平塚市美術館で開催中の村田朋泰展に行ってきました。
アニメーションの作家さんです。
前に新日曜美術館(だったと思う)で見て印象に残りました。
なんか昭和ちっくな感じの映像で面白そうだなあと。
入り口に入ったところに「さかだちくん」なるキャラがいました。
こういうのがあるとお子さんたちも見てみたくなるのでは?
さらに受付の前には三沢厚彦さんの「ユニコーン」が2頭も。
去年、開催された
三沢厚彦 アニマルズ+はいい内容でした。
さて、今回も期待しちゃいます。
受付でチケットを購入し、入り口のある2階へ行こうと思ったら。。。
いきなり、妖しい黒い板で囲われててびっくり。
映像を上映するためのシアターとグッズショップコーナーの部分がすごいことになってる。
美術館でここまでやるか!
架空の「三ノ函」なる地方の観光の街をモチーフにしていて、シアターは「三ノ函映画館」と黒バックに赤い字で書かれてたのです。
2階に上がると同じイメージでチケットもぎりの係のひとのところまでの5メートルくらいを暗い中歩いてくのです。
左手には撮影で使われた小道具が展示されています。
会場の中は薄暗く、よく作り込まれていました。
壁は外と同じ黒のトーン。そして、壁の上のほうにピンクの妙な物体が。天井からはカラフルだけどどこか寂しい感じのする電灯が灯っています。
区切られていて、部屋ごとに映像を観るようになってるのですが、非常に凝ってます。
湘南電車のカラーとつり革、その窓に映される映像。
疲れた顔の男が都会の喧噪を離れて列車で三ノ函に向かうのです。
こういう映像を上映するのって、でっかいモニターさえあればそれだけで最低オッケーなもの。
でも、今回の展示ではどの部屋も空間として練られてているだけで飽きないような仕掛けになっている。
あと、やたらと「立入禁止」なるドアがあって空けてみたものの、スタッフかお客さんかの判別がつかず、すぐにドアを閉めてしまいました。
順路を進んでくと後でそれが空けてもいい扉であることが判明。
なるほど、上手い仕掛けです。
奥の奥のほうの部屋には村田さんからのメッセージが。
黒板にチョークがひっそりと書かれた文字。途中で消えてしまってる。
ふつうなら冒頭にもってくるであろうものをこういうところに置いてくところにセンスを感じる。
映像は台詞はなくって音のみ。
色味のくすんだ感じが妙に郷愁をさそう。
なんだろう、この昭和なテイストは。
連れていたペルソナをつけた女性が実は彼の妄想で、結局彼女はそこにいなかったそのせつなさ。
記憶の残滓は少し痛かったりする。
単に見てるだけだとストレスもたまりそうですが、ちゃんとお客さんがコントロール出来るのもありました。
その名も「三ノ函ジュークボックス」。
古びたジュークボックスなのだけど、英語のキーと数字の組み合わせで三ノ函の名所案内が映像で見られるというもの。
これ、ガチャガチャとキーを打って、映像が流れるというのが子供に大受け。
というか、わたしもやってみて楽しかったです。
しかも、流れる映像がやっぱり昭和ちっくかつチープ、しかもくだらなくってよい。
映像によってはすぐに終わってしまうのもあるし、意外に長いのもある。
SAMURAI IKAがなんかすごく意味もなく長くて、あの音が耳に残って離れません。
無意味にセクシーな場面、その上に意味なく画面を横切るSAMURAI IKA。
謎だなあ。
とまあ、かなり楽しめる内容でした。
規模こそ違えど、AtoZのことを思い出しました。
美術館のホワイトキューブを感じさせない展示として大成功だと思います。
よくぞ、やりましたね!
今回、ショップではガチャガチャがあってやってみました。
なんと100円。
で、引いてみた結果は。
なんと2等のピアニストピンバッヂ。
このコーナーも昔のゲームがあったり、駄菓子屋さんのケースがあったりでなかなか面白い造りになってました。
5/25まで。