グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

ネムノキのお花に触ってみたら。

2013-06-23 21:33:43 | Weblog
ネムノキのお花に触ってみたら。


心を和ましてくれるピンクのお花。 ネムノキ です。


 そこにネムノキ.jpg


昨日。

満開となっている、そんなネムノキのお花に触りました。



 ネムノキの花に触る.jpg


・・・不思議。

赤い羽毛のように見える部分は、おしべにあたるのだといいますが、
この部分を手にしても  “さわっている”という感触 がない のです。

 自分の手で触っており、それを自分の目で見ている

のに、手の平には おしべの感触が 実感できない。それはあたかも
みている夢の中でおこっているできごとであるかのようでした。

ネムノキのお花に出遭ったときには、ぜひ お試しを。



◎ 幽体となって浮遊しているときに物を触ると、こんな感触を
  おぼえるのかも しれないな。
  と、ついつい そんなふうなことを 考えてしまいました。
     → 「夢で終らせない農業起業」の続編ブログ版は こちら

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染










売れると踏んだら、増産×2。

2013-06-23 13:43:07 | Weblog
売れると踏んだら、増産×2。

農業における産地間競争の話 の続編です。

右肩上がりに売上げが伸びていく商品があれば、官学民の協力のもと
に総力を挙げて生産量を伸ばすための努力が重ねられます。

たとえば、宮崎県の地鶏のケースがあります。

2000年度には43000羽程度だったはずの生産量は、03年度
に136000羽、2006年に250000羽、そして2012年
度にはも460000羽出荷されるという実績が残されました。10
年ちょっとで10倍以上の生産が実現された
ことになります。

それだけではすみません。

これから 2015年度にかけての生産計画ですが、宮崎県によると
今後は 70万羽!の出荷を達成することを目標として、着々と〔
産を達成するための
〕準備がすすめられているといいます。

・・・こうなると黙って見過ごすわけにはいかないのが、宮崎以外の
九州各県です。

まずは大分県が「おおいた冠地どり」、長崎県が「つしま地どり」、
鹿児島県が「さつま地鶏」、そして福岡県が「はかた地どり」という
ふうに、まずは各県独自の“地鶏”の品種を開発して、宮崎県を猛追
しようとしています〔ちなみに12年度の出荷量の順位は宮崎43万
羽、福岡40万羽、鹿児島13万羽の順
〕。

なかでも力が入っているのは福岡県。福岡県畜産課の発表によれば、
5年後の2018年までには、はかた地どりの生産量を60万羽に
増産する
」という計画が公表されています。

・・・こうなると産地間競争というよりも産地間生産戦争とでも表現
したほうがよさそうな状況でしょう?

しかしこれが農業界。

ひとつの商品が売れると踏んだら、そして自分のいる地方でもその商
品の生産がより有利に展開することが可能であると判断できたら、
産に増産が重ねられていくことが常な世界
であるのです。

といったわけで今回は、

  各県独自の品種の設定
  各県における、その品種の増産強化 

という手段を使って、地どりの生産をめぐって九州の各県の間で展開
されている産地間競争の一例をお伝えしてみました。

・・・農業関係者のひとりとしてはですね、「九州の地どりの生産量が
増えていったとしても、地どりの販売価格がいままでのように安定し
つづけてていく」ことを願わずにはおられません。


◎ はんたいに消費量が減少することで、結果的に採算割れを起こす
  状況が続いていくようになれば、弱い産地から生産量が減少して
  いくことになります。「売れないとなったら、いずれは減産」という
  のも、またひとつの自然な農業のすがたなのです。

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暴風雨の中の青い人影・・・・レスキューじじいの思い出。

2013-06-22 15:31:09 | Weblog
暴風雨の中の青い人影・・・・レスキューじじいの思い出。

あなたのお住まいの地方では、台風4号の被害はありません
でしたか?
この話は、そんな台風の増水時に体験した出来事なんですよ。
農家の田畑の見回りの自粛要請」が、農水省からはじめて
だされた今、ある意味逆行するような話ではありますが、ご
参考までによろしかったら。

 ↓


あれは数年前の台風時・・・生まれてはじめて避難を考えた
時のことだった。

強まる横殴りの雨の、台風のまっただなか、様子をみるため
にすこしだけ開けた雨戸の隙間から、外の様子をみたときの
こと。

「んっ?」

人がいたっ・・・青いパーカを着た人物。
そしてその人物の足元は、すでにクルブシの上までにも水が
あがっていた。

「えっ。こんなに水がでていたんだっ。」

この家に住んでずいぶんになるが、この地区で、これほどの
水がでるのは初めての体験である。奇異におもえるはずの暴
風雨の中の青い人影よりも、窓下の迫りくる水の存在に私は
恐怖を覚えた。

避難したほうがいいと、とっさに判断し、雨戸を閉め、
「4駆の軽トラで避難しないと、水かさが心配だな」と考え
つつ、軽トラのキイを探す。

そんなときだ、叩きつける雨音・風音に混じって、金属音
が聞こえたのは。

「キイー、キキキギ゛ィー」

聞き覚え尾のある音・・・そう、排水溝を、排水溝に詰まっ
たゴミを金属のクマデでかきとるときに出る音だった。

「キイー、キキキギ゛ィー」

音が気になって、雨具を身にまとって外へ飛び出す。
そこでみたものは

金属のクマデを持って溝の排水作業をする青い人影だった!

