東大阪でそろばん教室を運営しているの先生のブログ 関西珠算瓢箪山教場・石切教場

子供たちから教えられたこと、感じたことを想いのままに綴ります。

大阪府公立高校の英語入試について思うこと

2017-09-25 00:08:08 | 学習・塾に関する中身
 大阪府公立高校の入試において、英語については次のような規定があります。

 
 ★TOEFL iBT 60点  ★IELTS スコア6  ★英検 準1級     読み替え得点率100%(試験で何点であっても英語は満点扱い)
 ★TOEFL iBT 50点  ★IELTS スコア5.5 ★英検 (対応無し)   読み替え得点率90%(試験で81点未満でも英語は81点扱い)
 ★TOEFL iBT 40点  ★IELTS スコア5   ★英検 2級     読み替え得点率80%(試験で72点未満でも英語は72点扱い)

 TOEFL iBTもIELTSも基本的には英語の4技能を判定する英語の検定試験です(それぞれのレベルが完全に対応するのかは私には分かりませんが、それぞれの紹介を読む限りはそれぞれの対応にはしかるべく整合性はあるんだろうと理解します。なんにせよ専門外なのでここではその点は完全に対応するとして話を進めます)

 で、いろいろ文章を考えていたんですが、今日放送されたTBS系列の「林先生の初耳学」でひとつの答えを林先生が出しておられました。

 「子供に早期英語教育やらしてる東大出身の親に会ったことがない」
 「日本社会はそこ(英語ができたら全てができると考える:筆者注)の物差しが狂ってる。もともと(本人)のスペックを高くしたら、英語はすぐにできるようになります」

 はい、終了!

 とはいきませんよね。

 さて、まずは英語教育を早期から行うことについての私の考えを書きます。

 人間は物事を深く考えるときに使用する言語があります。幼少期から身に付けたその言語を母語というんですが、この母語が母語として人間の中に確立するのは平均的に7歳~15歳と言われています(教育環境に大きく左右されるのでこれだけの幅があります)。発達生理学や発達心理学の観点から見ても、概ねこの年齢の範囲にはいるようです(私が読んだ文献に拠りますので、間違いがありましたらぜひコメント欄でご指摘ください。訂正します!)
 幼少期に二つ以上の言語を同時に学びながら育った場合、この母語が明確に育たず、自分が深く物事を考えるときに常に二つ以上の言語が脳内を駆け巡り、深い思考を行うことが難しくなる場合が多くなるというのが一般的なお話です。
 私が実際に幼少期から英語教育をしている幼稚園や、アメリカンスクールへ通った生徒と接した経験からも、この考え方は間違いではないと言えます(ただし、どちらかの言語に振りなおして母語を確立できた生徒もまた知っています)

 自分の意見を正しく表現できるようにすること。このことこそ、教育においては先決だと考えます。「英語ができる」ということと、学術的なことを思考できるということは別なのです。

 そのために、まずは自分の国の言語をしっかりと身につける事。当人にきちんとした能力があるのであれば、日本語をきちんと身につけてから英語なり他の言語を学んでも十分に使いこなせます。これは向き不向きの問題を含みます。

 で、大阪府の公立高校の英語問題についてですが、教育委員会の方々は大きな勘違いをしていると思っています。それは「英語で読む・聞く・書く・話す」という4技能が仮にある程度できたとしても、それは単に「英語圏で生活ができる」ということでしかないということです。
 中学生程度が学んだ学術的な知識などたかが知れています。そんな知識の裏づけしかない状態で英語検定技能を取得していても、それは真の学力ではない可能性が高いと言うことです。

 中学生が進めるべき学びは、先人が開いてきた学問をきちんと間違いなく身に付けること。そして必要に応じてその知識を取り出せるようにしておくこと。高校・大学と学びを進めたときに自分が積み上げた知識の裏打ちを持って、更なる学びを進めることができるようにしておくこと。だと思うのです。

 さらに、現職の中学校の英語の先生が果たしてどれくらい読み替え得点率100%の検定資格を持っておられるのでしょうか? さらに中学校の授業をきちんと身に付ければ、読み替え得点率100%の検定資格を得ることができるのでしょうか? 中学校の教育現場で、読み替え得点率100%となる検定資格を取得できるように指導しているのでしょうか?

