グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

優れた農業経営者っていったい。

2011-07-04 15:50:20 | Weblog
優れた農業経営者っていったい。

もちろん日本の“強い”農業を展開する側、つまり外国人研修生を雇用す
る側にも言い分はあります。 強い日本の農業については こちら。
代表的な意見は、つぎのようなもの。

最低賃金ぎりぎりの給与、納期間近の残業や休日出勤。実習生と同じ条
 件で求人を出しても応募する日本人はほとんどいない。

日本の法にのっとって、実習生を雇い、規模を広げてきた。実習生の受
 入れを辞めるという理由はない。1人でも増やして元の規模に戻したい


たしかに、そのとおり。こういった意見は法的にはなんら問題はないの
です。 日本の農業の現状では日本人を雇えないは こちら 。

そこでですが・・・
では、現在は良いとしても、将来的に法的に問題がでてきた場合はどうで
しょう
。じつは 国際的には、日本の外国人研修生制度についての、この
ような国際世論があるのです。たとえばこれは・・・米国務省による批判です。

米国務省は27日、世界各国の人身売買の実態をまとめた年次報告書を
 発表、 この中で日本について、外国人研修生制度に人身売買に近い実
 態が見られるなどとし、7年連続で「人身売買根絶の最低基準を満たさ
 ない国」(4段階中の上から2番目)に分類した。
 報告書は、中国や東南アジアなどの出身者が日本企業で技術を身につけ
 る「外国人研修・技能実習制度」について、賃金不払いや長時間労働、
 旅券を預かって移動を制限するなどの問題点があると指摘。暴力団組織
 が性風俗産業で外国人女性を働かせる例も取り上げ、日本政府による取
 り組みが不足していると指摘した。


というもの。これは6月28日付けの新聞各紙で伝えられた米国発のニュ
ースとなります。

外圧に弱い国、日本であるのは誰しもご存知のとおり。このような外国に
よる、外国人研修生制度そのものに対する非難が年々強まっていくであろ
う中で、この制度は未来永劫に渡って継続されていく保証はあるものなの
でしょうか。
“強い”農業を展開する側が、この制度をこれまで通りに活用してういっ
たところ、ある日突然に制度の存続が危ぶまれる事態が発生するなどとい
ったことは、ありませんでしょうか。

心配になるのは、その点なのです。

さらに、もうひとつ、外国人研修生制度を見直して欲しいと強く思う理由
があります。それは農業という産業に携っている一人としての、過去の記
憶があるからです。 こちら や こちら のような事件は、研修生にも、
そして雇用者にとっても、今後おこってほしくない“不幸”そのものだか
らです。

こういった悲劇が繰り返すのを防ぐためにも、どうにか方法はないものな
のかと思うのです〔国内の新規就農希望者を活用するわけにはいかないも
のなのでしょうか
〕。


 ▼ 赤字をだしてでも、というのは言いすぎですが、
  多少無理してでも日本人の就農希望者を雇っている法人を評価してあ
  げたい
なとおもうんです。そういった法人が、真に“すぐれた農業法人”
  ではないのでしょうか。

 「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染





本当に強いの?日本農業の現実。

2011-07-04 11:29:40 | Weblog
 本当に強いの?日本農業の現実。

「雇いたくても日本の若者を雇えないという農業の現実 」と題して、2月に
お伝えしていた回の内容を実証するニュースが報道されました。

ニュースはつぎのように。

■ 6月27日 朝日新聞  

『来なければパニック』 農家 最悪なら規模半減

震災後、原発事故の影響を恐れて、中国人実習生が帰国してしまったため、
労働力がなくなったという現実。農業も例外ではない。
中略・・・農業算出額が全国2位の茨城県には、農業の外国人実習生が約
6千人
。多くは中国人で、鉾田市では約2千人のうち震災で約400人が
帰国した。JAかしまなだ〔鉾田市〕では、代替としてシルバー人材や被
災者の雇用も検討したが、勤務条件や住居確保の問題で難しい面があった
という。
 

