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2021年中国大ヒットWebドラマ「山河令」完結~山河令コンサートとグッズ展開

2021年04月08日 | エンタメの日記
中国Webドラマ「山河令」(WORD OF HONOR)が大好評のうちに全36話で完結しました。「中国三大総合動画サイト」の一つ「Youku」の独占配信で、Youkuにとっては久しぶりのメガヒットコンテンツとなりました。(過去記事:中国ドラマ「山河令」配信スタート )


最終話の第36話が最速配信されたのは3月23日です。大好評にて最終話を迎えたため続編の呼び声も高かったのですが、制作サイドは「予定どおり36話で終了する」と宣言し、第二部制作の予定はないようです。

中国は、Netflix、アマゾンプライム、Huluなど外資サイトが参入できない代わりに、中国資本の配信プラットフォームが林立し、各社が非常に激しい競争を展開しています。「山河令」のような独占配信のWebドラマがヒットすると、配信プラットフォームに大きな利益をもたらします。ドラマを視聴するため有料会員を増やすことができるし、最速視聴のために課金する視聴者も少なくありません。有料会員の月額料は日本円に換算すると150~300円(10元~20元)で単価としては高い金額ではありませんが、潜在会員数は億単位です。なお、最速視聴のための課金額は一般的に3元程度(約50円)です。

2021年4月7日時点、「山河令」の1話から24話が無料配信、25話から36話が有料会員向けとなっています。


36話の後にある「彩蛋」はおまけ映像のことで、本編とは別にもう一つのエンディングを見ることができます。この映像を見るためには別途3元(約50円)を支払う必要があります。たかが3元(約50円)ですが、1000万人が視聴すれば5億円です。このほか、7本の公式メイキング映像も有料です。

コラボCMも多く、ソフトドリンク、インスタント火鍋など大衆的な商品との広告コラボが多いです。大手飲料メーカー康師傅のアイスティー。


「山河令」はいま最も商業的価値のあるコンテンツ(IP)の一つで、主演の張哲瀚と龚俊は短期間のうちに凄まじい勢いで人気が上昇しました。特に龚俊(ゴン・ジュン)は圏外からいきなりTOP10に入ったような勢いです。

街中に龚俊(ゴン・ジュン)の広告が次々と現れています。BEAST 野獣派 (フレグランス、家具、ホームウェアブランド)の街頭広告。


2021年5月3日、5月4日に南京オリンピック体育館で「山河令コンサート」が予定されています。「山河令コンサート」には張哲瀚、龚俊、周也をはじめ主要キャストが出演し、一種のファンミーティングでもあります。張哲瀚は歌が結構上手いです。
コンサートのチケットが超高額で取引されるのは明らかです。非売品としてチケットが配布されても、「特定のスポンサー商品の購入者で、購入金額が高い上位10名にチケットをプレゼント」といった配布方式をされるので、一体いくら購入すれば上位10名に入れるのか見当もつきません。

ドラマ終了後、出演者による「コンサート」を開催するのは「陳情令」の展開に似ています。
「山河令」は作風的に「陳情令」と比べられることが多いです。ただし、「陳情令」の主役を演じた王一博(ワンイーボー)と肖戦(シャオジャン)が演技の経験がほとんどなかったのに対し、「山河令」の主役二人、張哲瀚と龚俊は俳優としてのキャリアが長いため落ち着いた雰囲気です。年齢も近いし、経歴的にも二人の共通点は多いのではと思います。

「陳情令」が撮影されたのは2018年で、「山河令」は2020年6月から9月にかけて撮影されています。つまり「山河令」の方が2年ほど後に制作されたドラマです。中国ドラマの映像技術は日々進歩しているため、「山河令」は「陳情令」よりも全体的な映像レベルが高いのではと思います。ファンタジックな柔らいライティングで、衣装やセット、小道具の配色が非常にきれいです。もちろん脚本、演出も絶賛されています。

「山河令」の配信がスタートしたのは2021年2月22日です。僅か1ヶ月で全36話が公開されました。
短期間のうちに人気が沸騰したため、グッズ展開が追いついておらず、公式グッズは予約受付中というステータスです。クラウドファンディングに近いやり方で、目標金額に予約額が到達したら商品化が実現するという方式を取っています。

「山河令」オリジナルサウンドトラックCDセット。13曲入り。パッケージは全7種類。予約価格は128元(約2000円)。このサウンドトラックCDを商品化するための目標調達金額は20万元(約300万円)でしたが、すでに目標の10倍以上の金額が集まっています。


ドラマに登場する小道具のレプリカ。温客行がいつも持っている扇子のレプリカ。商品化のための目標金額5万元の124倍、621万元(約9300万円)がすでに集まっています。


ドラマの鍵となる「瑠璃甲」のレプリカも生産予定です。ペンダントのようなアクセサリーになる予定です。


中国のエンタメは著しくデジタル化しています。映像の質は急激に向上しましたが、グッズなど実体のある「モノ」のクオリティは追いついていないように思います。「モノ」にまつわる蓄積がないと愛着を持ちにくいです。
人間は恐らく、3Dの映像よりも2Dの映像の方が記憶に残りやすく、大量の色彩を組み入れたCGよりも、基本色で構成された画像の方が頭に入りやすいです。美しくなればなるほど忘れられやすくなり、技術は瞬く間にアップデートされます。毎年大ヒットドラマや映画が次々と生まれますが、忘れられるスピードも速いのが中国エンタメの現状かと思います。
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2 コメント

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大変💦 (玲)
2021-04-08 10:45:58
 こんにちは~。山河令はまだ日本に来ていないので楽しみに待っています。36話は短く感じますね。
 陳情令はハマりました(笑)その後神龍を途中で挫折し(ごめんね楊洋)、九州海上牧雲記を75話観たあげくにまだ1/4だと知り(しかも残りは制作しないっぽい)、脱力です ようやく長安十二時辰が観られるようになりました。
 中国はイベントもハードル高いですね。大変💦私も以前は(高額な)DVDセットを購入したり、他人の(笑)ファンクラブに入ったりしてましたが、そんなの目じゃないですね。
玲さん (上海阿姐)
2021-04-09 01:44:46
こんにちは!「山河令」早く放送されるといいですね。英語版はアマゾンプライムで配信されてるようです。中国ドラマ長いですよね。。36話とかだとちょっとほっとします。基本的に全話完成してから毎日放送・更新なので、話数が多くないとあっという間に終わってしまうので仕方ないのですが・・・。
中国はとにかくお金持ちの人が相当数いて、とんでもない金額を投入してきます。投入するお金の額でしか篩にかけることができないのでは。。純粋な抽選だと、努力・財力が反映されないので逆に不公平という意見の方が強いと思います。

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