花鳥-愛でる心、彩る技<若冲を中心に>もついに第4期です。
さっそく初日の今日、宮内庁三の丸尚蔵館に行ってきました。
いかんです、もう、待ち切れないのです。
もちろんプライスコレクションも行かなくちゃ行けないのですが、続きものなのでどうしてもこっちが気になります。
さて、今回は「動植綵絵」の他にも若冲さんのすごいのが展示されていました。
それがこのメインの画像の「旭日鳳凰図」です。
前回、第3期に展示されていた中国絵画の「百鳥図」に出てくる鳳凰が頭に浮かびました。
でも、こちらの「旭日鳳凰図」のほうがチカラがみなぎってます。
右手奥の太陽がもくもくっとした雲の間から顔を覗かせています。
この雲がクリームパンに見えて仕方なかったのはわたしだけでしょうか。
鳳凰は2羽。やはり雄雌なのでしょうか。
右の鳳凰は口を開け<阿>、左の鳳凰は口を閉じてます<吽>。<阿吽>を意識してるかは分かりませんが、動と静の対比をさらに色濃くしてると思います。
波がまた、すごい描きっぷりです。
なんでこんなに躍動感あるんでしょうね。鳳凰の立ってる波間のいわばを崩しそうな勢いです。
もう、いきなりこれを見ちゃいましたからエンジンがかかってしまうってものです。
さて、ここからが「動植綵絵」です。
一応、順番どおりに右から「老松白鳳図」、「向日葵雄鶏図」、「大鶏雌雄図」。
「老松白鳳図」
「旭日鳳凰図」は色とりどりでそれはよかったのですが、こちらも負けていません。
白い鳳凰ってのがそれだけでしびれちゃいます。それに尾の羽の先のところがハートマークなのです。しかも、赤と緑。
なんか変な感じです。
さて、この絵にも太陽がちょこっと出てます。なんでしょう?神聖な生き物であるってのを太陽と結びつけてるんでしょうか。
その太陽の下の鳥がなんと普通に見えることか。
やはり、美しいとはいえ、鳳凰は異形なのです。普通の鳥がみすぼらくしく見えてしまうくらいに。
「向日葵雄鶏図」
ふっと目に入った瞬間、上げた片足で止まった一瞬の時間を感じたのです。
これ、裏テーマはまだらなのでしょうか。
鶏の尾の羽の黒と白のまだら、あさがおの紺と白のまだら。そして、ひまわりの折れた花びらの黄色とその中心部の緑(ドットで色微妙だけど)もまだらに見えなくもない。
しかし、ひまわりと朝顔ってこんなに一緒になって咲くんでしょうか。これも多分、こう描きたいからってのが先に来てるような気がします。
気になるのは鶏の頭の上のひまわりのいびつな感じ。なんか、あえてここだけパースが狂わされてる感じなのです。ひまわりの葉も虫食いで穴だらけだし、どうしたんでしょうかね。
「大鶏雌雄図」
ほぼ背景のないのはこれだけでした。他にもこの30幅の中であったかと思って確かめたのですが、ほんとにこれだけ背景がないのです。
手前の雌の仕草がひとっぽくっていいのです。
女性がしなを作って「なによ」って言ってそう。何げにそんな風にさらっと描くのが上手いなあ。
さすが、鶏をたくさん描いてるからこそって感じです。
さて、ここから後半戦。右から「群鶏図」、「池辺群虫図」、「貝甲図」。
「群鶏図」
以前、鶴が隠れてた「梅花群鶴図」を思い出して、必死になって数えましたが赤いとさかでカウントは問題なく出来て、13羽いるのが確認出来ました。
もう、ほんとに鶏大好きなんですね、若冲さんは。
全部、見てる方向も表情も違ってて見てて飽きないのです。
画面下の中央の正面向きのが威嚇してるようで、首のところをえりまきとかげの如く広げててすんごい顔です。
単純に見てて楽しくなる絵でした。
「池辺群虫図」
また、とんでもない作品です。
どこから見てるんだあの超常アングルです。
横向きに見えるカエルがたくさん並んでるかと思うとそのすぐ下には水の中をおたまじゃくしが泳いでる。
さて、カエルさんはどこにいるんでしょうね。
しかも、それだけではありません。左手前の陸地らしきところが水の中に入ってくところ、何かおかしくないですか?
