グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

春先のハウス栽培。うっかりミスには気をつけましょう。

2018-03-30 11:54:52 | Weblog
春先のハウス栽培。うっかりミスには気をつけましょう。G

春先の気象は千変万化・・・昼間にいきなり初夏に近い最高温度になっ
たかと思えば、数日後の朝には気温が冬場の最低気温に逆戻りといった
ことも往々にしておこります。

そんな春先の農業経営のうえでまず第一に気をつけねばならないこと。
それが ハウス栽培やトンネル栽培などを行っている場合のビニールの
開け閉めで調整されている

 施設内の温度管理

です。そう、これからの時期の施設栽培においては、なにより晴天の日
の日中の施設内の温度の急上昇
に注意していかねばならないのです。

なかでも気をつけねばならないのがハウスのビニールやトンネル栽培の

 ビニールを開けて換気をすること自体を忘れてしまう

という うっかりミスです。

たとえば温度が25度以上に日中気温が上昇する天候下において、ビニ
ールを開けて換気することを忘れてしまうとすると、気温がもっとも高
くなる14時前後にはハウス内の温度が50度近くになってしまうこと
にもなりかねません[いわゆるサウナ状態です]。

こうなると施設内の作物を高温障害にあわせてしまうだけでなく、悪く
すると結果的に作物の上部の枯死
を招くことにもなってしまいますので
とにもかくにも まずは[小さい施設であればあるほど]ビニールの開
け閉めの管理に気をつけましょう。

ということで今回は、入学とか卒業とか税金の申告といった・とかく想
定外の飛び込みの行事が多くなる 年度末の時期のうっかりミスには注
意ましょうというおはなしでした。なんといっても燃料費がかからなく
なるこの時期からの収穫が、農業経営上は 農家にとってのもっとも
“おいしい”野菜
であるのですからね。


晴れ この時期のトマト栽培における温度管理について
  の実際例はこちら。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染




あわてふためいておられるのかどうかは、ご自分でご判断を。

2018-03-27 12:04:00 | Weblog
​​あわてふためいておられるのかどうかは、ご自分でご判断を。
3月8日分の当ブログの『​ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』 の回
のつづきとなります。

 ↓

あれこれ論じるよりも証拠を示すことで物事は明らかになるということを
論より証拠・・・といいますが、

2015年09月03日から3日間の安倍首相の動きには興味深いものが
あるのですね。そんな話が展開されてるのが、リテラの記事[こちら]の
この部分。

この3日間は安倍夫妻が非常に怪しげな動きを見せている。というのも、
 2015年9月3日に、安倍首相は国有地払い下げの“責任者”である当時の
 理財局長である迫田英典氏と面談。そして、翌日4日には国会をサボっ
 て大阪入りし読売テレビの『情報ライブ ミヤネ屋』に生出演したあと、
 冬柴鉄三・元公明党幹事長の次男の料理店「かき鐵」で食事。この日、
 一方では、小学校建設工事を請け負った設計会社所長ら森友学園関係者
 が近畿財務局を訪ね、近畿財務局の統括管理官と大阪航空局調査係と
 話し合いをおこなったことがわかっている。さらに5日には、昭恵夫人
 が森友学園の経営する塚本幼稚園で講演をおこない、その場で小学校の
 名誉校長に就任しているのだ。

さらには、そんな2015年9月3日〜5日の動きについての質問を昨日の
26日に民進党の増子輝彦議員からなされた安倍首相の、“あわてふためく”
とリテラで形容された様子です。 

さあ、はたして。首相は記事のとうりにあわてふためいているのか・否か。
ご判断するためには、まずはご視聴。→動画は こちら、28分前後に問
題のシーンがはじまります。


晴れ なんといっても 本日27日は 佐川さんの証人喚問。
  そんな喚問の内容にも関連するだけに、2015年の
  09月03日から3日間には興味津々なのであります。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜」​​






