東大阪でそろばん教室を運営しているの先生のブログ 関西珠算瓢箪山教場・石切教場

子供たちから教えられたこと、感じたことを想いのままに綴ります。

2012-06-29 01:21:41 | 日記
 旬といっても、食べ物の「旬」ではありません。
子供たちにも、能力が伸びる「旬」があります。それは大変個人差の大きいものです。そしてその「旬」で伸びる量そのものもまた、個人差が大きいのです。
 「旬」になっているかどうか、その「旬」でどれだけ伸びるのか・伸びているのか。これを見極めそして導いていくのが指導者の努めの一つであるとさえ思います。
 ところが、これがなかなか難しいんです。気づくと「旬」が過ぎていたり、「旬」だと思ったら、ただただ必死に努力していただけだったりとか…。子供たちは十人十色、いや百人百色と言っていいんです。
 でも、強制的に「旬もどき」を引き出すタイミングがあります。たとえば2年生で学習する「九九」を指導するタイミングは、最初の「旬」を見出す時期であるといえます。3年生ではわりざんのあまりの計算。4年生では都道府県名・都道府県庁所在地名をそれぞれ漢字で覚える。といったことが、その時期における「旬もどき」を引き出す壁であるといえます。
 私の指導する教室では、3年生の1月から「都道府県名・都道府県庁所在地名をそれぞれ漢字で覚える」という学習イベントがスタートします。課題を与えられた生徒たちは「こんなん無理や~」のオンパレードです。でもやはり普段から学習習慣の確立している生徒が何人か先んじてクリアしていきます。そして残った生徒は絶望感にさいなまれるのです。
 ここで指導者として、子供たちを励まし、できると思わせ、時には叱り飛ばし、保護者の皆様にお子様の現状を伝えてご協力を願い、この壁を乗り越えさせることに全力を注ぎます。
 できたとき、乗り越えたときの子供たちの「ドヤ顔」は本当に素敵です。そしてこの学習イベントが眠っていた子供たちの「旬」を引き出す時もあるのです。できるまでやる。現在の教育において一番欠けているのがこれだと思います。そしてこのような壁がないから、大人になるまで明確な「旬」に出会えない子供がたくさんいるんだと思います。
 もちろん、自分自身の力で「旬」を迎え成長する子供たちもたくさんいることでしょう。でも私はこの流れに反対です。「強制するのは子供たちの自主性をそこなう。だから子供たちの自発的な伸びを引き出す教育をせねばならない。」なんていう論調をよく見ますが、私から言わせれば「大間違い」です。確かな基礎学力と学習習慣の下支えがあってはじめて、自分から「旬」を迎える能力が育つはずです。
 だから私は、この学習イベントを大切にしています。ともすれば通過してしまう日常に、ありえない「壁」を作り出して、子供たちの「旬」を引き出すこと。これがこの指導の真の目的です。
 今はうらまれようが、うざがられようが、子供たちに「努力の貯金」をさせて、「旬」を体感させ自信を持たせる。ただ大人にやらされるだけでなく、自分でやり遂げた実感があるからこその達成感がそこにはあります。
 もし、小学3・4年生のお子様がおられましたら、ぜひチャレンジさせてみてください。クリア後に「何か変わった?」という感覚を子供たちから受けると思います。それが「旬」なんです。
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そろばん教室でパソコン?

2012-06-28 00:27:31 | そろばんに関する中身
 以前教室見学に来たお母さんから「そろばん教室でパソコン学習って違和感がりますね」と言われたことがありました。
どうしても「そろばんはアナログ」「パソコンはデジタル」というイメージが根強いのかもしれません。指導する側からすると、そろばんとパソコンはとても相性がいいんです。
 まず第一に、両方ともできる限り毎日ふれることで、扱いが上手になっていくという性質があることです。第二に、パソコンは答えを入力したその場で答え合わせができる(間違いを指摘してくれる)ので、矯正をしやすいという指導上大変有益な使い方ができるという点。そして最後に「子供たちの食いつきがいい」という三つを上げることができます。

 たとえば第一の観点から言えば、数字の入力は本当に早くなります。テンキーだけなら、入学後半年もすればブラインドタッチになっている生徒が半数以上になっています。
 第二の観点からいえば、答えのずる書き(間違いを後から正しい答えに書き直す)といったことはできませんし、わからないから、近い答えを適当に順番に入力するということをすれば、誤答が履歴として残ります。つまり、まじめに学習しているかどうかが一発でわかってしまうのです。さらに、私個人が百ます計算の一番の弊害であると考えている「数字が汚くなる(自分しか読めない数字を書いてしまう)」ということを心配しなくてすみます。純粋に正確さと速さを求めることができます。
 ここで、「計算を早くする訓練は無意味だ」という方がたくさんいますが、そろばん式暗算は単に計算を早くするのではなく、脳裏に描いたそろばんを使用する特殊な方法ですから、この議論はあてはまりません。
 また低年齢の間に行われる四則計算の練習は、確かな基礎学力の支えになることは、多数の先達の先生方が実証してくださっていますから、ここでは論じないことにします。
 第三の観点が実は一番大事かもしれません。子供たちはゲーム感覚で数や学習と親しんでいくのです。この「ゲーム感覚」が、学習の入り口としては大変意味のあるものであると考えています。なぜなら「いやいや行う学習はほとんど身に付かない」と思うからです。「学習が楽しい」と思える入口を作ることも、今の教育に求められている大事な一点だと考えています。