土だとばかり思ってたら、板が何枚か割れたみたいにして水に入ってるのです。
突き詰めれば突き詰めるほど、頭が混乱してくる空間認識。
やっぱり若冲さんは天才なのです。
それにしてもこの絵、がんばってます。こんなにたくさんの種類の虫や爬虫類まで描かれてる。
好きなのは、右のひょうたんに巻き付いてるへびと、右の葉っぱに出来た虫食いの○に収まった芋虫。
楽しんで描いてたんでしょうね。何かチカラ入ってる感じがしたのです。
でも、こういうの虫が嫌いなひとはやっぱりだめなんでしょうかね。
「貝甲図」
これも実は超常アングルです。
どこの視点から見ているのか謎なアングルの作品。
というかそもそもこの青い水、おそらく海水のようなものの扱いが謎なのです。
これは一体どう見たらいいんでしょう。青の先端には白い波のようなのが渦をまいてくるくるしてる。
でも、この貝の上をぶったぎって横切る青いライン。
この貝達は砂の上にいるんでしょうか、それとも水の中に居るんでしょうか。
にしても可哀想なのはこの貝達が生きてるって感じがしないこと。
完全に配置されてるだけって印象なのです。
まあ、生き生きとした貝ってのもそれはそれで想像しにくくもあるのですが。。。
<参考 過去記事>
花鳥-愛でる心、彩る技<若冲を中心に> 第1期(宮内庁三の丸尚蔵館)
花鳥-愛でる心、彩る技<若冲を中心に> 第2期(宮内庁三の丸尚蔵館)
花鳥-愛でる心、彩る技<若冲を中心に> 第3期(宮内庁三の丸尚蔵館)
花鳥-愛でる心、彩る技<若冲を中心に> 第5期(宮内庁三の丸尚蔵館)
さっそく初日の今日、宮内庁三の丸尚蔵館に行ってきました。
いかんです、もう、待ち切れないのです。
もちろんプライスコレクションも行かなくちゃ行けないのですが、続きものなのでどうしてもこっちが気になります。
さて、今回は「動植綵絵」の他にも若冲さんのすごいのが展示されていました。
それがこのメインの画像の「旭日鳳凰図」です。
前回、第3期に展示されていた中国絵画の「百鳥図」に出てくる鳳凰が頭に浮かびました。
でも、こちらの「旭日鳳凰図」のほうがチカラがみなぎってます。
右手奥の太陽がもくもくっとした雲の間から顔を覗かせています。
この雲がクリームパンに見えて仕方なかったのはわたしだけでしょうか。
鳳凰は2羽。やはり雄雌なのでしょうか。
右の鳳凰は口を開け<阿>、左の鳳凰は口を閉じてます<吽>。<阿吽>を意識してるかは分かりませんが、動と静の対比をさらに色濃くしてると思います。
波がまた、すごい描きっぷりです。
なんでこんなに躍動感あるんでしょうね。鳳凰の立ってる波間のいわばを崩しそうな勢いです。
もう、いきなりこれを見ちゃいましたからエンジンがかかってしまうってものです。
さて、ここからが「動植綵絵」です。
一応、順番どおりに右から「老松白鳳図」、「向日葵雄鶏図」、「大鶏雌雄図」。
「老松白鳳図」
「旭日鳳凰図」は色とりどりでそれはよかったのですが、こちらも負けていません。
白い鳳凰ってのがそれだけでしびれちゃいます。それに尾の羽の先のところがハートマークなのです。しかも、赤と緑。
なんか変な感じです。
さて、この絵にも太陽がちょこっと出てます。なんでしょう?神聖な生き物であるってのを太陽と結びつけてるんでしょうか。
その太陽の下の鳥がなんと普通に見えることか。
やはり、美しいとはいえ、鳳凰は異形なのです。普通の鳥がみすぼらくしく見えてしまうくらいに。
「向日葵雄鶏図」
ふっと目に入った瞬間、上げた片足で止まった一瞬の時間を感じたのです。
これ、裏テーマはまだらなのでしょうか。
鶏の尾の羽の黒と白のまだら、あさがおの紺と白のまだら。そして、ひまわりの折れた花びらの黄色とその中心部の緑(ドットで色微妙だけど)もまだらに見えなくもない。
しかし、ひまわりと朝顔ってこんなに一緒になって咲くんでしょうか。これも多分、こう描きたいからってのが先に来てるような気がします。
気になるのは鶏の頭の上のひまわりのいびつな感じ。なんか、あえてここだけパースが狂わされてる感じなのです。ひまわりの葉も虫食いで穴だらけだし、どうしたんでしょうかね。
「大鶏雌雄図」
ほぼ背景のないのはこれだけでした。他にもこの30幅の中であったかと思って確かめたのですが、ほんとにこれだけ背景がないのです。
手前の雌の仕草がひとっぽくっていいのです。
女性がしなを作って「なによ」って言ってそう。何げにそんな風にさらっと描くのが上手いなあ。
さすが、鶏をたくさん描いてるからこそって感じです。
さて、ここから後半戦。右から「群鶏図」、「池辺群虫図」、「貝甲図」。
「群鶏図」
以前、鶴が隠れてた「梅花群鶴図」を思い出して、必死になって数えましたが赤いとさかでカウントは問題なく出来て、13羽いるのが確認出来ました。
もう、ほんとに鶏大好きなんですね、若冲さんは。
全部、見てる方向も表情も違ってて見てて飽きないのです。
画面下の中央の正面向きのが威嚇してるようで、首のところをえりまきとかげの如く広げててすんごい顔です。
単純に見てて楽しくなる絵でした。
「池辺群虫図」
また、とんでもない作品です。
どこから見てるんだあの超常アングルです。
横向きに見えるカエルがたくさん並んでるかと思うとそのすぐ下には水の中をおたまじゃくしが泳いでる。
さて、カエルさんはどこにいるんでしょうね。
しかも、それだけではありません。左手前の陸地らしきところが水の中に入ってくところ、何かおかしくないですか?
