東大阪でそろばん教室を運営しているの先生のブログ 関西珠算瓢箪山教場・石切教場

子供たちから教えられたこと、感じたことを想いのままに綴ります。

進路指導

2017-09-05 23:37:43 | 学習・塾に関する中身
 って本当に本当に悩みます。

 今の成績を高校に行ってからも保てるか、それとも下がるのか、はたまた伸びるのか? なんてこと、小さい頃からお子さまをお預かりし、その生徒のことをかなり分かっているつもりであっても断言なんてできません。

 自分の現在の実力より上位の高校で鍛えてもらうのがいいのか、妥当な高校で好敵手と切磋琢磨するのがいいのか、安全圏の高校で上位の位置を維持するほうがいいのか? なんてこともやっぱり断言できません。

 それは、進学先の高校の環境は事前に調べればある程度は把握できるけれども、その進学先で出会うまだ見ぬ仲間達がどんな面々なのかは進学してみないと分からないからです。

 だから、事前にいくらその高校のそれぞれのコース(これは仕方がなくカタカナコトバにします)の特色を調べつくしても、進学後の生徒の伸びを予測することはできないわけです。

 志望校に合格するだけの力が付いたか否かの判断はできますが、その志望校がその生徒にとって最善である保障はどこにもないわけです。そして、進路指導の際に「内申点を重視してなるべく楽に進みたいと言う生徒の希望を考慮して」進路指導するなんて公言する指導者なんかがたまにいますが、「子供たちの将来に現時点で蓋をしてどうするの?」と思います。

 だからこそ、その生徒が歩んできた道を振り返り、どれだけの頑張りを積み上げてきたかを考え、この先どの程度の伸びを見せてくれるのかを斟酌してはじめて進路指導の土俵にたつことができます。

 その志望校は生徒が決めたものであれば、たとえ可能性が低くても一緒に突き進む覚悟を持つこともまた進路指導には必要です。「そんな志望校はキミでは無理やから考え直しなさい」とは口が裂けても言えません。きれいごとですよね。でも私は今までこのきれいごとを貫いてきました。何度か生徒と一緒に涙を飲んだこともあります。もちろん何年経っても受け入れることはできませんが、生徒たちのその後の報告を聞く限り間違えた決断ではなかったと、生徒たちのその後に教えてもらっています。

 私は私の都合で進路指導はしません。「塾が受験に太鼓判を押せるようになって欲しいものです」。違いますよね? 太鼓判を押せるところまで生徒たちと共に歩む覚悟を決めるのが進路指導ですよね。

 と私は考えています。もうね、本当に自分たちの都合で進路指導すること、辞めて欲しいものですよね。
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カタカナコトバの弊害

2017-09-04 12:15:09 | 学習・塾に関する中身
 大阪府の公立高校の入試問題は、英語・数学・国語の3教科についてA(基本的)・B(標準的)・C(発展的)問題の3種類から、それぞれの学校が選択する形になっています。きれいごとを抜きにすれば、概ね高校の偏差値と入試問題のレベルは対応していると考えていただいて構いません。(興味を持たれた方は、大阪府教育委員会のホームページでが確認くださいね)

 さて、私の教室の生徒にも、C問題を選択する高校の受験を希望する者が複数在籍しています。でもさすがに基礎基本だけでは立ち向かえないので、少しずつ補充授業を実施しています。そこで少し難しい国語の問題を扱うのです。そこに「日本の伝統産業」について論じた文章があったのですが、そこにすらカタカナコトバが多用されていました。プロセス・リズム・コントロール・リスク…。
 それぞれ、過程・拍子・統制(制御)・危険性などという日本語に換言が可能ですし、日本語で十分に事足りる中身の文章でありました。にもかかわらず、カタカナコトバが多用されていることに衝撃を受けましたし、これを入試問題で是とするのだということにもまた衝撃を受けました。

 さらに生徒たちにこのカタカナコトバを日本語に換言するように問うたところ、雰囲気は伝わるのですが、そのものずばりの言葉にはならなかったのです。日常生活の根深いところまで、本来カタカナコトバにしなくともいい言葉が入り込んでいるんだなあと改めて感じました。

 きちんとした日本語の意味を伝え続けることはもちろんのこと、カタカナコトバに対応する日本語もまた伝えていかねばならないし、むしろそうした題材を扱わねばならない時代になってしまっていることに少しばかり忸怩たる思いになります。

 とやかく言っても仕方がないので対応しますが…。

日本語をないがしろにした責任者出てこい!


 以上、心の叫びでした。
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