AN現代針灸治療

ANとは「にただあつし(似田敦)」のイニシャルです。現代医学的知見に基づいた私流の針灸治療の方法を解説しています。

国立市の形はフランスにそっくり!

2014-03-27 | 雑件

何となくヨーロッパの地図を眺めていると、わが街である国立市の形がフランスに似ているかもしれないという直感がした。さっそく実際に比べてみたのだが、どうも今ひとつなので、まあ程度だろうと自分で納得した。それでも、まさかとは思いながら、国立市の地図をいろいろな角度で回転させてみることにした。

すると右に150度回転させると、まさにソックリ。相似形に近くなり、嬉しくて国立市役所にメールした。しかし10日経っても、返事はない。さすがにお役人仕事である。上から指示された仕事しか、やるつもりがないのであろう。

 

ちなみに国立市の名所である大学通りは、フランスのシャンゼリゼ通りを手本としてつくられた。歩道には、フランスから輸入した街路灯(80万円?すると聞いた) が並んでいる。

 

 


起床時に生ずる腰痛の病態生理と治療

2014-03-24 | 腰背痛

※胡子修二様へ:当ブログのコメント欄に病気相談をされても、アドレス不明なのでお返事を差し上げることができません。ご質問は、当治療院である「あんご針灸院」にお願い致します。

 

私は週1回、東洋鍼灸専門学校の非常勤教員をしていて、それも無事に一年が過ぎた。先日卒業謝恩会があり、いっぱいお酒を飲み、愉快な時間を過ごすことができた。

まあ、そこまではよいのだが、その翌朝ベッドから起き上がろうとして腰痛出現していることに気がついた。こうした腰痛は過去にも何回か経験していた。自分で針すれば良いのだが、何となくめんどくさいので放置し、現在3日目でまだ痛む。

この起床時に生ずる腰痛については定説があるが、ネット検索しても、あまり記載がない様子なのでここで説明する。

1.症状

寝ている時は何でもないのに、寝床から上半身を起こす動作で、急に腰痛を自覚する場合がある。重症では継続して痛むが、軽症の場合では昼頃になると自然と腰痛消失し、夜は再び柔らか過ぎるマットレスに寝るので、翌朝は同じような腰痛が再び出現する。 

2.原因

不良な就寝姿勢とくに軟らかすぎるマットレスにより殿が深く沈むことで腰痛前彎の増強→多裂筋 緊張増強となっている状態である。軟らかすぎるマットは元々寝返りしづらいが、とくに深酒した後などでは睡眠が深くなりすぎるので、寝返りも困難になる。この状態は、仰臥位で腰部に手を差し入れるようにすると腰が浮き上がっていることで確認できる。

3.治療
仰臥位で、両手で膝を抱えるようにして、背中を丸めるような姿勢をすると多裂筋伸張体操となる(=ウィリアムズ体操)。
無論、L5附近からの背部一行刺針や多裂筋への運動針をするのが最も手っ取り早い。

昔私が病院勤務だった頃、腰痛で入院した患者には、つぶしたダンボールをマットレスとシーツの間に入れていたことを思い出した。

※今回の腰痛は、発症3日後から、厚いマットレスから薄いマットレスに取り替えた。その後、徐々に痛みは和らぎ、発症後7日で自然治癒した。

 

 

 

 


感冒の発熱に対する針灸治療

2014-03-10 | 耳鼻咽喉科症状

感冒にかかったことを自覚すれば自分で安静にし、時には医者にかかるのが普通なので、針灸治療の出番はないかのようにみえる。しかし実際には鍼灸の常連患者に限られることなのだが、「早く風邪を治して欲しい」などいう訴えがある。 
感冒症状とは、咽痛、鼻汁鼻閉、咳痰などの一連の上気道症状の他に、発熱やだるさなどの全身症状がある。本稿では後者の全身症状の針灸治療を取り上げることにする。 


1.延髄の体温中枢に働きかけることで下熱させる

以下は代田文彦先生の持論である。カゼの初期とは、これから体温がぐんぐんと上昇する時である。これは免疫機能を高める目的で、延髄の体温中枢が示した設定体温が高いことを示している。身体はこの設定温度にまで体温を上昇させようとするのだが、視床下部あたりに血流低下があれば、身体の深部温度の情報を正確に視床下部に伝達できず、その結果視床下部はご判断をしてしまう可能性がる。

代田先生は、銭湯で湯が熱過ぎて湯船に入れない時、首や肩にその湯を桶で何杯もかけ、そうした後に湯船に入る人をみて、こうした着想を得たという。それは視床下部の設定温度を一過性に狂わせるので、風呂の熱さに関して鈍感になるのではないかと考えたという。
この針灸治療としては、頸肩のコリを緩めるような治療をすることになる。その代表が風門の多壮灸(20~30壮)であろう。

2.発汗させることで下熱させる
 
これから熱が上昇する気配(悪寒など)があったり、高熱時でも発汗しない情況では、発汗法を行なう価値がある。

針による発汗法としては、人体で最も汗のかきやすい部とされる肩甲上部~肩甲間  部の領域に、速刺速抜を行なうことで発汗が促進されるという考え方がある。ただし散鍼では浅すぎて補法になる。交感神経緊張させることが必要なので、座位で施術し、1㎝程度の深さに刺すような速刺速抜法が好ましい。

※ 中医学でも外感風邪に対しては、清熱解表法すなわち「汗法」による解熱を行い、発汗作用のある葛根湯を処方する。

3.交感神経緊張に移行させる(安保徹の考えをヒントに) 
   
カゼの経過は、発病後5日前後までは進行期(=副交感神経優位状態)であり、その後に回復
期(=交感神経優位状態)に変化して発病7~10日程度で治癒するという。副交感神経優位の 症状とは、鼻水・発熱・だるさ・食欲不振などで、交感神経優位症状とは硬い黄色の鼻水出現で あるが、この段階では元気を回復しており、日常生活ができるまでになっている。

 

しかし7~10日どころか、数週間もカゼをひいている、カゼが抜けないなどという者がいる。これは、なかなか交感神経優位状態に移行できない者なのだろうと筆者は考えている。

この時のカゼの治療は、交感神経を優位にするような施術を行う。言い換えれば 「身体に活をいれる治療」を行う。具体的には「座位にての施灸、針であれば浅針で速刺速抜」という方法が西条一止らの研究により明らかになっている。熱いバスタブに短時間入るというイメージである。
   
この肢位にて上気道に対応したデルマトーム(Th1~Th3中心)上の起立筋上すなわち膀胱経の背部兪穴ラインまたは同じ高さの夾脊にに施術する。