グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

『本当は危ない有機野菜』を昔話ふうに。

2010-07-18 05:53:37 | Weblog


昔話のおきまりですね、山へ行くおじいさんと、川へいくおば
あさん。そうです、昔は山と川でいろいろなものが手にはいっ
たのです。食料や肥料に燃料、それに工芸品の材料など生活に
必要なものはほとんど山や川で手にはいったのです。

桃太郎を少し想い出してみましょう。

たとえば、おじいさんのおこなう「柴かり」。これは芝生を
かることではありません。
このおはなしのなかの柴とは、小枝や木のこと。おじいさんは、
料理をしたりお風呂をわかしたりするときにつかう燃料を山に
とりにいっていたのです。そしておじいさんはいろいろな木を
植えた「雑木林」や材木用の山をつくり、そこから炭の原木や、
紙の材料となる木、家の材料となる木などを手にいれていたに
ちがいありません。

おばあさんもそう。川の水は洗濯だけではなく飲み水や料理を
するときにつかえましたし、川の流れは粉をひく水車の動力や、
さらには交通手段としても使用されたのです。

それだけではありません。「かぐや姫」のおじいさんは竹山を
つくり、世話して、その竹山から取れる竹で、おはしやカゴや
ザルなどといった竹でできた道具をつくっていました。そうそ
う、もちろん春にはおいしいタケノコももちろんたべていたこ
とでしょう。

このように、ひとびとの生活を支えてきた山や川のある場所は、
里山(さとやま)とよばれ大事に管理されてきました。そして、
その里山につながったひとびとの暮らす場所や田畑を、われわ
れ日本人は里地〔さとち〕と、よんできたのです。

ヒトの作った里地と里山には、畑や水田やしっ地、ため池、草
地、落葉広葉樹林などのさまざまな場所が作られ、そのさまざ
まな場所にはそれぞれの場所に住むたくさんの動物や植物がヒ
トとともに生活していました。カチカチ山のウサギやタヌキ、
サルカニ合戦にでてくるサルやカニ、そしてそのほかのむかし
ばなしにでてくるたくさんの生き物たちです。そこには美しい
森と清らかな水の流れがありました。牛や馬といった家畜も、
田畑を耕す労働力として、家族同様に里人に大事にかわれてい
たものでした。

そんなある日、燃料の主役が石油やプロパンガスに変わります。
 
新しい燃料は、炭焼きのような苦労をしないで得られるため、
町はもちろん、里地や里山にまでふきゅうするようになったの
です。たくさん外国から輸入される木材で住宅を作るヒトがふ
え、山にうえられていたスギやヒノキも売れなくなりました。
プラスチックやビニールの普及で、わら製品や竹製品も売れな
くなります。

たくさんの食料も輸入されるようになってきます。

里人は、農業のかたわら輸入されたエサを使い・狭い場所で
たくさんの食用となる家畜を飼うようになっていきます。作物
に施すために落ち葉や野草でつくられていたたい肥も、たくさ
んでる家畜のフンにおきかえられました


外国からたくさん輸入される食料のため、里山でつくられていた
農産物は半分も売れなくなってしまいました。
たくさんの家畜のフン尿や外国から輸入される食料ののこりの
ために日本の土は次第に肥えていきました。
そのために川は汚れ、川では炊事はおろか洗濯までできなくな
っていったのです。

こうして里山は人々から見捨てられ、やがて ますます大きな
家畜飼育用の施設や作られなくなった田畑がふえていきました。
も木々が伸び放題になり、人々が次第に近づかなくなって
しまいました。里山にたくさんのいたはずのいろいろな種類の
動物や植物もいつのまにかいなくなります。
五穀豊穣(作物が豊かに実ること)を祝うお祭りや、ご神木であ
る木にまつわるお祭りをとおして、長く里山をみまもってきた
鎮守の森の神様も、きっとさみしくおもわれていることでしょう。

