グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

生き物にもやさしい『溝切り』。

2015-05-29 08:14:00 | Weblog
生き物にもやさしい『溝切り』。G

タズリさまにて草をとられ、土中のメタンガスや硫化ガスをだされた田
は大きく育ってきます。そして充分に育ったところで 「中干し 」で、
イネに気合を入れたその後の管理です。

そんな田んぼに関する作業で、最後の仕上げの作業があります。
それが 「溝切り」 です。

これは 田の中に

 5~10m間隔に深さ約10~15センチ・幅約20センチの

を掘ること 、なんですよ。


ののののの 溝切り溝.jpg 


タズリさまと同じで、いまはエンジン付きがありとても楽。 そうです
ね、今年もやってみたのですが、田の中の周囲と、田の中に3本の溝を
掘って、10アール当たりで、だいたい30分というところ。

なあにやってみれば 早いものです。

 機械は こんなかんじ  です。
 最近は トンネルを掘る ようなものもあるんです。

そんな溝を、田の中に掘ることで、なにが変わるのだろう・・・なんて
おもいますでしょう?けれど、これがもうまったく・たいしたものなん
です。

中干しで水を抜きたいときには、この溝を使ってササッと排水できます
し、逆に田が乾いて水を入れたいときは、この溝を伝ってスムーズに水
がはいる。

 それはもう感激もの。すばらしい技術なんです。

そしてこの技術には、もうひとつ、とても感心するところがあるんです。

 なんだとおもわれます?

それは、田の水が干されるときに威力を発揮します。
水の出し入れのために掘ったはずの、その溝が、メダカやオタマジャク
シなどなどの田に生きる水棲生物のための〔用水路への〕避難路に
なる


ののののののののの 溝切り・全体.jpg


ことなんです。

昔から伝えられた農法は、生き物に対するやさしさを持っている』と、
かんじる瞬間ですね。


◎ 『水の管理は、稲つくりの半分を占めるほど大切な作業
  である
』という、 みずみはんさく のお話は こちら 。
  

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg 「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染





なーんだ、しまちゃん♪だったのか。

2015-05-28 05:58:55 | Weblog
なーんだ、しまちゃん♪だったのか。



ほろ酔い加減で月でも撮ろうかと、 暗い勝手口を出た瞬間〔とき〕っ、
住宅〔いえ〕の壁沿いを疾走する なにか を発見っ。




 なにものっ.jpg

バッテリーチャージがまにあわないままに、連写・連射・れんしゃ・・。
そして フラッシュを点けた ファインダーにとびこんできたものは・・・




なーんだ、しまちゃん♪ だったのか。       しまちゃんか。.jpg

〔追いかけて連写しちゃって〕驚かしてごめんなさい。

おっ、 明日は ジャンボ宝くじ買わなくっちゃだね。教えてくれて
ありがとう。。

 ● ヘビ と 金運 については こちら 。


◎ いまはすっかり住宅街になりましたが、昔の名残りの水田が南側
  に1枚だけ残っているおかげで いろいろな生物が出没します。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」 



イネつくりといえば・・・“みすみはんさく”さん。

2015-05-26 22:49:59 | Weblog
イネつくりといえば・・・“みすみはんさく”さん。

早期水稲の中干し期ということで、定番の回の再掲載です。



田植えから約60日が経過するころ、この時期は、身体づくりにおわ
れていたイネの生長が、実をつくる生長に切り替えられていく
時期
なんですよ。田植してひと月後の話しは こちら

4月1日前後に田植したイネでは〕そんな季節のはじまりです。

そしてイネの生育の転換期を助けるのが、田んぼの水管理です。この
時期に、“ためっぱなし”であった田の水も、抜いてしっかり干すんです。

これを 「中干し」といいます。

このような管理をするのには、もちろん理由があります。

 ■ 土中の有機物の分解に伴い発生する硫化水素やメタンガス を抜く
 ■ 遅れて発生しようとする、イネの生長〔分けつ〕をおさえる
 ■ イネミズゾウムシ・シャンボタニシなどの水棲害虫の駆除
 ■ 田の表面を硬くしていくことで、来るべきイネ刈りをやりやすくなる


といったところ。

そうそう、田んぼが見られる環境にお住まいで、田を見る機会がある
・・・といわれる方は、就農希望者でなくとも、ぜひぜひ田の水の有
無を観察されてください。面白いものですよ。

あ、そして タイトルの “みすみはんさく” さんです。

 三角半作さん? 水見範作さん?

