アンの絵本日記&g

大人にも楽しめる絵本の紹介と
稲垣吾郎さんについて(時々)語ります。

今日の絵本

2014-04-27 20:52:13 | 絵本
「ほうれんそうはないています」(2分)
鎌田寛:文
長谷川義史:絵
ポプラ社:発行
2014.3第1刷(1300円)

2011年3月下旬、福島県内のある小さな村で、心を不安にする放射性ヨウ素が検出された。
ほうれんそうの上にも、見えない、においのない、色のない、放射性物質がふりそそいだ。
見えないから誰も気がつかない。
2011年3月、この時のほうれんそうの身になって考えてみた。
かなしいだろうな。
くやしいだろうな。
みんなに安心して食べてもらいたいと思って、おいしく育っていたはずなのに。
おいしくなれ、おいしくなれ、と思っていたはずなのに。
ほうれんそうはおこっているだろうな、と思った。
ほうれんそうのかなしみを想像していたら、ほうれんそうを支えている大地だって、くやしがっているのに気づいた。
大地も汚れ、海も汚れた。
大地の上には草が生えている。
その草も汚れ、その草を食べた牛が汚れ、その牛がつくるミルクが汚れた。
食物連鎖なのだ。
みんな、命はつながっている。
(作者あとがきより)

鎌田氏が願った長谷川義史氏とのコラボ。
文章も絵も迫力がある。