​​

春先に多おこるカルシウム欠乏への対処法。

2018-03-26 17:35:01 | Weblog

春先に多おこるカルシウム欠乏への対処法。K
ハウストマト栽培に限らず、ハウスキュウリ栽培やハウスピーマン
栽培において、気温が急上昇したあとの作物に水分が不足した場合
にあらわれることが多い現象として


 トマト尻腐れ.jpg

 キュウリ先端枯れ.jpg

 果実の尻グサレ症や、より重い症状の先端部分の褐変症

などに代表される 作物のカルシウム欠乏の症状 があります。そ
して この症状が現われることの多い時期としてあげられるのが

  天候が不安定
  日照時間が次第に長くなってくる
  気温、ひいては地温が急激に上昇することが多い 

といった春先のハウス内が乾燥しやすい4月の時期というわけです。

ある程度の尻グサレ症の果実の発生はしかたのないものですが、障害
果量が多くなりすぎたり、また作物の先端部分に褐変症が現れるよう
であれば、もちろん対策が必要になります。

ということで、対策としてまず考えられるのは

 ハウス内の土を乾燥しすぎないこと

が、大切になります。その方法ですが

  かん水の量を〔冬場よりも〕じょじょに増やしていく
  内カーテンを上げ下げして日射量を調整する
  遮光資材を利用する
  気温上昇による水の蒸散を避けるために、充分に換気をする

といった、こまめなハウス管理が なによりの乾燥防止対策となり、
ひいては カルシウムの欠乏症状の予防対策 となります。

また、気温の上昇とともに果実の太り具合もすこしづつ早くなって
くるわけですから、冬場よりも収穫の間隔をいくぶん短縮すること
も必要になってくるころでもありますね。

といったわけで、なんだか冬場よりも手がかかることになる春先の
ハウス管理です。 けれど厳寒期のなかで果実を成らしてきた“疲
れ”がみえる作物にとっては、栽培者の存在がなによりのお薬・・・
これからのハウス作終盤にかけての良品多収穫のためにも、ここは
こまめな管理をお願いいたします。

なんたって作物は、栽培者にとっての金のなる木 なのですものね。

次回はカルシウム欠乏が起こる原因とその対策を、土の面からより
掘り下げて考えてみたいとおもいます。


晴れ ハウス内の高温は、作物の花粉の品質や受粉にも影響します。
  35度を超えたときに受粉した果実は、奇形果や果実の肥大
  不良を招くともいわれていますよ。また受粉に活躍しくれる
  昆虫たちにとっても高温は大敵です。

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田植えは「虫のしらせ」で。

2018-03-23 17:56:23 | Weblog
田植えは「虫のしらせ」で。

例年であれば春分の日の前後から早期水稲の田植えをスタートされた
農家さんもおられたと思われますが、 そんな田植の時期の判断に
昆虫を活かすというおはなしになります。
なんといってもここ数年は天候が不順。夏のような陽気がきたかと思
えばまたまた冬に逆もどりといった無茶な天候 の連続ですものね。
ちなみに23日の宮崎の最低気温は4度前後。あちらこちらで“今朝は
霜がふっていた”なんて話もチラホラ。そしてこの寒さは来週はじめま
でつづきそうということであります。
ということで・・・せっかく育てた田のイネを“虫の息”にしないため
にも 田植えの時期は よくよく様子を みきわめましょう。というお話
になります。

 ↓

『収穫時のおコメの値段を考えれば早く田植をしたほうがよいのだが、
 田植えの時期が早過ぎると霜害を受ける可能性があり、そうなれば
 肝心のおコメの収穫時期や収穫量に影響を受けることにもなりかね
 ない・・・。はてさて、毎年毎年大きく変動する気象のなかで、田
 植えの時期を判断するのは、なかなかにむづかしいことであるな』

