グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

レッドロビンを枯らすカミキリ。

2020-04-27 23:18:08 | Weblog
​​​レッドロビンを枯らすカミキリ。
昨年分ですが、次回資料として再掲載です。
 ↓

レッドロビンを隣地との境い目の境界の生け垣にしようと、画策す
る話のつづきです。

春先に事務所にやってきたベテラン農家さんが、ようやく生け垣に
見えはじめた二年目のレッドロビンを見るなり

 この赤い葉の樹にはテッポウ[​こちら​]がはいってくるからなぁ

と呟かれた言葉を耳にしたとき、わたくしは まさかレッドロビン
にカミキリムシが憑くなんて[果樹やセンダンの樹ではあるまいし]
そんなことってあろうはずない・・と思ってしまったのですけれど

そのつぶやきを聞いたその年の秋、順調に育っているとおもってい
たレッドロビンが 被害を受けているのに気づきました。 ↓

取り木のときに使う環状剥皮をするときのような状態にも似た樹皮
の被害が こちら ↓ 。


     

     

アップで見ると、

                                       

こんなかんじ。樹皮の下を[映画ハムナプトラにでてくるムシに]
這いまわられたような そんな被害の状況です。

這いまわられ食べられたのだとおもえる食害あとには

     

まるで ヤシガラのような繊維質だけが貼りついているというよう
なひどい状況です。しょうじきいって 果樹にはいるゴマダラカミキ
リ[​こちらは樹皮の下を這いまわったりはしませんものね​]よりも
ひどい食害痕・加害痕だと思わされました。

樹体の広範囲にわたってこんなひどい食痕を残すカミキリムシ は ​
こちら
​。 ルリカミキリ です。

大きさが2センチくらいの大きさの 黄色くてかわいいかんじのす
る虫であり、頼りなげにふわふわと飛行する飛行している虫だけに、
まさかこのカミキリが犯人であるとは意外なかんじがしたものです。
九州では[ここ4・5年のあいだに生息範囲をひろげているかんじ
なので]これから被害が目立ってくるのかもしれませんから、街路
樹にとっては要注意の虫だといえそうです。

ということで今回は宮崎にもたくさん植栽されているレッドロビン
の害虫についての、お宅のレッドロビンにも要注意というおはなし
でした。


晴れ ミノムシにハマキに、今回のルリカミキリに加えて、新芽
  には もちろんアブラムシもついてきますから、ご用心。


51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」


レッドロビンの生け垣をつくろうと思った。

2020-04-27 19:01:43 | Weblog
レッドロビンの生け垣をつくろうと思った。
昨年分ですが、次回資料として再掲載です。

 ↓

事務所の裏手にあった竹藪が更地にされ、その土地とこちらの土地と
の境界をはっきりさせるにあたって生け垣を作る必要に迫られたのが
3年ほどまえのこと。

 はてさてなにを植えて生け垣を作ろうか

としばらく考えていたのですが、そんなときにあたまに浮かんだのが
レッドロビン。そう、すぐにりっぱに大きくなってくるようなイメー
ジのある レッドロビン。だったのです。

調べてみると・・成長が早い・萌芽力が強い・耐寒性もある・病気に
も強いときて、しかも真っ赤な新芽は爽やかでよく目立つ とのこと。
これだとおもって、3年まえの春にさっそく植えてみたのですが・・・

まず 悩まされたのが、葉巻/ハマキ虫による新芽の被害。

      

そういえば池垣のそばの庭に植えているモッコクにもついてくる虫。
とくに赤い新芽を好み、まだ葉がやわらかいうちに糸で葉っぱをつづ
り合わせてベッド化し、その中で内側から葉っぱを食害していきます。

さらには ミノムシ。

    

みた目はかわいい虫ではありますが、 そのまま ほおっておくと

     

しっかり 葉っぱがなくなってしまいまから、 こちらも要注意。

どちらの虫も液剤散布の防除には強いということで[かたや蓑・か
たや自作の葉のベッドのなかに潜り込んでいますものね]
よその お家/おうちや 事務所に植えられているレッドロビンは、
けっこう放任されているように思えるのになあ・・・などと思案し
つつ、しかも襲ってくるヤブ蚊と戦いながら とにかく巡回しては
虫を見つけて ほぼ手仕事で駆除していきました。

