グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

農家は田にはいってなんぼ。

2013-06-09 21:22:12 | Weblog
農家は田にはいってなんぼ。

こちらは5月の連休前後に田植した田ンぼの話になります。
早期栽培よりは遅い作型なので、そのあたりご了承くださいね。

 ↓

田植えがおわった地域も多いことかと思います。いまの、あなたの
イネの生育は いかがですか。

そして・・・田植えして、ひと月後に良く受ける質問はつぎのよう
なものが多いのです。

 ● 葉に条〔すじ〕状の食害ができる
 ● 田植したはずの株が、まるごとなくなる
 ● 分けつ〔イネの株がますこと〕がうまくいかない
 ● イネの下のほうの葉が黄色く病気ではないのか
 ● あぜぎわの葉に斑点状の枯れた点ができる


といったところが代表的な質問といえるでしょう。

この質問のうちで、葉に条〔すじ〕状の食害ができるのはイネミズゾ
ウムシ
の被害、株ごとなくなるのはスクミリンゴ貝ことジャンボタニ
シによる食害
です。

のこりの質問である「分けつがうまくいかない」ことや、「イネの下
葉が黄色くなる
」という質問の原因。
これらは、まずまちがいなく土中の酸素不足が原因の生育不良です。

田に入るとわかりますよ。

そのような生育不良を起こしている田に入って歩くと、でてくるの
は腐敗臭をともなった泡・泡・泡・・・・そう、硫化水素です。

そのような田の持ち主の農家さんに話を聞くと

 ● イタリアンやソルゴーなどの飼料作物が田植の直前まであった
 ● 葉もの野菜が植わっていたが下葉をそのまま鋤きこんだ
 ● 家畜ふんたい肥を田植の直前に散布した


などという話を話が多いもの。こういった状態であれば

 水温上昇で田の土の中の生の有機物が分解しガスが発生している
 土中のチッソが有機物の分解に使われ、栄養不足にもなっている

といったことが、生育不良の理由になっていることがわかります。

そこで対処法です。

対策は、なんといっても 土の中のガス抜きをしてあげること。
その方法ですが、田にはいって歩きまわるだけでも効果があります。
また、溜まりっぱなしの田の水を落として、田の表面を空気に触れ
さすことも有効です。

さらに 除草を兼ねて タズリさまを使用 すること! の効果も絶大
です。そんな タズリさま は、こんな方 です。

いじょう、農家は田に入ってなんぼ というお話でした。


◎ 雰囲気が悪いこと、それを「空気が悪い」とも表現しますよねっ。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg 「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染