宮内庁三の丸尚蔵館へ行ってきました。
花鳥-愛でる心、彩る技<若冲を中心に> も今回で第3期。早いもんです。
第5期まであるなんてと思ってたのに、もうこれで半分を越えてしまったのです。
残るはあと2回かと思うと寂しい限り。
今回の3期は待ちきれずに初日の今日、行ってきたのです。
若冲以外の絵は中国のが並んでたのですが、鶴がなんとまともでオーソドックスなことかと思ってしまいました。どうしても前回の若冲さんの鶴の絵が頭に残ってるもんで。
というわけで、今回も若冲の動植綵絵だけで行ってしまいます。
一応、並んでた順番どおり右から左の順番で書いていきます。ご了解ください。
まずは、右の「梅花小禽図」。
やはりこのひとの描く梅はすごくいいですね。ひとつひとつの花が細かく描かれて絵るのはもう実物じゃないと伝わりません。いくら、印刷で出してもこの良さって伝わらないような気がします。
梅の枝の力強さと花の可憐さの対比が見事です。
そして左の「秋塘群雀図」。
この絵をみて、はっと気付いたことが。
雀って茶色だってのに、こういう微妙な色の背景を平然ともってきちゃってるんですよね。他の絵をみても実はこの微妙なベージュというか薄い茶色と黄色の中間というかが背景になってるのが多いんですよね。
茶色の雀を描くのだったらふつうなんか別の色にしそうなものなのにこれでばっちりきめてるところがかっこいい。
画面の上3分の2は白いのが一匹アクセントで入ってるものの、ほぼ同じポーズの雀ばかり。
ところが下3分の1のほうは稲穂?で背景に変化があるし、なによりも雀がそれぞれポーズが違っててすごく動きのある感じになっています。
右「紫陽花双鶏図」。
この展示では季節ものをその時期に合わせて出してるようなのでこれは納得の紫陽花なのです。
でも、なんだかふだん見かける紫陽花と違うように見えるのは当時と品種が変わってるからでしょうかね。紫というよりも群青色といったほうがいいこの色が白の紫陽花とでいいバランスです。
そして何よりこの鶏。向かって右の鶏のポーズ!!目の表情といい、すごい。おちゃれけになりそうなポーズなのに羽の描き込みは超本気モードです。
この落差が若冲が好きなところって気もするのです。
左「老松鸚鵡図」。
見て声は出しませんけど笑ってしまいましたよ。
この白いオウムの目とぬぼーっとした感じ。ひとを喰ってます。
そして、背景には松なんでしょうが、どう見てもウニかイガ栗にしか見えない。
このギャップだけでお腹いっぱいになりそうなのに、もうひとつオマケが。
左奥の緑のオウムです。
「ちぇ!何さ、そっちばかり白い羽をキレイに描いてもらっちゃってさ、フン!」て感じ。
脇役オーラ全開な感じ。で、面白いのは経年変化かもともとか知りませんが、このオウムの緑のところの塗りにムラがあるんですよね。それでさらに拗ねた感じに見えてくるのかもしれません。
右「芦鵞図」。
これはよくよくみるとすごいんですよね。背景の草の描き方はダイナミックに墨で描いた躍動感のあるタッチなのに、この水鳥はちゃんと描かれてるんですもの。
異様な見た目であるのですが、面白さを通り越した存在感が魅力です。背景の描き込みの効果があってのことはもちろん言うまでもありません。
ラスト、左は「蓮池遊魚図」。
やっぱ若冲は構図というか空間の使い方が上手い!
