アンの絵本日記&g

大人にも楽しめる絵本の紹介と
稲垣吾郎さんについて(時々)語ります。

今日の絵本

2012-05-09 18:52:53 | 絵本
「おっと合点承知之助」(2分)
齋藤孝:文
つちだのぶこ:絵
ほるぷ出版:発行
2003.1初版第1刷(1200円)


『声に出して読みたい日本語』に入れた付け足し言葉は、小学生には大人気だったようです。
付け足し言葉というのは、言葉の勢いが止まらずに、シャレで言葉を付け足したもののことです。
たとえば、「その手は桑名の焼き蛤」というのは、「その手は食わないよ」と言えば済むところを勢い余って、「食わない」と地名の「桑名」を引っかけて、桑名名物の焼き蛤を付け足したということです。
付け足し言葉は、人に向って調子よく言う言葉です。
相手との言葉のやり取りにつける、いわば潤滑油のような働きがあります。
声に出してみることで、その言葉は自分に跳ね返ってきます。
そして自分が出した声で自分が元気づけられるということもあります。
元気があるから声に出すということもありますが、声に出すことで元気になってくるという側面が言葉にはあります。
私は、最近の子どもたちとも付き合う機会がるのですが、そこで感じるのは、からだの「張り」の足りなさです。
昭和の子どもと比べるとエネルギーが外に発散される機会が少ないように思います。
大きな声でエネルギーを外に出すことで、自分自身も元気になる。
そうした回路をつくってあげたいという気持ちが、この絵本には込められています。
そのときにできるだけ伝統のある日本語を声に出すことで、二重の効果があると考えているわけです。
(作者あとがきより)