グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

これもまた極小プラスティックに!?

2019-02-26 18:50:32 | Weblog
これもまた極小プラスティックに!?

色合いとデザインが気にいって、5年ほど前に購入していた人工皮革の
スタジャン。本年の2月のはじめ知人を空港に迎えにいくときに、羽織
ってでかけたのはいいのですが・・・・

     

迎えにきた私を見て言った知人の第一声が、 “スリラーのビデオクリ
ップにでてくるみたいなゾンビなジャンパーになってるよ” っていう
もの。

あわてて脱いで見てみると


    
     

たしかにゾンビ。。

出かける前の羽織る前に確認して剥離がないのことを確認していただ
けに、唖然としてしまいました。

そう言われてみてば 急いでいたので気にする時間がなかったのだけ
れど、車から降りるときの座席のシートに 

 膜みたいな、粉みたいな、そんなちょっとした小片がいくつか

くっついてたっけ。空港までの1時間ほどの車の運転をしている動作
でボロボロと剥離が始まり、音もなく落下していった結果がいわゆる
コレなのか と合点がいった次第です。

ただし合点はいっても気節はまだ肌寒い2月のはじめ。かわりの衣類
も持ち合わせているはずもなく、空港から空港の駐車場の車までゾン
ビは移動しなければならなかったのですが・・・目ざとい方はやっぱ
り気がつかれたことと思います。

車にたどりつき、すぐに車内には乗らずに、まずはもっていたスーパ
ーのポリ袋にジャンバーを押し込み、帰宅の途に就いたのですが、こ
の行為は正解でした。というのも、剥離して落ちた車の座席についた
小片ズが、叩いたくらではなかなかとれない。むしろ はたくと、小
さく分解してますますくっついていく というやっかいさだったから。

結局は掃除機の出番と相成ったのですが、レベルの強で 吸い取って
やっととれるという頑固さでした[そんなに頑固ならなんで剥がれる
のってかんじでもありますが]。

で、あらためて人工皮革につい調べるとこの小片ズの正体は合成樹脂。

基本的に天然の布地を基材として合成樹脂を含浸または塗布したもの
と解説してあります。したがって結局のところはおおくくりでいえば
プラスチック。プラゴミといえばつついいペットボトルやプラスチッ
ク製のバケツ類、ポリ袋などを思い浮かべますが、人口皮革の経年劣
化で剥離していって極小となったものも、いわゆる極小プラスチック
のなかまにはいるのだろうなと、おもった次第です。

そして思いましたよ、小片ズが このまま環境に放出されて分解され
ていくとすると、動物プランクトンが餌となる植物プランクトンとま
ちがえて摂食することにもなっていくのだろうなと。最近では 人体
からも 極小プラスチックが発見されているというニュースが報道さ
れていますが[​こちら​]、食物連鎖がまわっていけば、さもありなん
と納得してもしまいますよね。

ちなみに こちらは

 
 

手の平部分に 滑り止めが施された 作業用の手袋。こちらも例に
もれず、ある程度の時間がたてば、滑り止めの部分に施されていた
合成樹脂がポロポロポロポロと剥離していきます。右下部分に粉状
となったそれ が あります。

ということで 今回は、 ポロポロになったジャンバーもたしかに
ホラーではあるのだが もっともっと分解がすすんでいくと、結局
は体内にまでプラスチックが侵入してしまうという真のホラーにな
ってしまうよ というおはなしでした。



晴れ [紫外線に気をつける意味で]なるべく日のたらない場所で、
  風通しもよろしかろう とハンガーに吊るして保管していた
  つもりでしたが、結局のところ 10回ほど着たところで寿命
  となってしまったジャンパー。色アイがに気にいっていただ
  けにもっとガンガンきとけばよかったといま後悔しています。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染




