脳脊髄液減少症患者のつぶやき、「とりあえず、生きてみよか・・・。」

過去から現在へ、脳脊髄液減少症、体験克服記。

夏まつり

2006年08月20日 | 小さな幸せ
夏の夕暮れ
ゆうやけの入道雲

ひぐらしぜみの鳴き声

遠くから聞こえてくる
夏祭りの太鼓と歌声

お祭りで最後に踊ったのは
いつのことでしょう。

幼いころ浴衣をきて
祖父に背負われて行った夏祭り
背中で聞いた和太鼓のリズム

幸せだった幼いころの夏を
思い出させる
大人になっても私が大好きな
和太鼓のリズム

ウキウキと身も心も躍りだす
大好きなあの音と抑揚のあるリズム

ゆかたを着て、踊りの輪に入って
疲れはてるまで踊ってみたい

「踊り続ける」ということは
立ち続け、歩き続け
手足を自由に動かし続けるということ。

健康な人が
当たり前に行っていることが
今の私にはできないのです。

見た目ではとうてい病人には見えない私。

でも、全身のだるさと脱力と
手足の動かしずらさと力の伝わりずらさ
体を起こしていると呼吸も心臓も苦しくなる
本人にしかわからない症状で

踊ることはおろか
座っていることも、立っていることもつらいのです。

最近、少しずつ回復し、
短い時間なら座っていられるようになりました。
横になっている時間も短くなってきたので

家族に車で祭会場の近くまで連れていってもらいました。
祭のちょうちんの光が近づいてきて、

やがて、車窓から流れこんでくる屋台の焼きそばの香り、
屋台の、裸電球のオレンジの光と発電機の音
人々のざわめき、笑い声

五感は衰えているけれど
視覚と嗅覚と聴覚で
ささやかでも「日本の夏まつり」を感じるひととき

幸せそうな人々を見ても
いつもの、悔しさ、悲しさ、怒りはなく

昨年にくらべ、
こうして遠くからでも夏祭りを感じられた今年の夏に
穏やかな気持ちで、
喜びを感じています。

回復しつつあり、気持ちにも良い変化が出てきたのかもしれません。

日本の夏も、もうすぐ終わり。

残りわずかな
過ぎ行く夏を
可能な限り、たくさん感じたい。

夏が終わる前に
せめて、気力と体力をふりしぼって
しまいこんだゆかたでも引っ張りだして

数年ぶりに袖を通してみましょうか。





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