グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

背中に2本のトゲを持つハエの話。

2014-01-31 19:08:45 | Weblog
背中に2本のトゲを持つハエの話。

背中側の胴体から突き出た2本の棘。

 
 トゲを持つハエ.jpg


これが背中に2本のトゲを持つハエである「フタトゲバエ」です。


 トゲバエ.jpg


背中からトゲが出ている同じ仲間のハエは、ヨーロッパで2種類、中東
とシベリアで各1種類しか見つかっていないとされている
珍しい種類」
に属する この日本にいるハエは、

 死んで腐敗した大型動物の骨髄を食べる

という生態が紹介されています。つづく。


◎ 最初にこのハエの映像を眼にしたときは、「悪魔ベルゼブブの
  新しいイメージ化?
」などとおもわずにはおられませんでしたよ。



51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染




20度超!季節はずれの小春日和。

2014-01-30 22:09:28 | Weblog
20度超!季節はずれの小春日和。

カエルが土から顔を出し、カナヘビが日なたぼっこし、秋から生き残った
虫が動きだす・・・いまはまだ1月だというのに驚きの20度ちかい気温
がつづく南九州です。

季節は違えど、いわゆる 小春日和(こはるびより) ですね。

小春日和とは、『晩秋から初冬にかけて急に訪れる、穏やかで暖かい
まるで春のような天候
』のこと。そして・・・この小春日和は、冬眠して
いる小動物、とくに昆虫や両性類・爬虫類などの陸生の変温小動物を
むりやり起こしてしまうのです。

なんて罪作りな天候でしょう。

代謝活動を著しく低下させた状態で寒い時期をなんとか無事にやり過
ごそうと
〕冬眠しているとしている彼らを、このいつわりの春はなんなく
起こしてしまうのですから。
より厳しい寒さを伴う 冬日和(ふゆびより〕が、この偽りの春のすぐあと
には かならずやってくるのですから。

小春日和と冬日和。2つの天気は、生と死の1枚のカードの裏表。

やってきた冬日和(ふゆびより)は、春がきた と勘違いして動きまわる
小動物をその強烈な寒風で 容赦することなく凍らせ、いとも簡単にその
生命を奪います。


◎ 一昨日から始まった最高気温が20度近いという、この春な
  陽気。予報では、2月4日まで続きそうです。・・・節分の鬼
  たちだって、きっと びっくり!

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染




ウイルスを封じ込めるにはスピードが命。

2014-01-28 22:09:18 | Weblog
ウイルスを封じ込めるにはスピードが命。

早期発見とすばやい対応・・・ウイルスを封じ込めるにはこれが最も
効果的です。簡易検査だけであっても、現場の患畜の状況によって
判断し感染防いだ2010年の好事例を再掲載してみました。
よろしかったらご参考に。



ウイルスを封じ込めるにはスピードが命。

島根・安来市の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザへの感染が疑われ
 る鶏が見つかった問題で、島根県は30日、農水省の決定に基づき、
 飼育されている 2万3000羽余りの鶏の殺処分を始めた。
 県によると、ウイルスに感染したかどうか確認する前に殺処分の対応
 を取るのは、全国で初めて
だという。


これは 2010年11月30日・19時のニュースです。

英断だと思います。

飼われていた鶏には気の毒ですが、『ウイルスを封じ込める』には、な
によりスピードが肝要
だからです。

そう思うに至った好事例があります。宮崎県で本年おこった口蹄疫被害
において、肉用牛とブタで農業生産額が日本一〔2006年〕である都
城市における2010年6月の口蹄疫の『飛び火感染』を、処理のスピ
ードで押さえ込んだケース
です。
『発生を予測して動いた』という対ウイルス防疫処理体制作りの好事例
というべき、この都城市でのケースは次のようなものでした。

【1日目】

15時00分 飼養者が牛の異常を発見。家畜保健所へ通報。
15時15分 家畜保健所が立ち入り検査開始
15時55分 検査終了
16時00分 家畜保健所が確認した異常を市へ連絡。採血は衛生研究所へ。
17時30分 農場処理用の消石灰の配送。人員20名。
18時00分 現地の総合支所に対策本部が設置される。
19時00分 農場に至る道路の両側を封鎖。
21時30分 対策本部にて対策会議。
22時00分 都城市職員50名が殺処分のために農場へ。
23時00分 獣医師12名と追加の職員50名も農場入り。埋却地用意開始。


