さて、ようやく辿り着きました、AtoZの詳細レポートです。
いやー、もう遠回りばっかですみません。
いかんせん、書きたい内容が多いんです。
さて、JRの弘前駅から向かって行くと吉井煉瓦倉庫の裏手に出るのです。
この「AtoZ」の白い立体文字が目印です。
ぐるっと回ると、吉井酒造煉瓦倉庫の入口に着くのです。
右手の白いところが入口です。
左が荷物預かり、右がチケット販売ブースになっています。
そして、この倉庫の手前は芝生になってて、このサーフィンドッグくんがいるのです。
これはちゃんと、キャプションに撮影がOKである旨と、クツを脱げば跨がってOKな旨が書かれています。
大人でのっかるのが恥ずかしいとかじゃなくって、脱ぎにくい靴だったってことで乗りはしませんでしたが。
これのちっちゃいの出してグッズとして売ってくれたらなあとか思うのですよ。
さて、チケットブースで1000円を支払い、いざ会場へ。
入口のところでこのAtoZ MAPなる紙を受け取ります。
3人ムスメかわいいです。わたしは真ん中の目を閉じたこが好きなんですよね。
これ、ぬりえにして楽しめるんじゃないでしょうか。
開いてみると、会場の地図になっています。これが1Fの地図なのです。
各小屋の位置関係とそれぞれに展示されている作品のタイトルが網羅されています。
さて、まずは横浜トリエンナーレの小屋が待ち受けています。
横浜の時は奈良さんの画集を売ってたブースがチラシ置き場になっていました。
さて、そのまま通りすぎて右に向かいます。
これも横浜の時の背の低い入口をくぐっていきます。
あおもり犬のちっこいのがおかれています。せっかくの青森です。青森県立美術館にも行かないとね。
その次にはソウルでの個展の際に向こうのひとが書いた絵がびっしりと貼られた部屋へ。
この部屋、以前はそんなに意味を感じなかったのですが、今回のこの膨大な展示の中ではすごく必要な要素だと思いました。
さて、全部書くのも困難なので気になった小屋を取りあげて行きます。
「I」のミサワ小屋。
ゲストの三沢厚彦の作った木製の動物たち。
そのまんまでも見栄えはいいのですが、この展示方法が素敵だったのです。
小屋の下にはキリンの胴体。首が天井を貫いて上まで出てる。
これは見たいな~というところ。
よくみると、横にはしごがあるじゃないですか。天井の上まで伸びてるのです。
で、はしごを登ると、キリンさんとご対面!!
登ったひとみんなが笑顔になってました。
こういう展示が可能なところが強みですねえ。
「H」のヤノベ小屋。
これもゲストのヤノベケンジさんの作品。
鉄の象の上にやぐらが乗ってて、その中には映像が流れています。
トらやんの世界なる腹話術人形とのやりとりの間にいろんな映像が差し込まれています。
「森へ行きましょう」なんて歌いながら、流れる映像がチェルノブイリをアトムスーツで歩く映像だったりするのです。
ああ、そうしてもアトミックなネタが入ってしまうのですね。やっぱ、シュールで毒が入っていました。
「K」は奈良小屋。
いつもの奈良さんのお部屋、ドローイングルームは見てて飽きません。
壁にある絵はもちろん、机の上の小物から部屋の中のこまごまとしたものまで含めてずーっと見てて気持ちいいんですよね。なんだろう、この感じは。
発見して笑ったのはグミガールの上にみかんがのってたとこ。おいおい、おもちじゃあないんだからさあ(笑)
「N」Seaside Tenement House blue gallery。
ここが一番、やばかった~。
たった3点の作品だけなんですが飽きない。もう、ずーっと見ていたい。
中でも「wink away your tears」がヤバいです。
水の中に腰まで浸かって目を閉じているおんなのこ。癒されます。お金があったら、この絵が欲しいくらい。
横浜トリエンナーレの時にもこの絵はやたら長い時間をかけて鑑賞してた覚えがあります。今回も堪能させて頂きました。
「Y」アーチハウス
この小屋にはこの絵がありました。
チケットやポスターに載ってる「Eve of Destruction」。
これまで排除されてきた背景が描かれててびっくりなのです。
でも、これが今の奈良さんのトーンなんでしょうね。
背後の右のところに煙が立ちのぼるのが見えるのですが、解釈が分かれるのかな?
