AN現代針灸治療

ANとは「にただあつし(似田敦)」のイニシャルです。現代医学的知見に基づいた私流の針灸治療の方法を解説しています。

代田文誌先生の直筆原稿発見 ver.1.1

2024-06-22 | 人物像

 平成25年7月9日、故・代田文彦先生宅に資料を頂戴しにお伺いした。奥様である瑛子先生(内科医)が出迎えて下さった。書籍関係は、大阪針灸専門学校の「針灸ミュージアム」での展示資料として持ち去られた後だったので、ビデオとスライド関係が中心になったのだが、代田文誌先生が著した雑誌の別刷りが数点出てきた。「洞刺の臨床的研究」日本鍼灸治療学会誌、第13巻、第1号(昭38.12.1)もその中にあった。驚くことにその中に代田文誌先生の生原稿が混じっており、「頸動脈洞刺針(洞刺)の研究 Study of To-shi(Puncture of the Carotid Sinus)」と書かれていた。この原稿が日本針灸治療学会誌に載ったのは昭和38年のことであり、文誌63才と思われた。当時、文誌は長野市に住んでいた。(東京の井の頭公園隣に引っ越したのは67才。74で死去)

※この原稿タイトルの英訳部分に洞刺をTo-shi と書かれている。これまで私は洞刺をドウシと読んでいたのだが、トウシであることを初めて知った。北海道には洞爺湖という湖があり、これはドウヤコではなくトウヤコと読ませる。これと同じ要領なのだろう。この稿を読まれている皆様もご注意ください。 

 一般に原稿は出版社に渡されるが、活字になった後は破棄され手元には残らないか、原稿返却されても、本人が破棄してしまうのが普通である。しかし本原稿は、原稿用紙右上に(控)と書かれている。自分の控え用にとっておいた原稿ということになる。本稿が雑誌に掲載されたのは昭和38年で、コピー機が普及する以前の時代なので、カーボン紙でも使って転写させたものだろう。
<人のなりは、文字に現れる>ともいわれるが、この原稿にも真摯な性格がにじみ出ている。

 


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