グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

サルノコシカケ? サルノコシカケ!

2020-11-27 03:54:04 | Weblog
サルノコシカケ? サルノコシカケ!
自然に生えて、いつのまにか巨大化してしまったセンダン。を
伐採や剪定、そしてゴマダラカミキリ[こちら]に喰わせて、な
んとか枯死させるのに成功したとおもわれる本年の11月。
さてあとは、腰の高さにのこっている幹の部分をどうやってと
り除くかだな・・・などと考えながら 見るともなく地面部を
みていると

       


幹のブロック塀側のほうに なにやら盛り上がっている部分が
あるのに気づかされました。んんっ?とおもいながら、土とい
うか 枯葉というか そんな堆積物をとりのぞいてみると

       

小動物が ヒョイというかヨッコイセというか、そんな言葉を
発しながら、いかにも腰掛けそうな 半円形状の平たい物体を
発見。。。

       

軟らかくてブヨブヨしていそうだな・・・と思いつつ、触って
みるとむ・・これがけっこう固くて、座り心地も悪くなさそう
なかんじが。

       

サルノコシカケ/猿の腰掛けとは、まさにぴったりのネーミング
なのだな・・と、このキノコに名前をつけられた方のセンスに
納得した次第。


晴れ 枯れ木に生えるキノコと生きた木に生えるキノコ
  があるのはなんとなく理解していたのですが、サルノ
  コシカケを検索してみると “生枯れの木に発生し木
  の養分で成長する
”とあって、この “生枯れ” とい
  う表現の巧みさにも納得させられました。今回のセン
  ダンの、現時点での様子は まさに 生枯れ。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染



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ゴマダラカミキリ、すさまじ。

2020-11-24 16:42:15 | Weblog
ゴマダラカミキリ、すさまじ。
トリが種子をはこぶことによっては発芽し[​こちら​]、気にとめ
ないうちにいつのまにか隣地に影響を及ぼすほどに巨大化して
しまったセンダン。 そんなセンダンの樹の対策として、6月
ころから倉庫においた燃料油付近につぎつぎにやってくるゴマ
ダラカミキリ[こちら]を寄生させてみよう・・と考えて実行し
はじめたのが3年前の夏。といったてんまつが前回までのはな
しでしたが[​こちら​]、さて今年の秋ちかくによってみたセンダ
ンの樹のようすが こちら ↓ 。

          

樹の幹の部分には、根元付近から1メートル位の高さまでつ
づく穴というか空洞。見た目でも すでにふわふわしていそ
うな目線の高さの表皮をバリバリとはがしてみれば、そこに
は根元付近までつづく空間が。。。

  ←空洞を横から覗き込む図

その穴に手をいれたかんじがこちら。

 

昨年の秋、業者さんにお願いして1.5メートル付近の高さの
ところで上部を伐採してるので、 その切断部分を取り除き、
ハシゴにのぼって、できていた空間を上から見下ろすかたちで
撮した画が こちら。

 

で、けっきょくのところ手のちからだけでばりばりと表面だけ
に残っていた形の表皮を剥がせるだけはがした結果がこちら。


    

ということで、伐採されてたとはいえ、直景40センチいじょう
の太さで、1.5メートルの高さの、見た目には丸太の形をした
センダンは・・結局のところゴマダラカミキリの幼虫によって
中身のないハリボテの状態となされていたわけです。

ざっとかぞえて 幹には20箇所くらいの穿孔がありましたが、
それにしても ゴマダラカミキリの食欲ったら すさまじいも
のだなと あらためて感心させられました。
そして今回は 隣地に影響を及ぼすほどにおおきくなっていた
センダンの樹を枯らすという役にはたってくれたわけですが、
これが大切に栽培している果樹などだったら・・とおもうと、
あらためてカミキリムシにはぞっとさせられてしまいました。


晴れ 異様にあたたかい本年、アカメガシにはあいかわらず
  ルリカミキリ被害[​こちら​]がひろがっており、こうい
  った暖かさがつづくと、 果樹の栽培管理においての
  カミキリムシ対策には ますます注意が必要となりそ
  うです。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」​​




