グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

コメ作付け・・・消費者の信頼を得るために必要なこと。

2012-02-28 23:16:59 | Weblog
コメ作付け・・・消費者の信頼を得るために必要なこと。

BSE検査を例にとって、コメ作付けに対する考えを述べた回の再録です。
2月14日分ですが、よろしかったら。

 ↓

前回 、「野坂さんの懸念」の回において、米国牛の輸入についての規制
緩和に不安を覚えたのは、日本と米国のあいだの検査や管理体制には、
つぎのような違いがある
からです。

つまり 米国では

  いまだに牛由来の肉骨粉をブタやニワトリに与えている
  牛に牛由来の肉骨粉を与えていないのかの調査があやふや
  自力歩行が難しい牛などでしかBSE検査をおこなっていない
  BSE検査をおこなっているのは全体の0.1パーセント程度

というのが実態であるらしい。そのような規制が緩やかな米国に対して
わが日本では

  牛1頭ごとに耳票をつけて生産履歴を管理
  自治体をふくめて全頭検査を行う
  牛由来の肉骨粉をブタやニワトリに給与することすら認めていない

という、まさに完璧といってもよい対策がとられています。

このように、飼育と流通に関する徹底した管理体制がとられていること、
それこそが日本の消費者の信頼を得ている理由であると、あらためて確認
した次第です。

さて、そこでです。

ここでひとつ考えたいのが、次作の植え付けなどに代表される農産物の
放射性物質汚染に関連の“騒動”
こちら〕です。

現場には現場なりの諸事情があってのこととは思います。思いますけれど、
買い手である消費者のみなさんの信頼を得られないようでは、困るのです。

BSE検査に関する日米間の格差でもわかるように〕農産物の放射性物質
汚染に対する多くの消費者の懸念を打ち消し、そして信頼を得るためには、
日本のBSEの対策に比肩するような〕徹底した生産管理と調査をおこなう
必要があるとおもうのですがいかがなものでしょうか。

なんといっても農業は、買ってもらってなんぼの世界なのですから。


▼ 福島県知事の発表された、こういったニュース もありました。
  消費者をして、ここまでするのかといわれるくらいの対策を講じる
  こと
こそが、信頼回復への近道かと。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg 「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染






食中毒に関する政府広報があります。

2012-02-28 10:58:44 | Weblog
食中毒に関する政府広報があります。

前回よりの O157の記事関連として、2010年8月の回の再
録となります。ご参考までによろしかったら。

 ↓

『食中毒に関する政府広報がでました』

O157は、「家畜や動物のふん尿を介して生殖・増殖する微生物」
なのです。意外におもわれる方も多いはずですが、O157ってお
もに牛のふん便中の2-3割に、普通に検出されることのある菌な
んですよ。
したがって食中毒被害の多岐にわたる感染源としてあげられる食品
は、あくまで「従犯」。「主犯」である牛に代表される動物のふん
便中のO157をおさえこめば、予防できる食中毒となります。

と、いった感じで人畜共通感染症の危険性をお伝えしてきた「本当
は危ない有機野菜
」。その甲斐もあってか、今年になって発表さ
れた政府広報には・・・

腸管出血性大腸菌O-157は、主に牛の腸にいる細菌です。牛の糞
 尿などを介して牛肉やその他の食品・井戸水等に付着
します。
 O-157もカンピロバクターと同様、少量で感染します。菌が付い
 た食品を食べると、2日から7日くらいで、発熱や激しい腹痛、
 水溶性の下痢、血便、吐き気、嘔吐(おうと)などの症状が現れ
 ます。特に抵抗力の弱い子どもや高齢者は、重い症状になりやす
 く、合併症を起こして死亡する例もあります。


といった表現が普通につかわれるようになってきました。
正直いってうれしいです。

だって本の出版前後では、『清潔にしすぎたことが、O-157の発
生を助長している
』『O-157は生命力は弱いのですが、腸の中に
敵となる菌がいいから暴れだします。
』なんていう説が、どうどう
と世の中でまかり通っていたんですもの。
  
そんなわけで、食中毒に関する政府広報は、 こちら 。

いまや食中毒は高温の時期に限らず、1年をとおしておこるもの・・・
皆さま、お互いに注意をはらってまいりましょう。。


▼ 材料となる有機資材や発酵の程度など、いろいろな有機栽培
  がある
ことをお伝えしている本なんですよ  。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg 「夢で終らせない農業起業」「 本当は危ない有機野菜





牛の胆汁からも O157が検出される。

2012-02-27 19:06:32 | Weblog
牛の胆汁からも O157が検出される。

ひとむかし前の話ですが・・・「清潔にしすぎたことが発生を助長して
いる」とか、「菌自体の生命力は弱い。しかし、腸の中に敵となる菌が
いないと暴れだす」などといった、まちがった風説がまかりとおってい
た0157に代表される病原性大腸菌のはなしです。

その0157が、〔腸内ではなく〕生レバーの内部からみつかったのは、
昨年12月のことでした〔 こちら 〕。

そして、本年2月。

農水省の調査で、肝臓で作られる胆汁からも O157が検出されてい
たこと〔 こちら 〕が、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会への報告
で判明したようです。

・・・もともと牛の腸内に存在する場合があることはわかっていたO1
57ですが、これからは腸だけではなく、“胆汁”や“レバー”
そして“胃や十二指腸”にも存在する場合があることを〔個人個人が〕
自覚して、対処していったほうがよさそうですね。

