まだ広い世界が

不自由な毎日です。
なかなか外に出る気にもなりません。

メイおばさんらしくもない引きこもりですけれども
目の前にはいつだって
広い世界が広がっています。

めげそうになっている心の中にだって
まだ広い世界は存在しています。

今日もこの風景に
どんなに救われたことか、、、、


それにしても
手術をした左手と
そうではない右手のなんという違いでしょう。

こちらは働き者の右手さん。


こちらは失業中の左手さん。


爪の色まで変わってしまいました。


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１月６日：ピザとビールと簡単スープ
１月５日：友情に支えられたメイ家のお夕食
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三日月も、半月も、満月も

まだ外出もままならないメイおばさんは
柄にもなくじっと室内で暮らしています。

このしっかりと固定された左腕が自由になるまでは
料理だって掃除だって最小限のことしかできません。
情けないことです。

ならばこの際、読まねばいけない本でも読もうかと
どさっと読書椅子に積んでみても
集中力が続きません。

自分が家族の役にも立てず
友の役にも立てず
ましてや世の中の役にも立てないという感覚は
けっこう辛いものです。

そんな時間の流れの中で救われていることは
窓の向こうにはいつだって
外の世界が広がっていることです。

もしも窓がなかったり
あっても建物の壁しか見えなかったとしたならば
メイおばさん、どんなに落ち込むばかりだったでしょう。

シアトルのダウンタウンの摩天楼も
朝日に染まるワシントン湖も
明るい光を浴びて厳かに立つレイニア山も
日暮れには夕日色に変わるオリンピック半島の山並みも見えず

たった今メイおばさんの右手の窓の外を
のびやかによぎって行ったカモメたちに
話しかけることもできずにいたら

きっと心も体もどんどん小さくなって行ったことでしょう。

昨夜のお月様は半月に近付いて行く途中でした。

三日月も、半月も、満月も
どの月だってみなそれぞれに美しい。


そんな風に思えることが
またありがたいメイおばさんです。


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１月３日：ワッシャーのお助けスープ
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ゆっくりと時と共に

こちらは新年３日目の朝。
左腕の手術をした日を最後に４日間
一歩も外に出ていない
完全に引きこもりのメイおばさんです。

ダウンタウンだろうが
パイクプレースマーケットだろうが
美術館だろうが水族館だろうが
映画館だろうが劇場だろうが

お気に入りのレストランだってカフェだって
歩いて行けるところにたくさんあるのですから
なにもじーっと蟄居していなくたっていいようなものですが。

すっかり臆病になってしまいましたよ。

天気予報などを開けば

「４日（水）　シアトル　　－１/ －８」

などという数字が目に飛び込んで来るものですから

「う～ん、こりゃ地面に氷の張ってる所があるかもしれない。」

などと、日頃は無鉄砲のメイおばさんも
今回ばかりは用心深くなってしまうのです。
こんな不自由な身でまた転んでしまったりしたらねえ。
ああ、もう想像するだけでオロオロしてしまいますよ。