プラごみが獲れる魚よりも多くなる日。

2019-02-25 19:15:00 | Weblog
プラごみが獲れる魚よりも多くなる日。

次回分の参考として再掲載です。
2016年分ですが、よろかったら。



“海洋に投棄されるプラスチックごみの量は、少なくとも年間800万トン。
この現状が続くならば、海洋に漂うプラスチックごみの量は2025年まで
に魚3トンにつき1トンの比率にまで増え、2050年には魚の数を上回る”
という衝撃的なニュースが報道されたのは1月下旬。いわゆるダボス会議発
の問題提起でした。

 プラゴミ1 プラゴミ2

いわれてみれば、たしかにそうだなと思いましたよ。

海が荒れて波が高くなったがためにゴミが打ち上げられた時などは とくに、
流木や海藻などにまじって、たくさんのプラスチックごみが浜辺にうちあげ
られています。ダボス会議の発表したニュースを耳にしたとき、“さもありな
ん”と、まずはあの浜辺の光景が頭に浮かんだんですね。

しかし本当に憂慮すべき問題はこれから。じつは漂着するプラスチックごみ
よりも もっと怖い存在があった。それが「マイクロプラスチック」。そう、
砕けて微小にプラスチックごみです。これが海の生態系に大きく影響しはじ
めている・・・ということがわかってきた。たとえば海のなかであれば

 植物プランクトン → 動物プランクトン → 魚 → 哺乳類

という食物連鎖が存在するわけですが、その食物連鎖のしょっぱなのプラン
クトンの段階で、

 動物プランクトンが、マイクロプラスチックを食べてしまっている

ことがわかってきたのだそうです。まちがって食べちゃってるわけですね。
ということになれば、この動物プランクトンを魚が食べ、その魚を大型の生
き物が食べることで、海の生き物全体にマイクロプラスチック汚染が広がっ
ている可能性がある。もちろんその影響は、海だけにとどまらず、その魚を
食べている人類を含んだ地球全体の生態系に及んでいる可能性もある。

それだけではありません。プラスチックそのものに有害な物質が添加されて
いる場合もあります。また漂流するうちにプラスチックの表面に付着したさ
まざまな物質がマイクロプラスチックと同時に生き物の体内に入取り込まれ
る可能性もある。

さらには栄養不足の問題です。

光合成をおこなう植物プランクトンに必要な日光が、海のなかを漂う大量の
マイクロプラスチックにより妨げられ、うまく育たない可能性がある。加え
て動物プランクトンが[植物プランクトンとまちがえて]栄養のないマイク
ロプラスチックを食べて満腹になってしまえば、こちらの生育もおかしくな
らざるを得ない。もちろんそのあとの食物連鎖に支障がてて生態系のバラン
スがくずれるかもしれません。

うーん、こうなるともはや、ホラーですよね。
しかも超シリアスな。

こうなると、このWEF発表のこのニュースの重みです。“2050年には
魚の漁獲量よりもプラゴミが多くなる”事態を人類が確認することができるの
かどうかさえ危ぶまれそうな、そんなヘビイなニュースにも思えてきました
よ[ニュースは こちら]。

ということで、今回はみえるゴミはかたづけられる。けれど、見えない微細
なゴミはどうなるんだろうというおはなしでした。


晴れ 日本周辺を含むアジア地域にはとくに多いプラスチックゴミ。
  そんな海の汚染の実態を外交や軍事なども含めた幅広い分野
  から解説した新刊書が こちら、2015年Amazon販売賞に
  も選ばれた『海が教える人類の危機
です。
  著者の 原口策真さんは元海上自衛官であったというだけに、
  おすすめの一冊です。著者インタビューのページは こちら

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染




「芯どまり」に注意して作物を育てます。

2019-02-18 11:38:31 | Weblog
「芯どまり」に注意して作物を育てます。

身体づくりをしながら、花も確実に結実させていかねばならない
ハウス栽培においては、『元気よく育てておいて、お花が咲いた
り結実したりする時期に一時的に草勢を生殖成長に傾ける手助け
をすることが、作物を上手に栽培するコツ
』となります。そんな
はなしを過去分から。よろしかったらご参考に。
・・・体力切れになった時点でスパートかけても 厳寒期には
なかなか体力がのってきませんからねー。。