 こうした観点から、私の教室ではパソコン学習をそろばん教室に取り入れています。
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日商検定試験を通じて感じたこと

2012-06-25 01:36:17 | そろばんに関する中身
 本日(正確には昨日ですが)日商検定試験が終了しました。
私は、検定試験の委員ですので、試験監督および採点業務に携わっています。そこで感じたのはとにかく、受験者の数字が雑で読みにくいということです。私がそろばんを習っていたころ(約25年前)と比べると、確かに問題の難易度がやさしい方向に改定され、受験者の低年齢化が進んでいることは事実です。が、それを考えてもあまりにも数字が雑であると感じます。
 そういえば、私の教室では漢字指導もしていますが、鉛筆の持ち方が入会当初からきちんとしている生徒は1割程度です。中にはお習字を習っているにも関わらず鉛筆の持ち方が正しくない生徒もいます。入会時の学年によっては、いくら矯正しても正しくならない生徒もいます。
 鉛筆の持ち方が正しくないと、なかなか丁寧な字は書けないものです。いったい子供たちはどこで正しい鉛筆の持ち方を教えてもらうのでしょうか?きちんとした持ち方を教えてもらったことがない子供たちが、数字をきれいに書けるわけがありません。
 数字はもちろん、字をきれいに書くことは、相手に自分をより正しく伝えることができるはずです。 明日から、さらに気合を入れて「鉛筆を正しく持つこと」「字を心を込めて丁寧に書くこと」を子供たちに伝えていこうと、心密かに闘志を燃やして眠りに就こうと思います。
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練習が培う「自信」

2012-06-23 01:27:39 | そろばんに関する中身
 もうすぐ日商検定の施行日(6月24日)です。教室からは1~3級で合計10名以上の生徒が挑戦します(今回は少なかったです)。
練習開始当初は合格点が程遠かった生徒も、どうにか合格点に届くところまで来ました。
 ところで、直前(1週間前)になっても合格点に届かないと感じると「どうせ無理やし…」とモチベーションが下がるものです。もちろんそんな気持ちで練習しても合格なんて絶対にしません。
 そろばんの検定試験、学校のテスト・入試やスポーツの大会など、自分の技量が試される場では本人のモチベーションが、その成功を大きく左右するものです。そしてよい結果を出す生徒は絶対といっていいほど十分な練習を行います。その時に「絶対合格してやるぞ!」という気持ちが、その技量を後押ししているとさえ感じます。
 その気持ちを引き出すのが指導者のつとめ!。とはいえ、全員のやる気スイッチを見つけることはなかなか難しいことです。今日もみんなの問題点や、間違いのパターンの指摘をやりきりました。最後にかける言葉は「これを克服しとけば、本番は大丈夫!」
 ミスを繰り返し直し、同じミスをしなくなるくらいの練習を積み上げたとき、その絶対的な練習量は「自信」になって返ってきます。この「絶対的な練習量に裏打ちされた自信」は、「合格」という結果を本人にもたらすのです。
 そしてそろばん学習を通じて体得した「努力は結果を裏切らない」という事実はこれからの子供たちの人生の確かな支えとなると信じています。
目指せ!合格!!
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そろばんで伸びる力 その3 記憶力

2012-06-21 00:54:45 | そろばん学習で得るものは?
 今日は記憶力です

 暗算には珠算式暗算(右脳使用)と算数式暗算(左脳使用)とがあります。右脳は一般的には「芸術領域」といわれ、通常の学習ではなかなか鍛えることができないと考えられています。
 珠算式暗算は、脳内にイメージしたそろばんを使用して行います。脳波を測定した科学的検証から珠算式暗算を行っている間は、右脳が活性化し、右脳を使用していることはすでに証明されています。
 この「珠算式暗算」が鍛えた「映像を利用した計算」は、右脳を使用して行われるため、直観的な映像として長く記憶にとどまります。具体的には、教科書がそのまま脳内に浮かぶとか、自分が学習したノートが映像のように脳内で再生できるといった感覚で記憶できるわけです。
 一般的に試験などで使用される記憶方法は、左脳を使用するためは短期間で忘れてしまうことが多いのです。(エビングハウスの忘却曲線はこの左脳記憶について研究したもので、右脳記憶にはあてはまりません)
 右脳を使用した記憶方法は、珠算式暗算を学習することで身に付いていますから、まず長期間失われることがありませんん。 東大・京大生の80%がソロバン学習経験者と言われるのも、うなずけるものがあります。
 このような「脳力」は珠算式暗算のトレーニングでしか身に付きません。この能力は子ども時代、特に幼稚園児から始めるほど、より身に付きやすく、概ね10歳を超えてから始めても、その能力の伸びは限定的であるといわれています。
 
 珠算式暗算を身に付けることは、最強の記憶力とそのための基礎力を育てるといえると思います。
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