● 病原性大腸菌による食中毒に関する回は こちら 。
● 病原性大腸菌の生活圏については こちら 。


▼ 病原性大腸菌をもつ牛もいれば、持たない牛もいる。その
  理由のひとつが、“部位によるちがい”であったのかもしれません。
 
51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg 「夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜




0157などの腸管出血性大腸菌による食中毒被害を軽減するには

2012-02-27 15:02:26 | Weblog
0157などの腸管出血性大腸菌による食中毒被害を軽減するには

0157による食中毒を防ぐには、0157のあるところに必ず糞便あり
きという事実
、 そして 動物が保菌してい確率が高いとう 事実
を、日本国民が知ることです。

これにつきるとおもいます。 

そうすれば、困難を極める二次感染の感染ルートの解明を実施するこ
ともなく、さらには進行していく0157の二次感染をも防ぐこと
が、より容易になります。

たとえば農業の場面においては、牛⇔ふん⇔牛 のサイクルの中に、
0157の生物としての生活圏がある
ことを知る必要がある。
研究が進んでいる欧米で推定されている0-157の感染ルートは
つぎのように。

  1. 牧草地・畜舎 →  → 河川

  2. 牧草地・畜舎 →  → 池・湖沼

  3. 牧草地・畜舎 → 浸透 → 地下

と、このように考えられていますよ。

したがって、O157に代表される腸管出血性大腸菌が生息場所と
している牧草地・畜舎からの汚水の流失を止め、汚水が浸透しない
ように、畜ふん置き場や畜舎の床をコンクリートで固めます。
さらに、定期的に酢酸などでこれらの施設を消毒すれば、0157
の増殖をかなりの確率で食い止めることになるでしょう。

疫病対策は、予防からです。

そしてもちろん、家畜ふんを多様する農業についても、注意が
必要
です。生ふん尿や未熟なきゅう肥を多使用する〔繁殖を助
長します〕のではなく、散布する場所の選定や使用する種類
と量に留意し、そして充分に発酵させた有機を使用すべき
である
ことは、いうまでもありません。


▼ 0157に汚染された牛肉の、米国での回収例は こちら  。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg 「夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜




0157などの腸管出血性大腸菌による食中毒について。

2012-02-27 14:47:51 | Weblog
0157などの腸管出血性大腸菌による食中毒について。

清潔にしすぎたことが、O-157の発生を助長している』『
 157は生命力は弱い。が、腸の中に敵となる菌がいないと暴れ
 だす。
』などといった記述をときどきみかけます。幼い子どもさ
んをもたれるご家庭では、こういった間違った風説に惑わされない
ように注意
いたしましょう。



0157による食中毒について

食中毒の集団発生はさまざまな要因が複雑に絡みあって起きるもの
です。そのため、発生後から状況を再現することは、非常に難しい。
なかでも特に大変なのが O157に代表される腸管出血性大腸菌
が原因する場合なのです。

それはこの菌に、

 ■ 感染してから発症までの潜伏期間が4~9日間と長い
 ■ 調理用具や水などを介した二次感染の危険性を常に伴う


といった特徴があるからです。

長い潜伏期間のもとで汚染食品が流通し、その間にも強い感染力
 により、つぎつぎと二次感染による被害を拡大していく
』・・・
これがO157による食中毒事故の恐ろしさです。これでは、感染
源の特定がなかなかすすまないのもうなづける話ですね。

そのO157の強い感染力について説明しましょう。

たとえば サルモネラ菌などは100万個以上が体内に入らないと
感染しないとされています。0157では、わずか100個足らず
で感染
するとされています。
この感染力の強さであれば、食品にごくわずかについている場合で
も感染してしまいますし、タオルの共用や入浴やプールなどでも感
染の危険がつきまとうという話にもおもわず納得してしまいます。

この強力な感染力のために、過去のO157発生時には多種多様な
感染源が指摘されてきた経緯があります。

有名となっ たカイワレ大根はもとより、仕出し弁当・輸入アメリカ
産牛肉・メロン・そば・イクラに製麺所のうどん・和菓子・生レバ
ー・牛ホルモンなどなど。なかには、おかかサラダやかぼちゃサラ
ダの例、なんてこともありました。
この広範囲にわたる感染源というものこそが、潜伏期間の長さと強
い感染力を持つというO157の特徴を端的にあらわした実例だと
いえるでしょう。

この原因究明された感染源の多さをみて、『これはとても防ぎきれ
ない
』・・との感想をもたれた方も多いとおもいます。が、実際に
は、O157が原因の食中毒ってそうそう起こるものではない。

その理由は上記のいろいろな感染源が、じつは二次感染による感染
源であることにほかなりません。そもそもの感染源は、別にある。

そう・・・O157のいる場所は、はじめからわかっているからです。

O157は、「家畜や動物のふん尿を介して生殖・増殖する微生物」
なのです。実際のところ、O157は、牛のふん便中の2-3割に
おいて普通に検出されるという事実もあります。

動物には害がなく人間に害をおよぼすというO157という大腸
菌のもつ性質が、問題となって発生する食中毒というわけですね。

したがって、上記の多岐にわたる感染源としてあげられた食品は 
あくまで「従犯」。「主犯」である動物のふん便中のO157を
おさえこむことで、O157は予防できる
ことになります。


▼ 人間に下痢を引き起こす病原性大腸菌は数種類あり、「0157」
とは、「O抗原」とよばれる分類により約180種に分けられたうち
 の「157番目の病原性大腸菌」の意味。おなじように「0111」
 とは、「111番目の病原性大腸菌」となります。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg 「夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