 答えは「否」だと思います。実際に授業を受けている生徒たちの様子を見ると「教科書を進めるだけで精一杯」という印象を受けます。

 入試とは、中学校で学んだ知識がきちんと身に付いたかを問うものでなくてはいけません。そして満点とは「中学で身に付けるべき内容が不足なく身に付いている」という意味でなくてはいけません。中学校で指導する中身を著しく超えた中身を持ってして「読み替え得点率100%」は本当におかしな話だと思います。

 本来中学時点では必要のない勉強を中学生に強いることになるのだろうと非常に憂いています。

 私は、ぶれることなく中学生に必要な力をきちんと身につけるべき指導を貫きたいと思います。そしてそこを超えて挑戦したいと言う生徒が出れば、その想いにも応えることができるように頑張りたいと思います。


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四十肩

2017-09-23 18:50:10 | 日記
 なんですよ。もうかれこれ3ヶ月以上…。

 ある夜に、右腕を伸ばして寝ようとしたら結構肩に痛みがでまして「あれっ?」と思ったわけですよ。

 まあ、腕を下へ伸ばしなおして事なきを得て普通に寝ました。

 次の日に肩の違和感が半端ないわけですよ。なんというかずっとだるいわけです。

 で、普段から通っている鍼灸院で「あ~、四十肩ちゃいますか」

 さらにかかりつけ(なんと2歳から!今の先生は2代目です)の先生に聞いても「うん、四十肩やね」

 あ~、ポンコツが日増しに進んでいることを痛感しました。

 なるべく肩を回したり、歩く距離を伸ばしてみたり、運動不足を解消しようとしてみましたが焼け石に水です。

 で、先日何の気なしにマッサージをしてもらってみました。これが思ったより効きました。

 まだ治ってはいませんが、なんとなく楽になっているとは感じるんです。

 「マッサージは気休めですよ」なんて聞いてはいましたが、実際にやってみないとわからないもんですね。

 ある日突然やってきた四十肩。きっかけに記憶はありません。たぶんたまっていた疲れに、寝るときの姿勢がとどめを刺したもでしょう。

 長いこと苦しみましたが、どうやら針治療とマッサージでずいぶん楽になってきたようです。
 
 まずはやってみるという姿勢が良かったようです。

 お勉強も一緒ですよね。「グダグダ言う前にまずはやってみたら?」常に言い続ける中で、行動に移し始めた生徒にはそれなりの結果が伴ってきたように、私から見ても手ごたえを感じつつあります。

 既成概念や先入観にとらわれずまずはやってみましょう! というお話でした。
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煽る(あおる)

2017-09-16 01:23:11 | 学習・塾に関する中身
 「早く入塾(入学)したほうがいいですよ!」

 この言葉は、私たちお子様を教える業界の人間は言いたくないと言えばうそとなります。この言葉に信憑性を持たせるために

 「○○講座をスタートしました!」 とか、「早く入学しないとついていけなくなりますよ!」とか、「もうすぐ締切です」とかと言って煽るわけです。この煽りに本当に信憑性があるのかどうかは、こんな観点から見てください。

 「○○講座をスタートしました!」
  その講座って、本当にお子様に必要ですか?例えば大阪府の公立高校は入試において英語・数学・国語は3段階の問題を用意します。でもお子様の受験校によっては、通常のお勉強をしっかりするだけで十分に対応できる場合もあります。現状の実力で必要のない講座を頑張ることで逆効果になることもあります。もちろん実力をつけておくに越したことはないですが、必要のない講座を取ることはないでしょう。

 「早く入学しないとついていけなくなりますよ!」
  後から入学した生徒に対してついていけなくなると思うのであれば、その生徒を受け入れなければいいだけです。その生徒を受け入れる以上は、その生徒がついていけるように心を砕く必要があります。後からの入学生に対して「ついていけない可能性がある」ことを入学にに言い放つお教室であればこう質問してみてください「では、ついていけないと感じたときにこのお教室はどう対応して頂けるんですか?」と。この質問に納得のいくお答えをいただければ、お子様を預けることを検討する価値はあると思います。