 ↓

『芯どまり」に注意してトマトを育てていきます。』

継続してご紹介している丸トマトですが、果実が本格的に収穫され
始める直前の状態になってまいりました。

この時点での生育の理想は、

 体づくりをしながら、花も確実に結実させていく

ということになります。

いちばん気をつけねばならないのは、草勢が極端に落ちてしまうと
いう、いわゆる「芯止まり」の状態におちいってしまうことです。
なんといっても、現時点でのハウスの外は真冬という厳しい状態で
すから、生育が停滞してしまわないように、元気に育てていきます。

ただし元気に育てるとはいっても、草勢が強すぎて花がつかなくな
っては困るので・・・・そのあたりの栄養生長と生殖成長の間のバ
ランスをとりながら育てていかねばならないという、ある意味栽培
者にとっての腕の見せどころ的な時期
となります。

そこで下の映像ですが・・・これが

 すこしばかり元気すぎて、一部結実しなかった花

のある ようすとなります。


 結実ならず.jpg


同じく こちら↓ は 結実しなかった花のある三段目の花房 。


 3段目の花とび.jpg


そして、こちら↓ が 第一花房の花房 となります。


 1段目の花とび.jpg


このような 花房のなかの一部の花が結実しない程度であるなら、
さほど心配はないのですが、

 花房の花全部が結実しないほどに草勢が強くなってしまった

などといった場合には、さすがに草勢を抑える対策が必要になり
ます。このような場合の対策の例としては、たとえば

 トマトに、苦土やマグネシウム・微量要素を供する

という方法がありますよ。

効き過ぎているチッソを、苦土やマグネシウム、そして微量要素
などの ミネラル分を与えることで、一時的に押さえる というわけです。

葉面散布であれば一週間に2回ほど施用すると、栄養成長に傾い
ている樹が落ち着いてまいりますよ。そんな場面におちいったと
きには、よろしかったらお試しくださいね〔多木化学のアクセル2号
を 私は使用しております
〕。

ということで今回は、

 元気よく育てておいて、お花が咲いたり結実したりする時期に
 一時的に草勢を生殖成長に傾ける手助けをすることが、作物を
 上手に栽培するコツ


だというおはなしでした。

ちなみに、このハウス内では、1・2・3段目の一部に結実しな
い花が見られた時点で、上記の葉面散布を実施されたのですが・・・
その後の4・5・6段の様子が、こちら ↓ となります。


ののののののののののののののの 花が くるように 調整.jpg


良い花が付き、花のとまる確率がいちだん高くなりました。


晴れ まずは、作物の生育をじっくり観察すること。そのうえで 自分
  なりに 小面積から試して、ちがいを確認して対策していく。
  ・・・これが栽培の醍醐味でもあります♪
  
51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg 「夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜







農業技術するには。

2019-02-15 18:53:39 | Weblog
農業技術するには。

大掛かりな施設がなくても工夫することで農業技術の習得は可能
です。そんなエンドレスなポリ鉢ガーデニングの話しとなります。
よろしかったら、ご参考に。。

 ↓

20年来、ポリ鉢で、育てているのは ラベンダー。

四季咲き性のピナータやデンタータに加え、イングリッシュ系に
エストカス系などを育てています。

作り方ですが・・・
3センチのペーパーポットで作る挿し木から始まり、順番に

 5センチ →9センチ →12センチ →18センチ

ときて、最終的には21センチの大鉢へと育てあげていきますよ。

このやり方って、書くとじつに面倒そうですが、慣れると意外に
簡単にできるんです。たとえば こんな具合に・・


 ポリ鉢ガーデニング.jpg


 小さい鉢をひとまわり大きい鉢にいれ、まわりに新しい土
 ↓ 
 「根がはってきたな」と思ったら、その鉢の底に新しい土を
 いれます。かさ上げするわけですね。
 ↓
 土をいれた鉢の底面部に根が張ってきたら、もうひとまわり
 大きい鉢にいれ、まわりに新しい土いれる。
 ↓
 鉢をひとまわり大きい鉢にいれ、まわりに新しい土
 