そのかいあって、植えたレッドロビンが生け垣としてうまく育って
くれはじめた矢先のこと・・・事務所にきたベテラン農家さんが
ようやく生け垣に見えはじめた 二年目の アカメガシを見るなり

 この赤い葉の樹にはテッポウ[​こちら​]がはいってくるからなぁ

と、呟かれたのです。つづく。。


晴れ 文中の ゴマダラカミキリと灯油のおはなしというか、
  水陸両用のロボットみたいなカミキリの話は ​こちら​。


51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」





つる性植物にはご用心。

2020-04-23 18:28:53 | Weblog
つる性植物にはご用心。

表皮表面が、まるでスポンジだか海綿みたいに穴でボコボコ
ボロボロにされたマメツゲ。

     

そんな枝に指で触れちょっと力をかけるだけで、枝は簡単に
ちぎれてしまいます[4・5センチの太さなのに]。



マメツゲをこんな惨状にした犯人・・・それはツタ。

   
    

もともとあったマメツゲの枝に憑りつき、しまいにはこれが
マメツゲの枝であることも わからぬほどに、とえふたえに
絡みつき、締め上げ、マメツゲの表面から栄養や水分さえも
奪いとっていくのでしょう。

これではマメツゲの樹が弱っていって当然ですよね。

そんな弱った枝のあるマメツゲの株から、ツタをとりのぞき
まだ回復しそうな枝を残し、ボコボコの枝を切除した様子が
こちら ↓。



なんとか元気になって、花壇のマメツゲの樹勢が回復して
くれたらいいなあ。

   

それにしてもいつのまにやら気づかないうちに侵入侵略し被害
に合う植物を蹂躙していくツル性の植物。 油断禁物ですね。


晴れ 伐採されたあとの人工林に植えられるスギやヒノキの
  大敵も、ツル性の植物。ヤマの苗木にはツタが絡みつ
  くので、初期の手入れはかかせません。
  そんな手間のかかる[結果放置されることも多い]ヤマ
  のはなしは ​こちら​。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜





田植えして一ヶ月くらいに良く受ける質問は。

2020-04-23 12:01:37 | Weblog
田植えして一ヶ月くらいに良く受ける質問は。G

[さむい朝や寒風の吹く日を除き]暖かい日は水田の水を日中
浅水にして水温上昇に努めイネの生育をすすめていく、とい
った管理をする早期水稲なのですが・・・
本年は例年ならあがってくるはずの最低気温が、いまだ9度か
ら11度という低い気温で推移している南九州の沿岸部地方。 
4月中旬からは日中に強風が吹く日も多く、一と月まえに田植
えが終わった水田でのイネの生育には活着の良かった田と悪
かった田との生育差が甚だしく、生育に関してバラつきがで
ているように見受けられます。。
さてそこでこれからの生育管理ですが、とくに苗の生育が悪
い水田では
 ​こちら​を参考にしていただくとして、生育が順
調であれば、状況やケースに合わせてつぎのような管理をお
願いいたします。

 ↓

『田植えして一ヶ月くらいに良く受ける質問は。』

そんな生育に関する質問ですが、たとえば・・・

  葉に条〔すじ〕状の食害ができる
  株ごとなくなる
  あぜぎわの葉に斑点状の枯れた点ができる
  分けつ〔イネの株がますこと〕がうまくいかない
  下葉が黄色くなっているが、これは病気ではないのか

といったところが代表的な質問の内容となります。
あなたのイネの生育で、あてはまる点はありませんか?