この蓮の葉の描き方。画面に向かって正面きって見せてて、さらに花のほうもすごい配置で参ってしまいます。
しかも前述の背景で今度はお魚を描いてしまってるのです。
しかも、この魚たち、よおくみると口が変!実物ってこんな口でかくないでしょ。
そうです、若冲はいつもこうやって我々を翻弄して楽しんでるに違いありません。
水と蓮との境界のところの描き方もすごい切り方をしててやはりとんでもない絵なのです。
絶対にあり得ない視点。これにつきますね。
あーあ。と2期を残すことになりました。
早いもんです。そしてどんどんと若冲にハマってく自分を発見したのでした。
<参考 過去記事>
花鳥-愛でる心、彩る技<若冲を中心に> 第1期(宮内庁三の丸尚蔵館)
花鳥-愛でる心、彩る技<若冲を中心に> 第2期(宮内庁三の丸尚蔵館)
花鳥-愛でる心、彩る技<若冲を中心に> 第4期(宮内庁三の丸尚蔵館)
花鳥-愛でる心、彩る技<若冲を中心に> 第5期(宮内庁三の丸尚蔵館)
花鳥-愛でる心、彩る技<若冲を中心に> も今回で第3期。早いもんです。
第5期まであるなんてと思ってたのに、もうこれで半分を越えてしまったのです。
残るはあと2回かと思うと寂しい限り。
今回の3期は待ちきれずに初日の今日、行ってきたのです。
若冲以外の絵は中国のが並んでたのですが、鶴がなんとまともでオーソドックスなことかと思ってしまいました。どうしても前回の若冲さんの鶴の絵が頭に残ってるもんで。
というわけで、今回も若冲の動植綵絵だけで行ってしまいます。
一応、並んでた順番どおり右から左の順番で書いていきます。ご了解ください。
まずは、右の「梅花小禽図」。
やはりこのひとの描く梅はすごくいいですね。ひとつひとつの花が細かく描かれて絵るのはもう実物じゃないと伝わりません。いくら、印刷で出してもこの良さって伝わらないような気がします。
梅の枝の力強さと花の可憐さの対比が見事です。
そして左の「秋塘群雀図」。
この絵をみて、はっと気付いたことが。
雀って茶色だってのに、こういう微妙な色の背景を平然ともってきちゃってるんですよね。他の絵をみても実はこの微妙なベージュというか薄い茶色と黄色の中間というかが背景になってるのが多いんですよね。
茶色の雀を描くのだったらふつうなんか別の色にしそうなものなのにこれでばっちりきめてるところがかっこいい。
画面の上3分の2は白いのが一匹アクセントで入ってるものの、ほぼ同じポーズの雀ばかり。
ところが下3分の1のほうは稲穂?で背景に変化があるし、なによりも雀がそれぞれポーズが違っててすごく動きのある感じになっています。
右「紫陽花双鶏図」。
この展示では季節ものをその時期に合わせて出してるようなのでこれは納得の紫陽花なのです。
でも、なんだかふだん見かける紫陽花と違うように見えるのは当時と品種が変わってるからでしょうかね。紫というよりも群青色といったほうがいいこの色が白の紫陽花とでいいバランスです。
そして何よりこの鶏。向かって右の鶏のポーズ!!目の表情といい、すごい。おちゃれけになりそうなポーズなのに羽の描き込みは超本気モードです。
この落差が若冲が好きなところって気もするのです。
左「老松鸚鵡図」。
見て声は出しませんけど笑ってしまいましたよ。
この白いオウムの目とぬぼーっとした感じ。ひとを喰ってます。
そして、背景には松なんでしょうが、どう見てもウニかイガ栗にしか見えない。
このギャップだけでお腹いっぱいになりそうなのに、もうひとつオマケが。
左奥の緑のオウムです。
「ちぇ!何さ、そっちばかり白い羽をキレイに描いてもらっちゃってさ、フン!」て感じ。
脇役オーラ全開な感じ。で、面白いのは経年変化かもともとか知りませんが、このオウムの緑のところの塗りにムラがあるんですよね。それでさらに拗ねた感じに見えてくるのかもしれません。
右「芦鵞図」。
これはよくよくみるとすごいんですよね。背景の草の描き方はダイナミックに墨で描いた躍動感のあるタッチなのに、この水鳥はちゃんと描かれてるんですもの。
異様な見た目であるのですが、面白さを通り越した存在感が魅力です。背景の描き込みの効果があってのことはもちろん言うまでもありません。
ラスト、左は「蓮池遊魚図」。
やっぱ若冲は構図というか空間の使い方が上手い!
