「ほうれんそうは ないています」(2分半)
鎌田實:作
長谷川義史:絵
ポプラ社:発行
2014.3第1刷(1300円)
2011年3月下旬、福島県内のある小さな村で、心を不安にする放射性ヨウ素が検出された。
ほうれんそうの上にも、見えない、においのない、色のない、放射性物質がふりそそいだ。
見えないからだれも気がつかない。
2011年3月、このときのほうれんそうの身になって考えてみた。
かなしいだろうな。
くやしいだろうな。
みんなに安心して食べてもらいたいと思って、おいしく育っていたはずなのに。
おいしくなれ、おいしくなれ、と思っていたはずなのに。
ほうれんそうはおこっているだろうな、と思った。
(医師でもある作家、鎌田さんのあとがきより)