さて、その質問の答えですが、

 ■ 葉に条状の食害ができるのはイネミズゾウムシの被害
 ■ 株ごとなくなるのは、ジャンボタニシによる食害

と考えて良いかと思いますので、薬剤散布などの対策をほどこせば
よいということになります。

そして のこりの質問である
 
  あぜぎわの葉に斑点状の枯れた点ができる
  分けつ〔イネの株がますこと〕がうまくいかない
  下葉が黄色くなっているが、これは病気ではないのか

ですが、これらは、まずまちがいなく土中の酸素不足が原因の生育
不良
です〔とくに田植直前になって 生の有機物をいれた田んぼや、
前作の葉もの野菜や牧草を鋤きこんだ田でおこりやすい
〕。

田にはいって、歩いてみるとわかりますよ。

そんな田に入って歩くとでてくるものは、 ・・・・そう、
土中の有機物が微生物によって分解される過程ででてくる メタンや
硫化水素など
 の気体が、湧き出ているのです。

つまり水面下の土の中では

  田の土の中の生の有機物が分解し、ガスが発生している
  土中のチッソが有機物の分解に使われている

という状況に陥っている。

この状態では、イネの根が酸素を吸えませんし、生育に必要なチッソ
分も土中で不足する
。結果として、根の生育がうまくいかないために、
その影響がイネ全体の生育に及んでいると考えられるわけです。

したがってこんな場合の対策は、

  田の表面を空気に触れさす
  土中のガスを逃がす

ことが有効となります。その方法ですが、

 ■ 田の水を抜いて、田の表面を出す
 ■ 除草を兼ねてタズリさまを使用する

といった対策が効果的となります。イネの生育がどうも思わしくないと、
思われている方は、ぜひ、お試し
下さい。

そうそう、そして タズリさま。土中に空気も入れ、そのうえ除草もで
きる現代版のタズリさまは たとえば こちら です。


晴れ ガスを抜くことが功を奏して、イネの生育が回復したとき。そのと
  きに思う・・・「農家は田にはいってたんぼ、いや、なんぼ/笑」。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜





急な晴天時におこる石灰欠乏への対処法。

2020-04-16 11:00:01 | Weblog
急な晴天時におこる石灰欠乏への対処法。

ハウストマト栽培に限らず、ハウスキュウリ栽培やハウスピーマン
栽培において、気温が急上昇したあとの作物に水分が不足した場合
にあらわれることが多い現象として


 トマト尻腐れ.jpg

 キュウリ先端枯れ.jpg

 果実の尻グサレ症や、より重い症状の先端部分の褐変症

などに代表される 作物のカルシウム欠乏の症状 があります。そ
して この症状が現われることの多い時期としてあげられるのが

  天候が不安定
  日照時間が次第に長くなってくる
  気温、ひいては地温が急激に上昇することが多い 

といった春先のハウス内が乾燥しやすい4月の時期というわけです。

ある程度の尻グサレ症の果実の発生はしかたのないものですが、障害
果量が多くなりすぎたり、また作物の先端部分に褐変症が現れるよう
であれば、もちろん対策が必要になります。

ということで、対策としてまず考えられるのは

 ハウス内の土を乾燥しすぎないこと

が、大切になります。その方法ですが

  かん水の量を〔冬場よりも〕じょじょに増やしていく
  内カーテンを上げ下げして日射量を調整する
  遮光資材を利用する
  気温上昇による水の蒸散を避けるために、充分に換気をする

といった、こまめなハウス管理が なによりの乾燥防止対策となり、
ひいては カルシウムの欠乏症状の予防対策 となります。

また、気温の上昇とともに果実の太り具合もすこしづつ早くなって
くるわけですから、冬場よりも収穫の間隔をいくぶん短縮すること
も必要になってくるころでもありますね。

といったわけで、なんだか冬場よりも手がかかることになる春先の
ハウス管理です。 けれど厳寒期のなかで果実を成らしてきた“疲
れ”がみえる作物にとっては、栽培者の存在がなによりのお薬・・・
これからのハウス作終盤にかけての良品多収穫のためにも、ここは
こまめな管理をお願いいたします。

なんたって作物は、栽培者にとっての金のなる木 なのですものね。



ちなみに施肥管理的には、作物の状態に合わせて こんなかんじで
対応してますよ。ご参考に。 → 春先3月の管理は ​こちら​。


晴れ ハウス内の高温は、作物の花粉の品質や受粉にも影響します。
  35度を超えたときに受粉した果実は、奇形果や果実の肥大
  不良を招くともいわれていますよ。また受粉に活躍しくれる
  昆虫たちにとっても高温は大敵です。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業「 本当は危ない有機野菜