さて、里山と里地は死んでしまったのでしょうか。一度失われ
た里山と里地は復活することはかなわないのでしょうか。
いえ、希望はあります。

少しずつ暮らしを変えていけば
きっと里山と里地、そして美しい森と清らかな水の流れはよみ
がえることでしょう。
そこでは昔話で登場してきたたくさんのいろいろな種類の動物
や植物もたちも、里人といっしょにきっと笑顔で生きていける
はずです。

以上。

と、いうことでエネルギーや木材、大量の食料輸入を減らし続け
ていけば循環農法である有機栽培に、わたくしが注文をつける
必要はなくなってくるのです。

ねっ、鵜野さん。ご助言ありがとうございました。


<emoji code="h044" /> ソフトに語ると、こうなります。
でも、昔話って ホラーでもありますよね。
この本↓の本質は そんな話なんです。

本当は危ない有機野菜
「<emoji code="h420" /> 夢で終らせない農業起業

 

「本当は危ない有機野菜」 ゆーりんさんへのお便り。

2010-07-12 08:51:32 | Weblog


ゆーりんさんの書評における『有機農法の大半は未熟な堆肥を
使用していると、筆者が思い込んでいる
ことです。』という点に
ついて、説明させていただきたく。

この文章に象徴される書評を読ませていただいて、根本的に誤解
されているのではと思ったのは、この本が有機栽培の歴史を説明し
有機栽培の方法にもいろいろな方法があることも章立てして説明
しているにもかかわらず、ゆーりんさんが その事実をある意
味意識的に無視されて評論を進めておられることです。

 第7章 誰が日本人から食料と健康を奪ったのか
 第8章 いい有機栽培、悪い有機栽培
 第9章 安全な野菜の選び方・食べ方
 第10章 家庭で安全な野菜づくりに挑戦しよう


この本には、上記の章もあるのです。

その章立てからもわかるように、この本は有機栽培を攻撃するもの
ではありません。
この本の本質は、『有機農法の大半は未熟な堆肥を使用していると、
筆者が思い込んでいることです。』なのではなく、有機栽培に使用
されている有機の種類や量、施用回数の基準を作ろう
というところ
にあります。

それはこの本が多くの有機栽培者の皆さまから賛同をいただいてい
ることからもわかります。
それはとりもなおさず、『有機栽培には、その栽培法にいろいろな
ものがあるにもかかわらず、それぞれの栽培法についてきちんと評
価されてこなかったという現実』に対して不満をもたれている有機
栽培者が、たくさんおられる
という事実の証明でもあります。

今回は ゆーりんさんと同じ立場のブロガーの一人として、説明さ
せていただきました。

今回の参考資料といたしまして、いただいているブログ書評のなか
から、有機栽培者さまのブログや、学術系方面のブログをご紹介さ
せてください。
こういった見方も存在するということを、ゆーりんにご理解いた
だけたら幸いです。

その上で、本の著者の一人として、まずは本に興味を持っていただき
ブログに取り上げていただいたことについての、感謝とお礼をもうし
あげます。

参考資料 ↓

・m-easyさま  
日ごろ自分が抱えている世間の有機農業に対する不満がここに表現
されていたのでオススメです。

・田舎元気本舗さま 
至極まともなことが書かれているので驚いた。著者は有機農業その
ものを非難しているわけでなく、内容は未熟な堆肥や生の家畜糞を
大量に使用している有機農家とそれを野放しにしている有機JAS
法やリサイクル法、有機農業推進法に対しての警告であった。

・熊猫通信さま 
タイトルを見て、なんだとお?と思い、取り寄せたのですが、予想
していたような独断と偏見の書ではありませんでした。

・やさしいバイオテクノロジーさま
家畜の糞や堆肥が「安心・安全」だって、誰が言い始めたのでしょ
うか?
かといって、有機なら全部ダメ、といっているわけではありません。

・SHOちゃん徒然日記 
タダの鶏糞を田んぼに撒き、できた作物を有機農産物としてお店で
売っている農家があります。消費者は、有機=安全と思って買って
いるのでしょう。私は詐欺以上だと思います。

