脳脊髄液減少症患者のつぶやき、「とりあえず、生きてみよか・・・。」

過去から現在へ、脳脊髄液減少症、体験克服記。

味覚障害

2006年08月23日 | 症状の説明
今日は暦の上で「処暑」だそうです。
暑さが峠を越えるころだそうですが、
朝から日も出て、気温も上がりムシムシしています。
でも体調は昨日より、良く体が楽です。
起きていられます。
朝はいつもなかなか動けないのですが、体が動きやすい感じがします。

さて、今日は味覚についてお話します。

味がわからない時があります。
ふだんは味がわかっていないことに気づきません。

みんなが「おいしい」というのに
「そうかな?おいしくないなぁ。」
みんなが「ちょうどいい味」というのに
「そうかな?味うすくない?」
という程度。

ただ、同じ既製商品やお店の同じ料理など
味が一定していると思われる食べ物で
以前記憶した味と、あきらかに違う味に感じた時だけ

「あれ?」とその違いに気づきます。

甘い、辛い、酸っぱい、塩からい、苦い。
味覚は人間にとって
身を守る大切な感覚でもあります。

「いつもと味が違う」、「味が変わっている」、などの感覚。
それで、人は「食物の経時的変化や異常」、「異物の混入」、
「食用と食用でないもの」などを
とっさに判断したりします。

人が
まずかったり、変な味がしたり、苦かったりした時
とっさに吐き出したりするのは、
本能的に命を守るための手段なのでしょう。

しかし、味覚が衰えると、食事の楽しみがなくなるばかりではなく、
そういう身を守る本能が衰えてしまうようにも思います。

味がぼやけ、薄く感じ何を食べても、インパクトに欠ける味付けで
「おいしい」と感じない時があります。
でも、亜鉛不足からくる普通の味覚障害や
歯科や口腔外科領域の味覚障害と違うのは

いつもそうではなく、症状は強かったり、弱まったり、
消えたり、また現れたりと
他の「脳脊髄液減少症」の症状と同じように
日によって波があることです。

でも、こんな症状は、本人が味を感じていなくても、
周囲には関係ないことですし、他人にはわからないし、

味がわからなくても本人が食べてさえいれば、餓死することもないし、
安全な食流通や冷蔵庫のある現代の生活では
味覚が鈍いからといって生命の危険もなく、
得に治療の対象になる症状ではないようです。

入院中、
病院の食事の味が異常に薄く感じ、
「味がうすく感じてわからない」と
看護師さんに伝えてみましたが

「病院の味付けは薄いから。」で終わってしまいました。

たぶん、
この病の一症状としての認識がなく、
医師にも私の訴えは伝わっていないことでしょう。

でも、当の本人は食事がおもしろくなく楽しさが半減し、
けっこうつらいものです。
まさに「人生の質」の低下です。

考えてみてください。
食感はわかっても味や香りがわからない感覚を。

たとえて言うなら、
大根とりんごとジャガイモをかじった時
本来味がまったく違うけれど、味がぼやけているために
食感がガリガリサクサクと似ていて
同じように感じてしまう感覚かな。

大好きないちごシェイクも
いちごの香りも味も甘さもミルクの味も感じず、
いちごの種のつぶつぶだけは感じるけれど
まるで水でうすめた牛乳を飲んでいるように
感じた時もありました。

特に、甘さとしょっぱさが鈍くなる感じです。

ところが、最近、回復して味覚がもどったのかと
感じるできごとがありました。

先日、とある既製品を口にして驚きました。
家族がいつも「おいしい」と言っていたもので
わたしはそうは感じなかったものです。
でも、今回8月20日に食べた時「えっ~。前からこんな味だった?」
と驚きました。

私が以前食べた時記憶した味とまったく違っていたのです。
以前と違って味が生き生きと感じ、「おいしく」感じたのです。

びっくりしました。
既製品なので、味付けが変わったとは思えません。
病気の回復とともに味覚が戻って繊細になってきたとしか思えません。
感動しました。
しらなかった。こんなにおいしい味だったのかと。

とすると、こんな味覚障害の人においしい商品を
「まずい」と評価されたり、クレームつけられたりしたら
お店も企業もたまりません.

料理人の方が「脳脊髄液減少症」の味覚障害になってしまったら、
健康なときに覚えた感だけで味付けしなければなりませんから、
仕事にならず、死活問題でしょう。
それ以前に、「立っていられない。」症状で仕事にならないかもしれませんが。

味覚も脳が感じます。
脳が調子悪い状態に置かれたら、
味も感じにくくなるのだと思います。

この事実は医師だけでなく、
歯科医師の方がたにもぜひ知っていただきたいと
思います。
歯科医師の方がたも、
どうかこの病気の研究と治療にお力をお貸しください。
お願いします。

私はこの病気の経過が長いので
「脳脊髄液減少症」という病の症状の
「多彩なメニュー」のフルコースを味わってしまった感じです。

順次、この「症状フルコースメニュー」をご紹介します。

経過の短い方には現れない
体験しない症状かもしれません。

だまっていれば普通の人に見える私。

今まで我慢し、だまっていたものが
一気にあふれ出しそうです。

普段あたりまえに感じている「味」ですが
味覚とは
繊細で、ありがたい感覚です。

味覚障害のない方がたも
食べているとき、
「脳で感じる」このありがたい感覚を
ちょっとだけ意識してみてください。




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