手馴れた様子で作業する痩せ型の人影。姿勢はいい。
しかし・・・近寄って見たその青いパーカのフードのなかに
は、ご老人の顔があった。

暴風雨のなか、こちらに気付いたご老人は、なにも語らず、
ただうなづくのみ。確信に満ちたうなづきだった。

命令されたわけでもないのに、あわてて、こちらも
家に引き返し、クマデを手にした わたくし・・・。
嵐のなか、排水溝に詰まったゴミを金属のクマデでかきとる
二人。ゴミで埋まっていた水路で行き場をなくしていた水は

意外なほどのスピードで、その水位を低くしていった。

その間、約2時間。

ご老人は、水がひきはじめたのを確認し、一緒に作業しはじ
めてから1時間後にもう一つ先の、別の排水路に移られてい
った。『手馴れたものだ』と、その後ろ姿に、私は舌を巻いた。

いつのまにか台風の風雨は、峠を越していた。

数年たって、台風のニュースを聞くたびに、おもうのだ。
あのご老人はいったい誰だったのかと。

公民館活動をしている手前、ここの公民館の方ではない。
せまい町内。一度もお見かけしたことがない、お顔だったのだ。

あのご老人はいったい誰だったのだろう。


◎ 農家の絶対数が減少していくなかで、“水路の掃除を誰がやるのか
  ということは、これからの 日本社会の課題↓のひとつ となっていく
  ことでしよう。
   
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もうすぐ イネの穂が出ます。

2013-06-21 07:27:10 | Weblog
もうすぐ イネの穂が出ます。

これが なんだか、おわかりになりますか?


 ロケット.jpg


じつは 6月05日に撮影したイネの赤ちゃん〔幼穂〕なのです。

品種は コシヒカリです。

もちろん実際には、この穂の部分は茎のなかに隠れているのです
けれど、生育をみるために 茎をはずしてみたところなんですね。


 穂になる部分.jpg


その穂の先の方、ふわふわっとした綿毛のかたまりのようなもの
が、これからモミになっていく部分となります。

ちなみに、そのふわふわとした白い部分/幼穂の長さが、現在のと
ころおおむね1センチ前後の長さになっていますから・・・・


 20日まえ.jpg


この穂の赤ちゃんが、生長して茎から出てくるのは6月22日前後。

そして穂が出揃ったのち、そのまま順調に生育がすすめば、本年の
宮崎県沿岸部地方の早期コシヒカリ栽培の稲刈りは 7月末から
8月はじめのイネ刈りとなりそうです
〕。

ただ、心配ごとがひとつ。

それが ただいま九州の西側にある 台風4号の 直撃 です〔まさ
に好事魔多しの典型かと
〕。


◎ 出たばかりの穂は柔らかいので、強風にあうと擦れて傷んでしまう
  ものですから、心配してます。


51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染




庭先でのイネづくりも、なかなかのもので。

2013-06-19 20:16:40 | Weblog
庭先でのイネづくりも、なかなかのもので。

夏場に高温多湿になる日本。東南アジアが原産である「米」という作物
には、最適の栽培条件
が整います。

つくりやすいんです。

そういった意味で、新規就農をめざしている皆さまの技術入門編として、
プランターやバケツを使った稲づくりは おすすめです。いまからタネ
をまいたとして、8月から9月にかけては、だいたい ↓こうなりますよ。


ほら、きれいでしょう。 みごとなバケツイネ.jpg

いちばんのメリットは、まず『稲という植物の体作りと実作りの時期が、
はっきりとしている』ところを学べること。
植物全体に共通する、体つくりの時期である栄養成長期と、実づくりの
時期である生殖成長期 を理解するための良い教材となるんですね。

また、イネの生育にあわせたつぎのような『栽培』を〔規模がちがうだ
けで基本はいっしょです〕体感できるという二つ目のメリットもあります。

 種もみ選び → 種まき → 田植え → 分けつ期 → 

 雑草と害虫防除 → 中干し → 出穂 → 開花 →

 実の充実 → 稲刈り → 脱穀 → 籾すり → 精米


と、いった栽培の進み具合に沿った体験ができる。
場合によっては、収穫したおコメを、さらに餅などに加工もできます
いわゆるミニミニ版六次産業化も可能/笑〕。
ほんとにあきない植物なんです。

さあ、そんなイネ栽培です。 時期的には、まだ収穫も可能な時期・・・
今年のチャレンジ、いかがですか?

・・・そして この写真のイネですが、じつはわたくし、毎年この場所 
でのイネをみるのが楽しみで・楽しみで〔今年もいきまーす〕。










そう、羽田の 実はこんな場所で.jpg 

穴森稲荷さまです〔夏から秋にかけてのお参り時の楽しみのひとつになっ
てます
〕。



◎ 夏場の観葉植物としても、じつにきれい。とくに 出穂前の
  ライムグリーンになったときの稲色は とっても 爽やか!

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