部屋の中にも光の通り道ができて

こんなに晴れあがってはいるのですけれど

用心に越したことはありませんものねえ。

今朝、東の窓の外に今年初めて
レイニア山がくっきりと姿を見せてくれました。


メイおじさんもメイおばさんも
朝日に包まれました。


予定していたことが何にもできなくなったって
何処にも出かけられなくたって
メイおばさん、大丈夫です。

時には窓に向かったソファーに身を沈め
時にはゆっくりと窓伝いに歩き
時と共に生きていきますから。。

左手を通せるセーターをみんな洗濯機に入れてしまいましたので
仕方なく、、、じょきじょきと、、、、苦肉の策で、、、、、（涙）


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不自由な、けれども美しく優しい朝

新年２日目の朝は明るく晴れ渡りました。

東の窓の向こうは
雲がレイニア山の姿を隠してしまいましたが
こんな美しい風景が広がります。


西の窓の向こうは
雪を抱いたオリンピック半島の山々が朝色に染まります。


目を落とせば
いつもは賑やかなマディソン通りがひっそりとしています。


キッチンに行けば
痛み止めの薬の蓋が開けられています。
もしも夜中に必要になったらすぐに飲めるようにということでしょう。


いつものコーヒーメーカーには
新顔が加わっています。


絶対に夫の路線ではない(笑)ペパーミントハーブティーと

ブラウンシュガークランブルドーナッツです。


今日もまた、メイおばさんの
不自由な、けれども美しく優しい
閉じこもりの一日が始まりました。


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窓の向こうの人生

あけましておめでとうございます。
日本より１７時間遅れで、シアトルも2017年の幕が開きました。

２日前に手術をした左腕は
ものすごく硬い物にくるまれた上に
やたら分厚いコットンらしきものや包帯にぐるぐる巻かれて
少しばかり見える指は変色し膨れ上がり
これが我が手とは信じられないくらいです。

腕も指も動かすこともできませんから
痛みと共に右手だけで暮らしています。

それがどんなに不便なことか
何ができなくて
何ならかろうじてできるか、、、、
そんな新発見についてはまたいつか(笑)。

とにかく
こんな情けない状況でお正月を迎えたなんて
まさに我が積年の人生で初めてのことですよ(涙)。

それでもメイおじさんと一緒に
この大好きな家で年を越せたなんて
ありがたいことです。嬉しいことです。

こんな普段着のぶかぶかセーターしか袖を通せず
着たきり雀で化粧もできず、ブローもできず
お正月の御馳走も作れないというのに

にこにこと
「HAPPY NEW YEAR!　I’m so happy to be with you!」　　
と新年最初に言ってくれるなんて
ありがたいことです。幸せなことです。

元通りに戻った暁には
家族にも
助けてくれる友人たちにも
たくさんの感謝を形にして届けたい。

そして
五体満足で暮らせることが
決して当たり前のことではなくて
実はとても運が良くてありがたいものだと言うことを
忘れずに暮らしたい。

朝起きてみたら深い霧に覆われて

窓の向こうには何にもありませんでした。

それが次第にこうなりました。


そして今、海に日が沈もうとしています。


窓の向こうの時の移りを人生に重ねながら
２０１７年最初の日を迎えたメイおばさんです。

良いお年を!

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１２月３０日：所変わればお菓子も変わる
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2017年の幕開けを前に

あけましておめでとうございます。
日本の皆様は、気持ちも新たに
２０１７年の朝をお迎えになっている頃でしょう。

こちらシアトルはまだ２０１６年です。
もうすぐ午後６時になります。
外は真っ暗。
いつものように窓の向こうがきらきらと揺れています。


いつもと違うのは
あと６時間後にはたぶんこんな風に花火が舞うこと。
ちょっと雲が厚い上に、雪の予報なども出されて心配ですが。


ところでメイおばさん
まさかの転倒で左腕をギプスで固定されることになり
指先を自由に動かすこともできなくなってしまった上に

ずっしりと重い左腕が
とうとうひどい肩こりまで呼び寄せてしまいました。
これもポツポツと右手だけで書いています。

ことさら知らせたわけではなかったのですが
事態を知った友人たちから
お見舞いの言葉をいただきました。

やはりありがたいのはポジティブな言葉です。
たとえば、、、、、、

「右手ではなくてよかったですねえ。」
「腕でよかった！足だったら歩けなくて不自由だもの！」
「これで早々と来年の厄を落としちゃいましたね。」

逆に、へこむのはこんなネガティブな言葉です。

「ついてないねえ。」

不思議なもので、「ついてなかったですねえ。」と
過去形または現在完了形ならばまだしも救われるのですが
「ついてないねえ。」さらには
「メイって全く運の悪い人ねえ。」などと言われれば
気分はますます落ち込みます。

言葉は、痛み止めの薬にもなれば
痛みを増幅させるものにもなります。

新しい年にはできるだけたくさん「薬言葉」を使いたい！
２０１７年の幕開けを前に思うメイおばさんです。


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