巨大化する樹木/センダンを弱らせた方法。

2020-11-19 13:37:30 | Weblog
巨大化する樹木/センダンを弱らせた方法。
前回トリが種子をはこぶことによって、 おもわぬところで
発芽し、巨大化してしまうセンダンについて書きましたが・・

長いハシゴをかけての枝の剪定やら、業者さん雇っての伐採
やらといった経費や労力を使わずに巨大化していくセンダン
の生長をストップさせる よいアイディアをおもいついた[マ
ンガでいうところの電灯マークが点灯しました/笑]のは、い
まから3年ほど前のこと。

それが 虫の利用。      
正確には ゴマダラカミキリ[こちら]の活用です。

これは いろいろな方法を試しても、なにをやってもアカメ
ガシに寄り憑いてくるルリカミキリを[こちら]をみていて考
えた方法なのですが・・・・
その方法はいたって簡単、ゴマダラカミキリを捕まえたら弱
らせたいセンダン付近に放す・放しまくるという方法です。
幸運なことというか、不思議なことというべきか、毎年毎年
倉庫にある燃料缶にやってくるゴマダラカミキリず[​こちら​]
の活用でもありますよね/笑[さらに​こちら​]。

そのように弄した策が功をそうして

  

センダンの幹には↑ 目論見どうりに 毎年毎年ゴマダラカ
ミキリの幼虫が 侵入しつづけていったのでした。

 こちらがゴマダラカミキリムシ → ゴマダラ.jpg

そしてまる3年がたった令和2年、ことしのの夏が終わる頃には
・・・つづく。


晴れ いわゆる農薬的な目的で使用される生きた生物を
  生物農薬・・といいますが、今回のゴマダラカミ
  キリの使用もある意味 生物農薬的かも・・。

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鳥に運ばれて広がるセンダン。

2020-11-16 16:27:10 | Weblog
鳥に運ばれて広がるセンダン。H
いつのまにか生えて、いつのまにか巨大に育ってしまうセンダン。
地下部の巨大下化に伴い、ブロック塀もこわれるのではないかとい
うほどにおおきくなってきたセンダンについての、以前の記事です
が、そんなセンダンを枯らしたはなし[次回]の参考として、よろし
かったら。

 ↓

『鳥に運ばれて広がるセンダン』

さほど 広くない庭。

手前にサザンカ、後ろにきれいに樹形の整えられたイチイガシの樹の
ある庭があります。


 のののののののののののののののの 庭あり。.jpg


5月になっておこなう、この庭のサザンカにつくチャドクガの防除
に、しなければならないこと。


ののののののののの 鳥の作る森へ。.jpg


それは この庭を囲っているブロック塀やカシの根元になどに、いつ
のまにか生えてくる〔トリの生活によってひろがってくるセンダンや
そのほかの・名まえのわからぬような
〕雑多な樹木の芽吹きを早めに
除去していく
ことです。

その作業を忘れちゃったり、「せっかく生えてきた芽立ちだから大き
くしてみるか
」「梅雨まえに咲く​お花は可憐だし、また香りもよい​し」
なんて 軽く考えてしまったとしたら・・・・
 

ののののののの センダン.jpg


そのときは ちっちゃかったはずのセンダンの芽は・・・10年を待
たずして “こんなになっちゃいました” 。

いっしょに撮った剪定用のハサミとの対比でおわかりになるとはおも
いすが、いまでは 太さ30センチ超 ・ 高さは3メートルのハシゴ
の2倍の高さはゆうにあります。

ということで住宅密集地にある庭では、鳥の運んでくる樹のなかでも
とくに生長が早すぎるうえに、台風来襲時などの強風時には枝が折
れやすいために危険となる

 いつのまにか生えるセンダンには気をつけたほうがよい

というおはなしでした。


晴れ おとなりのお宅の邪魔 になりはじめているこのセンダン。
  撤去するには、もちろん専門の業者さんでなければ、いま
  や歯が立ちません
/涙。

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獣害を防止することは感染症防止にもつながる。

2020-11-13 17:28:54 | Weblog
​​獣害を防止することは感染症防止にもつながる。

たとえば豚熱や鳥インフルエンザの発生源として考えられうるのは
まずはカラス。死んだイノシシの臓器などを咥え運ぶことで、その
カラスの生活圏のなかでウイルスが拡散することになります。その
ウイルスにふれた小動物たちがこんどは新たなウイルス運搬者とな
って、侵入防止のために張られた網の目をかいくぐり、ウインドレ
スな畜舎にさえウイルスの侵入を許す・・・