この蓮の葉の描き方。画面に向かって正面きって見せてて、さらに花のほうもすごい配置で参ってしまいます。
しかも前述の背景で今度はお魚を描いてしまってるのです。
しかも、この魚たち、よおくみると口が変!実物ってこんな口でかくないでしょ。
そうです、若冲はいつもこうやって我々を翻弄して楽しんでるに違いありません。
水と蓮との境界のところの描き方もすごい切り方をしててやはりとんでもない絵なのです。
絶対にあり得ない視点。これにつきますね。
あーあ。と2期を残すことになりました。
早いもんです。そしてどんどんと若冲にハマってく自分を発見したのでした。
<参考 過去記事>
花鳥-愛でる心、彩る技<若冲を中心に> 第1期(宮内庁三の丸尚蔵館)
花鳥-愛でる心、彩る技<若冲を中心に> 第2期(宮内庁三の丸尚蔵館)
花鳥-愛でる心、彩る技<若冲を中心に> 第4期(宮内庁三の丸尚蔵館)
花鳥-愛でる心、彩る技<若冲を中心に> 第5期(宮内庁三の丸尚蔵館)
やっと帰ってまいりました。
早速コメント&TBありがとうございます。
同じく初日に行かれたのですね。
行きたくなりますよね、うずうずしてました。
良かったです出張と重ならなくて!
紫陽花にもハマりましたが
やっぱり同じく「蓮池遊魚図」には参りました。
どうして約300年も昔にこうした作品が描けたのか不思議です。
見たいです 口惜しい(笑)
ブログで見せてくださって、どうもありがとう。嬉しいです。
>Takさん
まさか、同じ日に同じところにいたとはね。でも、Takさんなら初日に来てるかもとちょっと思ってはいたのです。
>どうして約300年も昔にこうした作品が描けたのか不思議です。
これ、すごく謎ですよね。空間をあんな形で作ってしまう若冲さん。ほんと天才ですよね。
>moka616さん
>「蓮池遊魚図」はいいですねぇ。
この絵はほんとすごかったです。全国巡回して欲しいものですね、こういういい展示については。
はじめまして。アイレと申します。
Takさんのところから飛んできました。
動植綵絵の記事についてTBさせていただきました。
どの絵も素晴らしい!!!の一言ですが、今回は若冲の空間表現に長けている作品を堪能できました。
これからの展示も楽しみですね。
また展覧会等の記事でお世話になるかもしれませんが、よろしくお願いします。
TBありがとうございます。
>若冲の空間表現に長けている作品を堪能できました。
前回第2期のラストの菊花流水図に通じてますよね。
あの空間の描き方はただものではないですよね。
あと4期、5期で終わってしまうかと思うと寂しい気がしますね。
早速のTBをありがとうございました。
>背景の草の描き方はダイナミックに墨で描いた躍動感のあるタッチなのに、この水鳥はちゃんと描かれてるんですもの。
本当にその対比が見事ですよね。
水鳥がドーンと構えている分、
背景にとても動きがあって…。面白い作品かと思います。
>水と蓮との境界のところの描き方もすごい切り方をしててやはりとんでもない絵なのです。絶対にあり得ない視点。
そうですよね。
もう殆ど光琳のようにデザインとしか思えないような構図でした。
斬新です。
東博に第4、5期と、
この夏は若冲にハマりそうです!
こちらこそ、TBありがとうございました。
>もう殆ど光琳のようにデザインとしか思えないような構図でした。
これはほんと、あとから余計にすごい作品だったなあと実感してきちゃいます。
>東博に第4、5期と、
この夏は若冲にハマりそうです!
パスで特別展はあと5回見られるのですが、おそらく夏の若冲で2~3つは使ってしまいそうです。
若冲が面白いっていうひとが増えるのはいいことですよね~。