実習生問題.jpg 農家も同じ.jpg

と、いうものです。

安い国外の農業労働力をつかわねば成り立たなくなっている日本農業
一面を象徴するニュースではありませんか。

また、そのような農業を展開する農業者を、“優れた農業経営者”として
取り上げがちなマスコミのあり方
にも、なんだか割り切れない感情を抱い
てしまうのです。

そしてここからは、研修生や実習生を雇わねばならないことを、頭では理
解したうえでの、筋を違えた ぼやき になります・・・ 。


実に惜しいですよね。これらの研修・実習生が日本の若者でないことが。
できうるのであれば、雇用されるものが、ここ数年続いている農業就農の
波に乗った日本の若者達であったらいいのにと、思わずにはいられません。

そして思うんですよ。

 農家に生まれたというだけで、雇用者の立場に立てる農業後継者 
  ↑ ↓
 そして農家に生まれなかったというだけのことで、例え充分に能力があっ
 たとしても、どんなに農業を愛しているとしても雇用される側に立たされ
 てしまう農業就農希望者


この大いなる立場の違いって、いったいなんなのでしょうね、まったく。

この部分をしっかりと考え直さない限り、日本農業には明日は無いと、
おもわずにはおられません。


▼ 農家のこせがれ なんてとんでもない。
  就農に関する限りは“農家のおぼっちゃまん”でしょう、現実は。。

夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染









「雇いたくても日本の若者を雇えない」という農業の現実

2011-07-01 17:05:26 | Weblog
「雇いたくても日本の若者を雇えない」という農業の現実


 ● 2月の記事ですが、参考資料として再掲載です。

早春の午前7時前の畑で、飛び交う中国語・・・たった今収穫され、
ダンボールに入れられたキャベツの収穫風景です。集荷業者の指示に
よって働いている中国人の若者達によって、キャベツの箱は、次々に
畑の脇に停められた大型トラックの荷台へと詰め込まれます。

・・・と、農業生産県の農村地帯でこのような光景を見かけるのは、
いまや珍しい事ではなくなりました。農業研修・実習生として働く中
国人の若者達は、現在の日本の農業にとって、無くてはならない重要
な存在なのです〔全国で農業に従事する外国人研修・実習生の数は合
計で約1万人にも上るとされています〕。

農業部門での、彼ら・彼女らの従来の受け入れ先としては施設栽培や
畜産関係が多かったのですが、2005年以降はキャベツやハクサイ
といった葉もの重量野菜や、ホウレンソウ・水菜といった軽量野菜で
の受け入れ先が多くなってきたように思えます。

実に惜しいですよね。これらの研修・実習生が日本の若者でないこと
。できることなら、ここ数年続いている農業就農の波に乗った日本
の若者達であったらいいのに
と、思わずにはいられません。

しかし、現行の農産物価格からいえば、『外国人実習・研修生の賃金
を払うのが精一杯
』といった、雇用する農家側の都合もあります。
「安い外国人労働力のおかげで日本の農業が産業として成り立ってい
る」こと、「彼らの存在がなかったとすれば今以上に耕作放棄地が広
がっている」だろうこと・・・それもまた、日本農業の一面なのです。

 参考資料・研修を受け入れる側にとっては、外国人研修生・実習生
 へ支払う報酬の安さも大きな魅力。ちなみに報酬ですが、研修生の
 場合は手当てとして月6万円程度、実習生は最低賃金を守った基本
 給から社会保険料などを引いた月7万円程度とされる。


 参考資料・外国人農業研修・実習生が多い地域の例としては、たと
 えば 茨城県A村が挙げられます。A村では主として軽量野菜の生
 産に、2009年1月現在で248人の中国人研修・実習生を受け
 入れています。また大規模なレタス栽培で知られる長野県K村では、
 700人以上の中国人研修・実習生が毎年半年間程度滞在するのが
 恒例となっています。



▼ “じつは強い”という見かたをする人もではじめた日本農業ですが、
  それって 実習生の給料の搾取で成り立っているケースを いっている
  のではないのでしょうか。そんな気がします。

夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染