一点は左から右斜め上にかけて弧を描いてるライン。
若冲、お得意の謎の空間の切取り方だと思います。
バラのとげとげ付きの枝がこのラインの向こうから出てるのです。
このラインの手前と向こうは同じ色。やはり、架空の構図なんですよね。
まるで、理路整然と進んでくのに、ラストで不条理な終わり方をするお芝居みたいです。
群魚図<蛸>は絶対にタコが描きたかったのだと思います。
一見、リアルに描かれてますが、タコの足が一本だけ左に伸びた先に子ダコがひっしと足をからませてしがみついてます。
鶏のようなホ乳類の擬人化は若冲さんのお手の物ですが、タコにまでそんなことさせてしまうなんて、すごすぎです。
ちゃんと、親にしがみついてるように見えるんですから。
この絵については水の中シリーズにしては超常アングルっぽくなくてまともです。
右下の魚がちょっと斜め上から見てるように見えなくもないのですが、画面の隅っこで一匹だけなのでおかしくなってはいないのです。
右、群魚図<鯛>。左、紅葉小禽図。
群魚図<鯛>は<蛸>と同じパターンです。
ただし、こちらのほうが微妙に超常アングルです。
左上のイカとエイは上から見てるアングルなのに、他の魚は横向きに泳いでいます。
やっぱり、そういうところが若冲っぽいですね。
でも、群魚図はなんで2つ描こうと思ったんでしょうね。やっぱり、いろんなお魚を描きたかったってところなんでしょうか。
紅葉小禽図はすごく真っ当に描かれています。
紅葉の色を変えるのに、色自体を変えるのと、色の塗りの濃淡を複合させてるあたりはさすがです。
塗りの薄いのは背後の枝が透けて見えるほど。
反面、濃く塗ったのはこれでもかというくらいに朱色が鮮やかです。
さて、先日3度目の「若冲と江戸絵画展」に行ってきた時のこと。
ショップでこの洋書を発見しました。
2500円だったかな?
「動植綵絵」ばかりずらっと載ってて見応えありです。
びっくりしたのは先日、三軒茶屋のTSUTAYAでこの本を発見したこと。
うーむ、ブルータス見てて物足りないなってひとに買われてくれるとよいですね~。
<参考 過去記事>
花鳥-愛でる心、彩る技<若冲を中心に> 第1期(宮内庁三の丸尚蔵館)
花鳥-愛でる心、彩る技<若冲を中心に> 第2期(宮内庁三の丸尚蔵館)
花鳥-愛でる心、彩る技<若冲を中心に> 第3期(宮内庁三の丸尚蔵館)
花鳥-愛でる心、彩る技<若冲を中心に> 第4期(宮内庁三の丸尚蔵館)
今回も待ち切れずに初日の今日、宮内庁三の丸尚蔵館に行ってきました。
「動植綵絵」、今回も右から展示してある順番です。
右、老松孔雀図。左、芙蓉双鶏図。
老松孔雀図はぎっしりと詰まってます。
画面の中がぎりぎりいっぱいなのです。でも、ちゃんと要素がまとまってます。やはり、この白い羽の描き込みがキレイです。
息を呑む美しさですね。
孔雀となってますが、こんな白い孔雀は見たことないので、おそらく若冲の中で鳳凰とリミックスされた架空の生き物だと思います。
(追記:なんて書いてたら、ご指摘をいただきました。白孔雀は実在するようです)
一発目からガツンときちゃいました。
芙蓉双鶏図は鶏のポーズが極まってます。
雄のポーズ、これ実際に出来るんでしょうか?ってくらいに無茶な姿勢。
首がでんぐりがえってますもの。
なんか、体が卍型になっちゃってます。
雌も負けてません。
体を地に這わせ、首から頭の先までが釣り針のよう。
どうしちゃったんでしょう、このつがい。
変なポーズ大会になってしまってます。
抱腹絶倒なはずの内容をこんな迫力で描かれてしまってはもう逆らえません。
参りました!!という感じです。
右、薔薇小禽図。左、群魚図<蛸>
薔薇小禽図は圧巻でした。
近くにいた子供の発した言葉。
「なんじゃこりゃ!」
バラの花が美しい!これだけたくさん並んでるとクラクラしちゃいます。
この絵で気になった箇所が2つ。
ひとつは右上の茶色の部分。たぶん、木か枝だと思うのですが、この描き込みがこれまでのとひと味違います。
「動植綵絵」で描かれた木というと、線で描かれてたと思うのです。
ところがこの茶色のは「*」マークみたいなのをたくさん描いて、全体を表してるのです。なんか、思いついてしまったんでしょうか。
それとも、何かこういう植物があるんでしょうか。何ぶん、植物の知識があるわけでないので解らないのです。
さて、もう一点は左から右斜め上にかけて弧を描いてるライン。
若冲、お得意の謎の空間の切取り方だと思います。
バラのとげとげ付きの枝がこのラインの向こうから出てるのです。
このラインの手前と向こうは同じ色。やはり、架空の構図なんですよね。
まるで、理路整然と進んでくのに、ラストで不条理な終わり方をするお芝居みたいです。
群魚図<蛸>は絶対にタコが描きたかったのだと思います。
一見、リアルに描かれてますが、タコの足が一本だけ左に伸びた先に子ダコがひっしと足をからませてしがみついてます。
鶏のようなホ乳類の擬人化は若冲さんのお手の物ですが、タコにまでそんなことさせてしまうなんて、すごすぎです。
ちゃんと、親にしがみついてるように見えるんですから。
この絵については水の中シリーズにしては超常アングルっぽくなくてまともです。
右下の魚がちょっと斜め上から見てるように見えなくもないのですが、画面の隅っこで一匹だけなのでおかしくなってはいないのです。
右、群魚図<鯛>。左、紅葉小禽図。
群魚図<鯛>は<蛸>と同じパターンです。
ただし、こちらのほうが微妙に超常アングルです。
左上のイカとエイは上から見てるアングルなのに、他の魚は横向きに泳いでいます。
やっぱり、そういうところが若冲っぽいですね。
でも、群魚図はなんで2つ描こうと思ったんでしょうね。やっぱり、いろんなお魚を描きたかったってところなんでしょうか。
紅葉小禽図はすごく真っ当に描かれています。
紅葉の色を変えるのに、色自体を変えるのと、色の塗りの濃淡を複合させてるあたりはさすがです。
塗りの薄いのは背後の枝が透けて見えるほど。
反面、濃く塗ったのはこれでもかというくらいに朱色が鮮やかです。
さて、先日3度目の「若冲と江戸絵画展」に行ってきた時のこと。
ショップでこの洋書を発見しました。
Ho Jakuchu Plant and Animal ScrollsKorinsha Pressこのアイテムの詳細を見る |
2500円だったかな?
「動植綵絵」ばかりずらっと載ってて見応えありです。
びっくりしたのは先日、三軒茶屋のTSUTAYAでこの本を発見したこと。
うーむ、ブルータス見てて物足りないなってひとに買われてくれるとよいですね~。
<参考 過去記事>
花鳥-愛でる心、彩る技<若冲を中心に> 第1期(宮内庁三の丸尚蔵館)
花鳥-愛でる心、彩る技<若冲を中心に> 第2期(宮内庁三の丸尚蔵館)
花鳥-愛でる心、彩る技<若冲を中心に> 第3期(宮内庁三の丸尚蔵館)
花鳥-愛でる心、彩る技<若冲を中心に> 第4期(宮内庁三の丸尚蔵館)