大英博物館 古代ギリシャ展に行ってきました。
国立西洋美術館はもちろん、東京国立博物館も金曜日の夜間開館は再開していて有難いです。
震災後は夜間どころか昼間も開いてなかったんですよね。
美術館の状況もだいぶ元にもどりつつあるように思います。
○ゼウス小像
小さいがとても精巧に出来ている。が、謎がひとつ。右手の棒はわかる。が、左手に持つドリル状のが謎。しかも持手の両側についており独鈷杵にちょっと近いのかなあと。
○擬人化した葡萄の木とディオニソス像
このディオニソス像はほとんど女子のフォルム。肉付きは女性なのに股間が男性。。。おいおいどうしたいんだい。でも、酒神であるので悪くは言いませんよー。
○ヘラクレス像頭部
でっかい頭。髭と髪のくるくるが螺髪を思わせるがこちらはもとワイルドでランダムな感じ。とにかくインパクトが大きくて印象に残ります。
○スフィンクス像(おそらくテーブル脚部)
これは異様さが際立っていました。バランスはとれているものの体のパーツをカットアンドペーストで人間と動物リミックスをやっちゃうのが神話のキャラに多いのですよね。
○後期スペドス型女性像
あれれ?なんだか土偶展に出てきそうなフォルム。シンプルだけど明らかに古代を感じさせてくれるデザイン。見事です!
○アフロディテ像
ストレートに美しいなという彫像。脚に挟んだ布が作るポーズが女性っぽくてよし。
○少年像頭部
これ、表情が澄んでてよいです。
○喜劇役者の像
基本的にずっと写実的な彫像を見てて、いきなりこれがくるとびっくりします。デフォルメされたでっかい魚みたいな口は強烈。
○円盤投げ(ディスコボロス)
今回のメイン。展示方法にも気合いが入ってます。
まずはパネルで各パーツの解説。そして、向こう側におわしました。
丸いステージの上にいました。
実はこれは後2世紀につくられたコピー。オリジナルは前450-前440年頃に制作されたのだそう。
っというかそんなことが分かるということにまず驚かされる。
この人体のバランスは弓を思わせ、カーブが美しい。
背骨のところは本来は出ているはずだがこの彫像では凹んでいる。あきらかにおかしいのだけどもそれ以外の部位がとても写実的に見えるので違和感なく見えてします。
この像はおそらくシルエットで見ても美しいと思います。それくらいにばっちりとポーズが決まってます。
○クス(酒瓶)
これはミルクピッチャーみたいな小さな容器。絵もかわいい。
なんでも2~3歳のちいさな子供にワインを味見させるものだったとのこと。
○コリントス式兜
解説にあったとおり、顔がみえにくい造りが異様。鼻も隠れ、頬から口へ両側から伸びる部分で口も見える箇所が少ない。機能から出来上がるデザイン。
○ギンバイカの葉と実をかたどった冠
金で出来た冠。葉の先に小さな丸い実がついた造形はただただ美しく見る者を虜にする。
○黒像式マストス(乳房形酒盃)
これ自立しないです。おわん方の先が乳首になってる、いやーん。
○サテュロイスから逃れようとするニンフの像
これが一番セクシャルな感じでしたね。ニンフの表情がうむむと思ったら、頭部のみ19世紀に修復されててそれはそれで納得。
○黒像式アンフォラ
3組の同性愛カップル。ぎょええという感じです。でも、絵としてはよく出来てて複雑。うーん、日本の戦国時代にはそんな絵は残ってないですよね~。
○拳闘士たちのモザイク
どうもこの時代のギリシアでは小人が見世物として拳闘士をやっていたようです。モザイクだけなら普通に見られるもののやはり描かれたモチーフは我々の今いる世界では描くことはそうそうないであろうもの。そのギャップで浮かびあがるその存在。
古代ギリシア。地理的にも時代的にも遥か彼方。その文化の痕跡がこれだけ残ってる。もうこれだけで酔えますね。
円盤投げは何度も周りをぐるぐる見て回りましたが飽きませんね。
9/25まで。