見ようによってはそのタイトルから戦火による破壊の結果のようにも見える。
でも、わたしはあの煙は生き残ってたひとがご飯を作ってるんだと思いたいんですよ。
あなたはどっちですか?なんてね。
「Q」星の部屋。
チケットブース横にかかってた垂れ幕の絵なのですが、展示方法が素敵すぎ!!
この絵を展示してるのは真っ暗な部屋なんですが、なんと絵の回りに立体のキラキラ☆がいくつもぶら下がってるのです。
絵が浮かびあがってくるように見えるのがいいですね。
「X」オランダ小屋。
これ、めちゃくちゃかわいかった~。雑誌の企画での奈良さんとファッションデザイナーのコラボで出来た衣装。
袖の先がソフトなボクシンググローブ状態(ドラえもん状態でも可)になってる衣装がよいのです。外人のおんなのこがこれ着てパンチしてる写真はかわいいのです。
絵だけでなく、実物でもこういう奈良さんのトーンになってしまうところさすがです。
さて、「森で会いましょう」というネオンサインの下をくぐり抜けて行くと、そこには休憩スペースが。
この左の白いところが休憩スペースなのです。
何本ものポールで仕切られてるだけで、いい風がきて涼しいのです。
さて、ここから1Fは後半戦です。
再び、建物の中に入るととんでもないのが待ち構えていました。
ニュー八画堂には、Fountain of Sorrowなる作品が置かれていました。
今回、一番気に入った場所です。
お皿の上に犬が5匹中央に向かい首を出しています。
どの犬もくちから水をぽたぽたと滴らせているのです。
この、水滴の音がこだましてすごく癒されるのです。
ずっと柵に肘をついて、その水の音に耳を澄ませました。
これは混んでると意味がないので居座って、人がいなくなった静かな状態で楽しんでください。
すごく、おすすめですから。
次の部屋からは写真のコーナーです。ゲストの川内倫子さんの写真が展示されていました。
この人の写真は以前、
カルティエ現代美術財団コレクション展(東京都現代美術館)で見たスライドが良くて覚えてたのです。
テントの中にあった、赤ちゃんの頭が出てくる瞬間の写真がすごかったです。ふつうに見てて、しばらくしてあれれって感じ。あれ、すごい瞬間だよね、これってみたいな。
独特のトーンが楽しめます。
次に続いてるのは「S.M.L」展で使用された小屋がありました。
以前、リアルタイムで見れてないので、これはうれしいですね。
それぞれ、スライドショー、写真、これまでの展示の軌跡が展示されていました。
写真を飾ってた部屋はちっちゃくて、中は子供サイズになってるのです。イスとの大きさが。
窮屈だなあと思って、出てみたら入れ違いに子供が入ってったらちょうどいい大きさでした。
なんか、見てて面白かったなあ。その変だなあという感覚が。
これで1Fの展示は終わりです。
でも、2Fにまだまだ続きがあるのです。
MAPによると何やら1Fとはだいぶ雰囲気が違うみたいです。
上のほうには何やら怪しい渦巻きが。。。なんじゃ、これは?