 「もうすぐ締切です」
  これは、本当に物理的に無理な場合があります。まだ定員に余裕があるのに煽って場合もあります。これを見分ける術は「もうすぐ締切」がいつまで続いているのか? ですね。

 「煽る」ことが必要な状態の生徒が体験にくることも無いとは言いません。本当に1日でも早く学習を始めて欲しい状態で体験に来られることもあります。私は、そんなときはどうしてそんなふうに考えるのかも含めて正直にお伝えします。

 「煽る」ことに明確な理由がない場合、それは「経営側の理屈」である場合が圧倒的に多いと私は考えています。

 ※ 大阪府の公立高校入試において、英検の取得級に応じて、入試における英語に点数を読み替える決まりについては思うことがありますので、またの機会に書いてみたいと思っています。
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偏差値の2

2017-09-11 09:30:25 | 学習・塾に関する中身
偏差値は母数が多いほど信頼性が増します。

だから、校内の試験より塾の模擬試験が、大阪であれば五木の模擬試験がより信頼性が高くなります。

そして、結構な数の塾さんが、塾内模試と、五木の模試を進路指導の判断基準に用いていると思います。

さて、この偏差値という指標は本当にあてになるのでしょうか?

私は参考にはもちろんしますが、進路指導においては私自身の感覚を一番重要視しています。

これまでの取り組みと、理解力や集中力、本人の進路希望と、性格、もちろん学力などを勘案して進路指導は行います。

このときに、「私の進路指導における基準を越えていないと受験させない」とか公言する指導者がいたりしますが、私から言わせれば「はあ?」でしかありません。

私は過去、いい意味で裏切られた生徒が何人もいます。秋の時点では恐らく届かないと感じた志望校に届いた生徒を何人も見てきました。

結局のところ、「私から受験に許可を出せない生徒は受験しないほうがよい」という指導者は

偏差値を鵜呑みに、そして不合格を塾から出すことが怖い指導者だ

と思います。

偏差値はあくまでも「物差し」です。

この夏休み、夏期講座の締めくくりとして模試を受けた方は多いでしょう。

私から言いたいことは

「模試の成績と偏差値は、今現在最低それだけとれるという意味だ。これから受験までで無限に伸びる可能性があるから、現状の偏差値は無視するくらいの気概で頑張って‼️」

です。
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偏差値

2017-09-09 10:02:01 | 学習・塾に関する中身
今回はスマホから書いておりますので、多少読みにくいかもしれません。

偏差値とは何か?をきちんと把握していない先生がたまにいます。なんなら塾指導を生業としているにも関わらず、偏差値の持つ意味を理解していない方もいたりするのですよ。

偏差値の「偏」の字は「かたよ(る)」と読みます。つまりどのくらいかたゆっているか?を示す指標でしかありません。

例えばおなじ90点でも、平均が60点で、0点~100点まで均等に生徒が存在する試験結果と、60点が平均でその前後にほとんどの生徒が存在する試験結果、さらに平均が60点で、60点を中心になだらかな山を描く試験結果では、90点の生徒が得る偏差値は異なります。

だから、偏差値がいくつだから、あなたは◯◯高校が狙えるなんて言い方は偏差値の本質を理解していないわけです。

もともと文系の指導者ほどこんなことを言う傾向があると感じます。

偏差値というのは、たまたまその試験でどの程度の立ち位置であったかがわかる程度のものです。

もちろん、生徒の立ち位置の物差しとしては役に立つ指標であることは事実です。偏差値の数字を過信すると、生徒の将来を歪めかねません。

偏差値の持つ意味を正しく理解している指導者に、客観的に(久しぶり‼️)意見を聞くことが偏差値との正しい向き合い方だと思います。

次回は、偏差値至上主義になりがちな進路指導について思うことを書きたいと思っています。
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