ちび子さま
昔ながらの焼き畑農法などがなくなり、リサイクルされた輸入食材
などからの汚染肥料による有機栽培の危険性を教えてくれている。

SAPIOさま 
「有機リサイクル農業」と呼び、本来の伝統的な有機農業とはっき
り区別して見るべきだと指摘する。

〔パンデミックといわれはじめた〕口蹄疫で問題となっている家畜の埋設の法制化を事前に提案しています。
 ↓
本当は危ない有機野菜 」 「<emoji code="h420" /> 夢で終らせない農業起業




「本当は危ない有機野菜」 ゆーりんさんへのお便り。

2010-07-09 23:37:08 | Weblog


ゆーりんさんの書評における『有機農法の大半は未熟な堆肥を
使用していると、筆者が思い込んでいる
ことです。』という点に
ついて、説明させていただきたく。

この文章に象徴される書評を読ませていただいて、根本的に誤解
されているのではと思ったのは、この本が有機栽培の歴史を説明し
有機栽培の方法にもいろいろな方法があることも章立てして説明
しているにもかかわらず、ゆーりんさんが その事実をある意
味意識的に無視されて評論を進めておられることです。

 第7章 誰が日本人から食料と健康を奪ったのか
 第8章 いい有機栽培、悪い有機栽培
 第9章 安全な野菜の選び方・食べ方
 第10章 家庭で安全な野菜づくりに挑戦しよう


この本には、上記の章もあるのです。

その章立てからもわかるように、この本は有機栽培を攻撃するもの
ではありません。
この本の本質は、『有機農法の大半は未熟な堆肥を使用していると、
筆者が思い込んでいることです。』なのではなく、有機栽培に使用
されている有機の種類や量、施用回数の基準を作ろう
というところ
にあります。

それはこの本が多くの有機栽培者の皆さまから賛同をいただいてい
ることからもわかります。
それはとりもなおさず、『有機栽培には、その栽培法にいろいろな
ものがあるにもかかわらず、それぞれの栽培法についてきちんと評
価されてこなかったという現実』に対して不満をもたれている有機
栽培者が、たくさんおられる
という事実の証明でもあります。

今回は ゆーりんさんと同じ立場のブロガーの一人として、説明さ
せていただきました。

今回の参考資料といたしまして、いただいているブログ書評のなか
から、有機栽培者さまのブログや、学術系方面のブログをご紹介さ
せてください。
こういった見方も存在するということを、ゆーりんにご理解いた
だけたら幸いです。

その上で、本の著者の一人として、まずは本に興味を持っていただき
ブログに取り上げていただいたことについての、感謝とお礼をもうし
あげます。

参考資料 ↓

・m-easyさま  
日ごろ自分が抱えている世間の有機農業に対する不満がここに表現
されていたのでオススメです。

・田舎元気本舗さま 
至極まともなことが書かれているので驚いた。著者は有機農業その
ものを非難しているわけでなく、内容は未熟な堆肥や生の家畜糞を
大量に使用している有機農家とそれを野放しにしている有機JAS
法やリサイクル法、有機農業推進法に対しての警告であった。

・熊猫通信さま 
タイトルを見て、なんだとお?と思い、取り寄せたのですが、予想
していたような独断と偏見の書ではありませんでした。

・やさしいバイオテクノロジーさま
家畜の糞や堆肥が「安心・安全」だって、誰が言い始めたのでしょ
うか?
かといって、有機なら全部ダメ、といっているわけではありません。

・SHOちゃん徒然日記 
タダの鶏糞を田んぼに撒き、できた作物を有機農産物としてお店で
売っている農家があります。消費者は、有機=安全と思って買って
いるのでしょう。私は詐欺以上だと思います。

ちび子さま
昔ながらの焼き畑農法などがなくなり、リサイクルされた輸入食材
などからの汚染肥料による有機栽培の危険性を教えてくれている。

SAPIOさま 
「有機リサイクル農業」と呼び、本来の伝統的な有機農業とはっき
り区別して見るべきだと指摘する。

〔パンデミックといわれはじめた〕口蹄疫で問題となっている家畜の埋設の法制化を事前に提案しています。
 ↓
本当は危ない有機野菜 」 「<emoji code="h420" /> 夢で終らせない農業起業