とにかく、上がって確かめようっと。
この2Fに上がるのには階段を上がるのですが、これが結構大変なのです。
鉄の階段で段差ひとつひとつが結構な高さ。
慎重に登ってかないと怪我しそうです。女性はハイヒールとかだとちょっと怖いかも。
さて、2Fに上がると1Fとは全く異なる広々とした開放的な空間が広がっていました。
木で組まれた通路をずっと進んで行きます。
奥は別の部屋になってて、暗いのです。
この先が地図に書かれてた渦巻きのところ。
まずは通路から金色の船に乗り込めるようになっています。しかも、狭いながらも船室にまで入れてしまう。
この船はKAHTY+grafで制作されたものだそう。にしてもすごい光景です。
この木の通路は地べたを這ってるのではなくちゃんと高くなってるのです。
その下はというと真っ黒いビニール。
この部屋の暗さと相まって、さながら海のイメージです。さて、金の船を後にして曲がりくねった通路を進んでくと何やら白い物体が見えてきます。
しかも3つ。離れて、向きもバラバラに。
あの、グミガールの頭のでっかいのです。しかも真っ白。
これは異様な光景でした。
なんて言うんでしょうね。この大きさでこういうデザインのがこんな中にあると圧倒的な存在でもう絵になってしまうんですよ。
この空間でこそみたいに思いました。これはたぶん、実際に見てみないと伝わらないところなんでしょうね。
さて、通路はついに小屋に辿りつきました。
Shalloe Puzzlesです。
すごく変な小屋。というのも中も渦巻きみたいになってるのです。
なんとか、中心に辿り着くと中には大きなお皿に描かれた作品です。
ほんとこういう仕掛けで見せてもらうと、他の美術館とかは何をしてるんだろうという気になりますね。
たぶん、これらの作品を普通に白い壁にかけてみるのとでは全く印象が異なるのは、間違いないでしょうから。
さて、この暗い部屋を脱して明るいほうの部屋へ。
良かったのは奈良さんの描きかけの絵が拝めるところ。
絵の具とかそのままで、ほんとにここで作ってるんだなあという感じなのです。
第二研究室となってるアトリエ。ここは絶対に見ておいたほうがいいです。
あと、よく見ないと見えないのがひとつ。
地図に
●梁上
もりおかわんこ頭部原型
と書かれています。研究室とかのてっぺんの線より上をみると、そのこに会えますよ。
とこんなところでしょうか。
さあ、見終わって会場を出ると、ショップとカフェのところに出てきます。
カフェは室内にもあるのですが、座席が限られてるので、表でも楽しめます。
見えるかな?右にあるビールケース。
そうなのです。
このビールケースに腰掛けて、食事出来るのです。
わたしはカフェラテキャラメルのアイスをずずずっと飲んでました。
テーブルもビールケースなので食事はちょっとしにくいとは思います。
あと、晴天でないと外は楽しめないですよね~。
幸い今回の7/29~30はうまく天気がもってくれて助かりました。
さあ、AtoZも10/22までです。
たぶん、わたしの予想では万博と一緒でもう見られない!っていう会期末になるとめちゃめちゃに混むのではないかと思っています。
あと、8/26に限っては深夜1時まで開場してるので、この日の夜にじっくりと眺めてくるのもよいでしょう。
<AtoZ関連記事>
・
AtoZグリーティングカード
・
東京からAtoZへの道のり~私の場合~
・
かわいい!AtoZなお菓子その2 開運堂のAtoZ薄合せ
・
かわいい!AtoZなお菓子その1 パリ亭のチーズケーキ
・
弘前の街で見かけるAtoZ
・
AtoZwalkingMapに出てたお店「洋風食堂なずな亭」
・
AtoZ関連イベント「A-nightで行こう!」に行ってきた
・
AtoZ弘前限定!みどりのパップ
・
奈良美智+graf AtoZに行ってきた~速報版、これから行かれる方へ~
・
なかなかいいです!美術手帖8月号
・
奈良美智+graf AtoZのフライヤー
・
「奈良美智+graf AtoZ」への旅の準備
・
もう手に入る!奈良美智AtoZ缶バッヂ(lammfromm The Concept Store)