土だとばかり思ってたら、板が何枚か割れたみたいにして水に入ってるのです。
突き詰めれば突き詰めるほど、頭が混乱してくる空間認識。
やっぱり若冲さんは天才なのです。
それにしてもこの絵、がんばってます。こんなにたくさんの種類の虫や爬虫類まで描かれてる。
好きなのは、右のひょうたんに巻き付いてるへびと、右の葉っぱに出来た虫食いの○に収まった芋虫。
楽しんで描いてたんでしょうね。何かチカラ入ってる感じがしたのです。
でも、こういうの虫が嫌いなひとはやっぱりだめなんでしょうかね。
「貝甲図」
これも実は超常アングルです。
どこの視点から見ているのか謎なアングルの作品。
というかそもそもこの青い水、おそらく海水のようなものの扱いが謎なのです。
これは一体どう見たらいいんでしょう。青の先端には白い波のようなのが渦をまいてくるくるしてる。
でも、この貝の上をぶったぎって横切る青いライン。
この貝達は砂の上にいるんでしょうか、それとも水の中に居るんでしょうか。
にしても可哀想なのはこの貝達が生きてるって感じがしないこと。
完全に配置されてるだけって印象なのです。
まあ、生き生きとした貝ってのもそれはそれで想像しにくくもあるのですが。。。
<参考 過去記事>
花鳥-愛でる心、彩る技<若冲を中心に> 第1期(宮内庁三の丸尚蔵館)
花鳥-愛でる心、彩る技<若冲を中心に> 第2期(宮内庁三の丸尚蔵館)
花鳥-愛でる心、彩る技<若冲を中心に> 第3期(宮内庁三の丸尚蔵館)
花鳥-愛でる心、彩る技<若冲を中心に> 第5期(宮内庁三の丸尚蔵館)
記事書くの早いですね!!
読んでしまいました。
同じく待ちきれないたちなので
来週あたりこっそりと。。。
後で書こうとすると記憶がだんだんと。。。
ああ、ルーブルルーブルを先週見てきたのに、未だに書けておりません
池辺群虫図、本当にとんでもないですね。
蛙さんの位置するところはどこなのか悩みますね。
>池辺群虫図、本当にとんでもないですね。
蓮池遊魚図(3期)と菊花流水図(2期)もよくみてみると、あれれれとなってきます。
空間の捉え方がすこぶる素敵です。
>超常アングル
確かに!でもまとまって見えるから不思議です。
>生き生きとした貝
若冲が寿司好きだったら生き生きとしてたのでしょうね(笑)。貝殻を並べているように見えますね。
>若冲が寿司好きだったら生き生きとしてたのでしょうね(笑)。
ええー、そんなあ。この貝の代わりにお寿司が並んでるおバカな絵が頭に浮かんでしまって、ツボに入ってしまいました~
TBありがとうございます。凄い作品ばかりで本当に見ごたえがありました。実は私、ケロたんが×で「池辺群虫図」の構図の凄さを確認できませんでした。(ちょっと残念です…
本当に色使いの素晴らしさや動物たちのハーモニーを見て取れて大満足でした。
ほんと毎回素敵な作品ばかりですね。
ということで、この第4期は待ちきれずに初日から行ってしまいました。
>「池辺群虫図」の構図の凄さを確認できませんでした。
それはそれで分かりますね。もっともですよ。
記事書くのも遅くなりました。
TB送らせてもらいます。
「ヒマワリ」が一番気に入りました。
>「ヒマワリ」が一番気に入りました。
なるほど~。
本当に今回のはひとによって、好きな作品が分かれるようですね。