というぐあいに育ててゆくわけです〔3センチから21センチまで
1サイクルで2年以上かかる場合もありますよ
〕。

最終的に21センチに育ちあがったときですが ・・・その時は
お花の時期であれば、お花好きな方への贈り物にもできますし、
お庭の片隅にでも植えておけば、挿し木用の苗を取るのに利用
できます。

ということで、挿し木から大鉢、そしてまた挿し木から始まると
いう、連続式のポリ鉢ガーデニングのおはなしでした。


晴れ 鉢やプランターを使っての、工夫しながらのお花作りは、
  農業技術の習得にもってこいです。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg 「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染




豚コレラ。感染拡大防止に大切なのは排せつ物処理。

2019-02-09 19:11:43 | Weblog
豚コレラ。感染拡大防止に大切なのは排せつ物処理。

農水省の豚コレラのページには、このウイルスがおこす豚コレラと
いう伝染病について

・豚コレラウイルスにより起こる豚、いのししの熱性伝染病で
 強い伝染力と高い致死率が特徴。
・感染豚は 唾液、涙、糞尿中にウイルスを排泄し、感染豚や
 汚染物品等との接触等により感染が拡大する。
・治療法は無く、発生した場合の家畜業界への影響が甚大であ
 ることから、家畜伝染病予防法の中で家畜伝染病に指定され
 ている。

と説明されていますが、

この説明になされているように、これ以上の感染拡大を防止する
には、なんといっても ウイルスを含んでいるかもしれない糞尿
の処理が大事になります。
ということで感染病の拡大が止まらぬ場合の、感染拡大防止の基
本ともいえるふん尿処理についての対策はつぎのようになります。

 ↓

更なる拡大防止策とし効果的だと考えられるのは、排せつ物処理
を適切に行う
ということ。これに尽きると思います。
具体的には

 ■ ふん尿をたい肥化する場合には、よく完熟させる
 ■ 発酵温度が十分に上がっているかどうかを、よく確認する
 ■ たい肥化の済んだものと、新しいふん便とを混ぜない
 ■ たい肥と、飼育豚を離す
 ■ たい肥と野生動物が接触しないように管理する

といった対策をとることが肝要です。さらに上記の個体分とは別
に、液体分についての注意点として、 通常時の塩素消毒処理や 
ばっ気処理ではウイルスが不活性化していない可能性も考えられ
ることから

 ■ できれば、液体分を肥料として散布しない
 ■ やむをえず用いる場合は、ほかの養豚場の近くで使用しない
 ■ やむをえず用いる場合は、流水の近くでは散布しない
 ■ やむをえず用いる場合は、道路の近くでは使用ない

といった対策が有効だと考えられます。

いったことで今回は、全国に広がりつつある豚の伝染病である豚
コレラの簡易拡大防止対策についてのおはなしでした。ちなみに
今回の豚コレラの発生の経緯はつぎのようなものとなりますが、



じつは昨年の10月下旬ころからすでにふん尿の処理についての
地元の苦労と苦脳が報道されていた経緯があります。
12月01日の報道された新聞記事の抜粋には『同公園に併設す
る堆肥センターの運営自粛を一日に解除するほか、一例目が発生
した養豚場が堆肥を搬入していたJAぎふ堆肥センターについて
も、二日に運営自粛を解除する方針を決めた。』と、ありますね。


晴れ 頭隠して尻隠さず・・・ということわざがありますが、
  感染拡大防止にはなんといっても尻も隠すことが大切だ
  というおはなしですね。ちなみにやはりふん尿中のウイ
  ルスによって感染が拡大していったと考えられる口蹄疫
  や鳥インフルエンザのケースはこちら

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「 本当は危ない有機野菜 」​​