じつはこの方、日本のイネつくりコンクールで、長年にわたって優勝
してこられた方なんです・・・なんていったら信用していただけるか
もしれませんが〔無理か/笑〕、ほんとはイネつくりに関する格言です。

正確には 「水見半作」となります。これは

 水の管理は、稲つくりの半分を占めるほど大切な作業である 
という意味なんですね。。頼りになるんですよね、みずみはんさく/笑。

土の栄養状態や病害虫のことばかり、あるいは大型機械での大規模
農業が注目されがちなイネつくりですが、じつは イネつくりには、田
んぼという生育環境をコントロールするための〔ある意味ローテクと
もいえる
水管理技術も必要不可欠です・・・ということですね。


◎ 中干しの時期の。田のライムグリーン色のなかにたたずむのは、
  凄く気持ちがいいんです。そう、これすなわち アマガエル気分 /笑。

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熱帯化?南方系の生物達の北進は、今年も。

2015-05-26 02:08:38 | Weblog
熱帯化?南方系の生物達の北進は、今年も。

次回分の資料として、2012年分の再掲載です。

 ↓

3年ほど前からみかけるようになり、変わった虫だなと思った

というコメントとともに、昨年〔公式に〕確認され話題になった生物・・・。
それが、大分県に接する宮崎県北部の延岡市北方町のガソリンスタ
ンドで捕獲された アマミサソリモドキ です。

 モドキとはいえ.jpg

クモ綱サソリモドキ目サソリモドキ科に属し、夜行性で、主として
コオロギなどの昆虫を捕食する生き物。昼間は落ち葉や倒木などの
陰で、土や石の間に潜るようにして過すという生活をおくります。

南方系の虫だけに、暑くなる季節になると動きが活発になるとみえ
て、このガソリンスタンドでは、3年ほどまえからみかけるように
なり今年になってすでに3匹目を捕獲
しているとのことで、〔最近の気温の上昇傾向とともに〕この付近
での生息域を拡大しているとみてよさそうなはなしです。

・・・それにしてもこのルックスです。わたくしが奄美大島で最初
にこの虫に遭遇したときは、暗がりだったこともあり

 頭部分は クワガタ・足は タカアシグモ・腹は タガメ

といったような、あたかも 生物界のヌエ みたいな、そんなイメー
ジをもったものでした〔サソリとは、おもいませんでしたね/笑〕。
まあしかし、体長が10センチ弱の大型の虫で、サソリとは違って無
毒とはいっても、危険を察知するとおしりについた管〔くだ〕から酢
酸をガス状にして噴出するといわれていますので、〔とくに屋内などで
みかけたときは
〕注意したほうがよさそうです。ニュースは こちら 。

それにしても、こういった南方生物の北進ぶりはどうでしょう

今回取り上げた宮崎県だけに限っても、イヌマキを食害するオビキ
エダシャクや、日南市のキノボリトカゲキノボリトカゲ、宮崎市の
フェニックスオサゾウムシの繁殖と枚挙にいとまがないほどです。

生物たちが、変わりつつある環境の変化〔確実な温暖化〕を如実に
あらわす鏡
 であるのだとすれば・・・・日本は確実に亜熱帯化しつつ
あるようです。


◎ 寝ている部屋でなにやら動く気配・・・電気を点けてみると、いまま
  で見たこともないサソリみたいなものが、枕元にいる。。。これって
  ちょっとしたホラーですよね。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染






月光に 照らされており アカテカニ。

2015-05-25 19:11:05 | Weblog
月光に 照らされており アカテカニ。

次回分の資料として、以前の8月分の再掲載です。

 ↓

月の光に照らされて、赤いカニが動いています。ここにも、そこ
にも、あそこにも。
水の流れに沿って、また浜辺の植物をかきわけて、どこからとも
なく 月夜の入り江に集まってくるカニたち。

いつのまにか大群となったそんなカニたちは、今度はいっせいに
満潮となった汽水に入り、体をぶるぶるとふるわせます。

これが、 アカテガニ とよばれるカニたちの産卵行動・・・そう、
7月から8月の満月または新月〕の夜、 日本各地で見られる
夏の風物詩なんですよ。

こうして月夜の入り江で生み出された卵たちですが・・・

 海中を浮遊する動物プランクトンとなる
 ↓
 植物プランクトンなどを捕食し成長し
 ↓
 数度の脱皮を経ると、カニに近いメガロパ幼生という形態に変態
 ↓
 秋頃に沿岸部に近づいたメガロパ幼生は、小ガニへと変態
 ↓
 小ガニの形へ変体した個体から順に、河口から上流の森へと移動


といった ↑ 生活史をおくって〔この生長期間はだいたい3週間前
〕、再び陸地へ帰ってきます。

海へと注ぐ 潮の流れに乗って、ふるさとの河口から飛び出していく
アカテガニの“こども”たち。小さい体の割に、けっこうな大冒険を
こなしてかえってくるんですよね。
毎年10月くらいに、帰って来た子ども達をみかけたときには、おも
わず尊敬してしまいます。 ニュースは こちら 。


◎ いまやどこでも見られる風景ではなくなってきた観のある
  アカテガニの産卵風景。わたくしの場合は、神社の自然林
  が残るところ
で、毎年観察させていただいてます。やさし
  いですよね、鎮守の森って。

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