陽だまりのねごと

♪~思いつきひらめき直感~ただのねこのねごとでございますにゃごにゃご~♪

介護退職 楡周平著

2015-12-27 02:48:45 | 


雪深い地方で独居の母親が雪かき中に転倒骨折。
入院、手術。
退院後、東京自宅で妻が介護にあたる。
その妻がストレスから
かくも膜下出血で倒れる。
いよいよ万事休す。
大会社の管理職の激務こなすどころでなくなる主人公。
私的な事だと会社には事実ひたすら隠し、仕事に穴を開ける。
まっ、管理職大会社のなくても当たり前。
結局、一線から退かされ閑職部署へ配置換え。
その部署が不服で、
私立中学校へこれから通う子を持ち、
マンションのローンまでありながら、退職してまう五十代。

退職金と持ち金で5000万。
辞めれば目減りしかない。
最後は、またありないハッピーエンド。
ネタバレになるんでここらで止めておこう。

それにしても、現実味離れした小説。
介護退職って、もっと深刻。もっと苦しいはず。
生活困窮が何も描かれていない。

介護を手伝えない貧乏で弟夫婦にしても、本当の貧乏とは言えない。
むしろ実家におんぶして店まで出してもらい、
子供にお金がかかれば、また実家から援助の四十代。
ここがまた子供に学歴を付けるのに必死。

介護される親に金なし、
介護する子供に金なし。
介護退職して、親の年金でやりくり、
にっちもさっちも行かなくなって心中事件が絶えない現実から何と遠い小説か。

それに時代錯誤も甚だしい、謙信的な妻。
最後まで介護は女のもの臭が漂った。

それに一流学歴を得るために、勉強以外しない子供が登場。
認知症のおばぁちゃんと触れ合うシーン皆無。
教育の基本からムカつく。

介護退職のタイトルに惹かれ、
介護業界の大量退職者の話かと思って
バザーで作者がサラリーマン小説家とは知らず買ったもの。

お国の政策「介護離職ゼロ」も
最近まで介護職の離職問題かと思っていたアホなワタクシ、、 、

そうね、一流大学、一流会社、一流から無縁で生きてきた
貧しい知識と貧しい生活しかしらない
介護業界だけには詳しい還暦過ぎの身としては、
馬鹿馬鹿しいとしか言いようがない小説だった。

ご都合主義的なとこも白けたなぁ~

デイサービスから帰ってくる母親を待っているはずの妻がなぜか施設前で倒れた時、
主人公が夜になって駆けつけるるまで、
施設職員が親切に妻に付き添っていたり、
お困りでしょうと、
デイサービス側から即、一週間、施設が母親を預かる提案が出て、
事なきを得てしまう。
その施設がグループホームで入院している人が居て空きベッドがあるからって?
グループホームがそんなことはしない。してはならんでしょ?
デイサービスだって、
万一、ショートステイできる施設が併設されていたところで
そう事が上手くは運ばないんじゃないかな?
設定が介護保険を逸脱している上に甘い。

朝ドラを暇人なんで、良く観ているけど、
テレビドラマにはこういうご都合的な展開が実に多い。
こういうシーンが続くと一気に観る気が失せる。


介護ちゅうもんはそんなに甘いもんやおまへんにゃん。

第一、認知症本人の痛みも描かれてなかった。
自分だって認知症になる確率ゼロじゃないのに。

こういう小説は
エリートと言う名称のサラリーマンが読んで
楽しむの?






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