【2日目】

00時00分 陸自30名に、知事の出動要請。
00時40分 殺処分開始。
02時00分 陸自10名が現場へ。
02時50分 208頭の処分終了。
04時36分 処分した牛を、牛舎から埋却地への移送開始。
05時00分 陸自20名が農場へ。
05時39分 採血した検体すべてが陽性の連絡が現場へはいる。
05時45分 208頭の牛すべての評価が終了
10時00分 対策本部にて対策会議。
14時45分 全頭の埋却が終了
15時00分 現地対策本部長・篠原農水副大臣が表敬。
15時35分 副大臣と都城市長が市役所で意見交換。


以上、ほぼ24時間以内で防疫処理を完了したことが、感染の拡大を阻
止することにつながったという事例のご紹介でした。

さて、そして話を戻して高病原性鳥インフルエンザ発生をスピードで
押さえ込もうとしている、今回の島根・安来市の養鶏場のケースですが・・・

あえてこれ以上のことを心配するとするならば、それはやはり

 フン処理の問題

でしょうね。感染鶏を出した養鶏場の、処理する前に確実に存在したは
ずの鶏たちのだしたフンの行方です。
なにせ こんな話し も あるのですから。


◎ 農林水産業の実態に詳しい農水大臣と副大臣の存在は重要ですね。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg 「夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜



中国の鳥インフルは厄介。

2014-01-23 17:03:28 | Weblog
中国の鳥インフルは厄介。

強毒性の鳥インフルエンザであれば〔ヒトが感染する前に〕まずは家禽や飼育
されているトリの大量死がおこるため、その大量死の痕跡をたどっていけば感
染源を容易に特定し、〔かかったトリを殺処分することで〕感染の拡大を食い
止めることができます。

いっぽう中国でいま再流行している鳥インフルエンザは、トリがかかっても
変化がおきにくいという代物。逆に

 ヒトが発症したことで、トリの感染がわかる 

いうこともあるという、まるでこれまでのヒトとトリの立場が逆転したかのような
ウイルス
 なのです。

これは厄介ですよ。
なんといっても防除がしにくいうえに、感染源が特定しづらい。

さらに厄介なのは しだいに感染が広がっていくであろうこと。
なんといっても鳥インフルにかかっている〔感染源となりうる〕トリのフンは日増し
に増えていく
わけですからね。

そこで対策ですが・・・まずはやはり トリの定期的な検査。そしてかかっ
ていることがわかったトリの早急な処分とそのトリの残したフンの〔焼却や
埋設といった〕適正な処理
 に尽きると思います。
ニュース こちら 。


◎ 渡り鳥も運んでくる鳥インフル。日本は、対岸の火事をきめこむわけ
  にはまいりません。必要になるのは、なんといっても 素早い対策 です。
  ちなみに こちらは中国語版の「本当は危ない有機野菜」となります。

 中国語版・有機野菜.jpg 「夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜




鳥インフルも、こんなかんじで広がったり。

2014-01-22 17:37:51 | Weblog
鳥インフルも、こんなかんじで広がったり。

鳥インフルエンザや口蹄疫などに代表される家畜伝染病の感染拡大につい
ての2013年の回となります。よろしかったら、ご参考に。

 ↓

たとえば日本では、2010年の3月頃に発生し7月4日に終息が確認さ
れ宮崎県で発生した牛、豚、水牛の口蹄疫〔28万8643頭が犠牲にな
った〕の流行がありますが・・・
この口蹄疫のまん延に関しての農水省口蹄疫疫学調査チームの報告として
次のような見解が発表されいます。

『口蹄疫に感染した牛やブタは呼気中やふん尿中に大量のウイルスを排出
するため、周辺環境がウイルスで汚染される。川南町を中心とする多発生
地域では、多くの発生農場で感染動物を殺処分するまでに長い時間を要し
たことや、牛の百倍~二千倍程度のウイルスを排出する豚にまで感染が拡
大したことで、発生農場の周辺までが大量のウイルスによって汚染されて
いたと考えられる。
また、一部の発生農場においては、近隣に設けられたたい肥置き場への別
の発生農場からのふん尿が搬入されていたことが確認されており、ウイル
スに汚染されたふん尿を介して伝播した可能性がある。
これらのウイルスが飛沫核として飛散し、また共通の道路の使用、野鳥や
昆虫などの小動物などによる機械的伝播など不特定の経路を介して周辺農
場に広がった可能性がある。』