というところまでが、前回までのおはなしでした。そして今回は、そ
のような田植えの時期を決定する判断材料についてのおはなしとなり
ます。

そして そのはなしの結論ですが・・・

 その判断材料のひとつとして昆虫の存在

を利用するという手があります。

というのも、昆虫は気温の上昇とともに生命活動を開始するという性
質があるからです。たとえば日本に住む昆虫は〔もちろん種類によっ
て差はありますが
〕おおむね

 5度から10度でうごきだす〔姿をみせる

という性質がある。そんな虫たちの存在を田植えの時期の判断に活用
すればよい・・
つまり、水田のまわりに、ある種の昆虫が姿をみせてくれたら、それ
を田植えを開始しても良い時期だと判断するというわけです。

より具体的にいうならば、わたくしの判定材料に使う昆虫は、モンシ
ロチョウとキリギリスであり、たとえば

  田畑にモンシロチョウが舞い始めている
  予想より早く、孵化したてのキリギリスが田のまわりの草にいた

となると、田植えを急いでも霜害の心配はない・・・というふうに
気象を予想して、田植えを開始するするわけです。はんたいに、暖か
いように感じられたとしても

  越冬していたモンシロチョウの、舞う姿が見受けられない
  田のまわりの草に、孵化したてのキリギリスの姿がない

ということであれば、田植えの時期を先延ばしにします。

いじょう私論ではありますが、経営的に重要な意味を持つ早期水稲の
田植の時期を決定するには「虫のしらせ」を利用していますよという
おはなしでした。


晴れ 付け加えまして・・・キリギリスの餌となるカラスノエンドウが
  目立ち繁茂しはじめてから、キリギリスが孵化してまいります。
  ということで、このカラスノエンドウも、よき判断材料だといえ
  そうです[そうそうタケノコの育ちで判断される農家さんもおら
  れるようで
]。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染




活着の良い苗をつくる[早期水稲の苗編]。

2018-03-17 00:40:00 | Weblog
活着の良い苗をつくる[早期水稲の苗編]。

すでに田植えが終了したニュースも流れはじめた宮崎県。もっと
も一般的な田植えの最盛期は沿岸部で例年並みの3月下旬になる
とおもいますが、そんな早期水稲の苗管理の参考として、
毎年2月下旬に開催している早期水稲の栽培研修会 の研修要旨と
なりますが、ご参考までに。

 ↓

さて、本日の勉強会は 水稲育苗のはなしが中心であったのですが、
なかでも田植え後のスタートダッシュでつまづかないように「活着
のよい苗をつくる」という点を中心に 話をしますと・・・

そのような苗をつくるポイントとして大事なことが3つあります。

 1. 苗を徒長させない
 2. 苗に肥料切れをおこさない
 3. 苗の根の張りを良くする

といったことが挙げられます。そこでそれぞれの注意点について
の説明にかかりますと・・・

1番の徒長に関しては

 ■  播種量を多くしない
 ■  発芽が1cmになるまでに、シルバーをはがす
 ■  播種量を多くしすぎない
 ■  徒長気味の場合はアクセル2号の300倍を散布する

という点が大事になります。そのうえで、水のやり方と温度の温
度管理を的確にすることで苗の徒長を防ぎましょう。具体的には
緑化以後の昼間には、ハウスの肩をあけて通期を良くすることが
大切になります。

2番の肥料切れに関しては、本場が黄色くなる前の予防的な有機
液肥3号の追肥施用をおすすめします。

3番の苗の根の張りを良くするには、

 ■ シルバーを剥がした際には、かん水を1日だけ我慢する
 ■ 「マグホス細粒」の箱当たり30-40gの追肥

などをが効果的です。もちろん苗床の土にすでにマグホスをいれ
られている方も多いとは思いますが、そのような場合はアクセル
2号のかん水施用もおすすめです。

以上の3点の改善点を守られて、本年もがっしりとしたじょうぶ
な苗ができることを期待いたしております。


晴れ 早期米の田植えは3月中。田植え後に ときには田に
  氷が張ることもある
という無茶な/笑 コメづくりの
  作型についての おはなしは こちら 。

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