などといった鳥類やネズミなどの小動物が鳥インフルエンザや豚熱
発生の原因にもなっているケース[こちら]をとりあげましたが、そ
れに加えてヒトの生活圏へのイノシシやシカ[クマも]といった大型
の哺乳類の侵入も​獣害や感染症発生の原因となります。

ここでかんがえねばならないこと、それはなぜ、なにゆえ山の動物
たちは人家近くに寄ってくるのか・・・ということです。

その答えは簡単です、それはがあるから。

栽培されている農作物であれば、たとえば侵入防止用の電気柵や網
などが設置されているのでしょうけれど、収穫をおわった圃場の放
置状態の取り残しの作物や作物残渣の場合はどうでしょう。

田にはヒコバエ、畑には取り残しの農作物、そして最近では過疎化
で人のすまなくなった家屋に植えられている柿やクリ、さらにはミ
カンなど、食料がいっぱい。このような状態では人家ちかくへ動物
をよびこみ餌付けしているようなものではありませんか。

ということで巷でよく啓発されている作物残渣や放置された取り残
し作物のはなしではなく、ここでは作物全国には膨大な面積がある
とおもわれるヒコバエのはなしをとりあげてみました。田起こしの
時期でもありますし、過去分ですがよろしかったら。



『獣害を防止するためにも田を起こそう』

対策が功を奏して減少しつつある鳥獣による農作物被害。農水省発表に
よるその被害額は こちら ↓。

 鳥獣による平成29年度の農作物被害

  被害金額が約164億円で前年度に比べ約8億円減少(対前年5%減)、
  被害面積は約5万3千haで前年度に比べ約1万2千ha減少(対前年
  18%減)、被害量が約47万4千tで前年に比べ約1万3千t減少(対
  前年3%減)しています。
  主要な獣種別の被害金額については、シカが約55億円で前年度に
  比べ約1億円減少(対前年2%減)、イノシシが約48億円で前年度
  に比べ約3億円減少(対前年6%減)、サルが約9億円で前年度に
  比べ約1億3千万円減少(対前年12%減)しています。

減りつつあるとはいっても、まだまだ大きな被害。動物たちとの良い
関係を保つためにも、獣害はなるべく減らしてていったほうがよい。

そんな獣害の原因ですが・・・ 鳥や獣などの動物を呼び寄せている
一番の原因は、 ひこばえ にある と、10年ほど前から いわれ
はじめました。

ひこばえとは収穫後の作物の切り株や根元から生えてくるイネの若芽
のこと。とくにイネ刈り後の水田に残っている切り株から生えてくる
ヒコバエが要注意です。栽培しているお米や野菜とちがって、放置さ
れているひこばえなら、ヒトは 動物が食べてもさほど気にならない。

こういった 心のすき間に、動物達が忍び寄る のです。

ちなみに

 10ヘクタールの田んぼのヒコバエなら、
 100頭のシカを ひと月養えるほどの餌となる


というデータがあります〔1ヘクタールでは10頭・10aで1頭の
割りになりますよ〕。つまり ひこばえの放置は、ある意味で動物の
餌付けをしているもの
 と 考えなければなりません。

そんなひこばえが生えてくるのを防止するには、収穫後のこまめな耕
運が効果的
です。田を起すことで、株を土中にすきこみ、ひこばえが
生えてくるのを予防するわけですね。

そうすることで 動物たちが集落に近づかないようにする。

ということで今回は、獣害被害の多い集落では田の耕運といった農業
の基本的な作業ををあげて励行することが、まずはなによりの獣
害予防方法となり、それはまた結果的にヒトと動物との良い関係性を
構築することになるというおはなしでした。


晴れ バインダーで刈られた長いままのワラの場合は、大雨などで
  田から流出すれば、排水路を詰まらせることにもなりかねま
  せん。
  水害を予防するという観点からも、田起しは重要になります。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg 「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」​