人体模型の夜 (集英社文庫)中島 らも集英社このアイテムの詳細を見る |
息子が貸してくれた。らものホラー小説。
自分は人の本、CDを永遠と借り続け仕舞には自分の物化してしまうか、
よれんよれんの状態にしてものすご~~く時間が経って返してくれる。
しかし、自分が貸した物にはシビア。
先日帰って来た時に『読んだか?』攻撃にあった。
早く読んで返さねば。
ちゃんと読んでどこが面白かったか感想も用意しておかないといけない。
返す時には『どうだったか?』と必ず聞いてくるのだ。
自分がこんな本を読んでいるとバカにされていないかチェックをしないと安心できないらしい。
12のホラー短編はどれも最後のどんでん返しで唸らされる。
まったく関連のない12編がプロローグとエピローグでちゃんと繋がって、
続きがまだまだありそうなこれもまた不気味などんでん返しが用意されていた。
おどろおどろしい場面のつなぎ合わせではなく、日常が淡々と流れていく中でのホラー。
ちょっとした狂気の切れ間がどこにでも存在しそうな気すらする。
しかも全部、幽霊の亡霊の妖怪のという聞いたことのあるものとは全然ちゃう恐ろしさ。
らもさんのユーモアしか知らなかった。
息子に目からウロコだったと言っておこう。
中島らもの奇才ぶりが良く分かる小説だった。
酒飲んで転んで死んじゃって残念な人だったと。
最後に私の好きな田辺聖子の解説が付いていた。
たい焼きのあんこが尻尾まで入っていたような嬉しさ。
源氏物語など引用されていた。そういえばホラー部分が確かに源氏物語にあるある~あなおそろしや~
息子の本読んだからね!と言う安堵感に包まれて今宵は安眠