いっぽう、2010年11月に発生し翌年の4月3日に終息が確認された
韓国における口蹄疫〔被害家畜数約348万頭〕では、そのまん延の原因
として、中央日報が発生中の2011年1月につぎのような見解を報じて
います。

『隣接する台湾と中国、モンゴル、ロシアなどでも昨年に口蹄疫が発生し
ているが、韓国ほど激しくはなかった。日本も昨年4月に宮崎県で口蹄疫
が確認されたが、他の地域には拡散しなかった。それならば韓国だけ“統
制不能”が懸念されるほど口蹄疫が広がった理由は何だろうか。
専門家らは全国的に移動する糞尿回収車と飼料供給車を挙げる。これらの
車両が全国を回りながらウイルスを伝播しているということだ。実際、安
東で初めて発生してから10日以上慶尚北道外に出なかった口蹄疫は12
月中旬から京畿道(キョンギド)北部を中心に急速に広まった理由は糞尿
回収車のせいだというのが国立獣医科学検疫院の暫定疫学調査の結果だ。
検疫院のキム・ビョンハン疫学調査課長は、「安東で口蹄疫は初めて発生
したこと、ある糞尿処理装備開発会社が安東の養豚団地の糞尿2トンを京
畿道坡州(パジュ)に持ち込み糞尿乾燥試験を行ったことが確認された。
この会社の近くの農家で口蹄疫が発生した」と明らかにした。その後、坡
州、漣川(ヨンチョン)、抱川(ポチョン)、江華(カンファ)など養豚
農家密集地域で相次ぎ口蹄疫が拡散した。建国大学獣医学科のイ・ジュン
ボク教授も、「口蹄疫が韓半島で広まったのは、畜産農家が全国に広がっ
ている上、媒介となる糞尿処理車や飼料供給車などが隅々まで走り回って
いるため」と指摘している。』

・・・ということになっています。

この2つの考察から、家畜伝染病の感染がひろがる大きな原因として、感
染した家畜から排泄されるふん尿の管理不足があるようにかんがえられる
のです。

そして、いま中国で感染が広がっているH7N9型の鳥インフルエンザに
関しても、4月14日につぎのようなニュースが配信されていますよ。

『インフルエンザ(H7N9型)ウイルスの感染者が増えていることを受
け、中国家禽業協会の常務理事兼副秘書長を務める李朝国研究員は、洗浄、
消毒がされていない状態で市場に出回る「汚い卵」は調理の前によく洗う
よう呼びかけた。
「汚い卵」の表面には鳥インフルエンザウイルスやサルモネラ菌、大腸菌
などの病気の温床になる鶏の糞や羽、飼料などが付着している可能性があ
る。低温または常温の状況で、こうした病原は卵に付着した汚物の中で長
く生存できるという。
海外では「汚い卵」の市場管理が早くから始まっている。1970年12
月29日に米議会はこうした卵の流通を禁止する「卵製品検査法」を採択
した。日本、カナダ、オーストラリアなどの先進国ではほとんどが洗浄・
消毒を経た「きれいな卵」だ。
李氏は、洗浄、消毒が行われない卵を買ったら、まずきれいに洗って乾燥
させてから、食料の相互汚染を避けるため、袋に入れて冷蔵庫で保管する
必要があると話した。冷凍室は殻が割れたり卵黄が硬くなったりするので
避ける。生のまま、または半熟では食べず、よく加熱する必要がある。さ
らに、洗浄すると品質保持期間が短くなるため、1週間ほどで食べきるこ
とが好ましいと説明した。
李氏は「卵を割る際に鍋や碗にあてると、不衛生な部分が食べ物に混ざる
可能性があるため、卵は必ず洗ってから調理する必要がある」と強調した』

というものです。

ということで今回は次回の資料として、鳥インフルエンザや口蹄疫などの
家畜伝染病の感染がひろがる原因についての考察をお伝えしてみました。


◎ 上記の中国の卵のはなし。これは、家畜の排せつ物を利用した
  農法や、その農法で生産される農産物に置き換えることも可能
  ・・・と思うんですよね。鳥インフルが発生している地域であったら。
 
51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