goo blog サービス終了のお知らせ 

進化する魂

フリートーク
AKB48が中心。
気の赴くままに妄想をフル活用して語ります。

AKB48という破壊的イノベーション 第1話 ~モーニング娘。~

2010-07-29 12:46:59 | AKB48
昨日は時間があったので、ひたすらAKB48について考えていた。
人気の秘密について考えていたら夜眠れなくなってしまって、そのまま朝を迎えてしまった。
おかげで朝の通勤電車で激しい腹痛を感じて途中下車という最低な事態を招いてしまったが、
しかし、なんとかありきたりではあるが個人的な答えを見つけることができた。

まず、始めに言っておくが私はAKB48のファンでもなければ、最近までメンバーの名前も知らなかった。
巷では人気があるらしいが、私もずいぶんと歳をとってしまって周囲に若い人がおらず、
体感温度としてAKB48の人気を感じることはできていない。
つい数週間前まで歌を聴いたこともなかった。
伝え聞く話とTVとインターネットの情報から人気があると考えているだけだ。

でも、実際に人気があると思う。
人気が出る要素を持っており、それは人々が欲してやまない要素でもあるからだ。
そして、それは政治を語る上で欠かせない要素でもある。


人気の理由について語る前に、そもそも、なぜ私がAKB48に強烈な関心を持っているのかを説明したい。
それは、たまたま先週の金曜日にSMAP中居くんの番組に出演していたゴマキを見たところから始まる。

今から10年ほど前だろうか、モーニング娘。に新メンバーとしてゴマキが加わると同時に発売された「ラブマシーン」は日本に衝撃を与えた。
見たものに与えるなんとも言えない違和感と高揚感。
そして、失われた10年の中で日本を覆っていた閉塞感を打ち破ってしまうような"勢い"だ。
「モーニング娘。」というグループ名からして奇をてらっているわけだが、「ラブマシーン」のインスピレーションは実に斬新で画期的だった。
人々が持つ凝り固まっていたアイドル像やエンターテイメントのイメージを、常識を破壊した。
エンターテイメント界に起きた破壊的イノベーションの匂いがした。

当時、人々は生活が豊かになるとともに、上質のエンターテイメントを求め彷徨っていた。
近代社会の必然として、人々は「生きるために必要な何か」ではなく、「生きていくために必要な何か」を求めるようになる。
エンターテイメント界は、そんな欲求に答えるべくして努力をした。
人々のより高度な要求に答えるべく、様々な試行錯誤が行われ、歌手やアイドルにもより高いハードルが設定されていた。
しかし、人間の物理的制約の変化速度は、人間の思考の変化速度よりも遅い。
エンターテイメント界は、留まることを知らない欲求に答えることができず、人々の心はとりわけマス・エンターテイメントから離れていった。
まるで、高度に発達したはずの現代科学をもってしても、今日的問題を解決できないように。

そこに颯爽と現れたのがモーニング娘。だった。

モーニング娘。は素人の集団で、メンバーもスタッフも、あらゆることが未完成で、従来のアイドル基準に照らし合わると多くの点で満たないものだった。
メンバー1人ひとりを見ると、到底ソロでは売り出せないレベルだったのでる。

だが、モーニング娘。は売れた。
そのふざけた名前からしても、誰もが一発屋で終わること前提のグループだと考えたが、デビュー後も売れ続けた。

人々は、高級路線のエンターテイメントに疲れ切っていたのだ。
毎日、高級料亭や三ツ星のフレンチで食事をし続けていたら、たまにはラーメン屋や牛丼、カレーなんかが食べたくなるだろう。
モーニング娘。は下位市場に照準を定めた新しいビジネスだったのだ。
しかし、初めは誰もがモーニング娘。をとるに足らない一過性の現象と決め付けていた。
だが、結局は多くの人々がモーニング娘。を選んだ。
人々は創られた既存のアイドルにはもう満足できなくなっていた。
リアルを求めていたのだ。
モーニング娘。は素人の女子がアイドルになっていく過程すらオープンにし、多くのリアルを提供したのだ。
パラダイムが変っていた。

そこに現れたのがゴマキであり、ラブマシーンであった。
一度見たら虜になる違和感と失笑と斬新さと軽蔑と、数多の感情とともに、既存パラダイムを破壊した。

その後、モーニング娘。を真似した後続者が多く現れたが、モーニング娘。は先行者としての優位を守った。
だが、モーニング娘。は下位市場から上位市場へと移行する中で、多くの点でビジネスモデル的な観点で失敗をした。
「創造、発展、維持」という3段階でいうならば、創造は巧く行ったが、発展の段階で失敗を埋め込み、維持の段階では失速に変った。
失敗点は多くあるが、中でも2つ大きな原因がある。

1つは、「つんくの存在」だ。
モーニング娘。のメンバーはつんくに決定権があった。
消費者がつんくの用意したメニューに満足するかどうかは、つんくの能力に依存した問題だ。
結局、モーニング娘。は創設したつんくの能力を超える存在にはなれなかった。

もう一つは、「イノベーションのジレンマ」である。
立ち上げ時と、発展期では、求めるものが変る。
モーニング娘。は下位市場から上位市場へと移行して、行き場を失ったのだ。
メンバーは、その時々のモーニング娘。に足りていないモノを持つ者が選ばれたし、今のモーニング娘。モデルを発展させるであろう人物が選ばれた。
懸命な判断であろう。
だが、それがモーニング娘。にとっては命取りになった。
結局、上位市場に合わせてアイドル化されてしまい、下位市場を手中に収めた時のような戦略がとれなくなっていたのだ。

モーニング娘。は失速し、そして事実上破綻した。

そして、今、AKB48という破壊的イノベーションがまた起きた。

ようやく本題である。

AKB48は、このモーニング娘。の問題をよく研究されてできたグループなのだと読み取ることができるのだ。
考えれば考えるほど、AKB48というプラットフォームは、非常に念密にビジネスモデルが練られている。
これは、只者ではないビジネスマンが考えたエンターテイメント・ビジネスモデルなのである。

疲れたので続きはまた・・・


最新の画像もっと見る

9 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (なる)
2010-11-13 18:53:50
ハア?何バカなこといってんの?

モー娘がうまくいってるけど後に破綻してしまったというのなら、AKBは最初から破綻してるじゃん。

CDが百万枚売れたとしたら、付属の握手券をさばきに百万人のファンが殺到するってことだよね?

一万人の会場を百回分、押さえなくちゃならないってことだよね?



どこでCDの増産ぶんの儲けを出すの?

十倍売れてもコストは十倍に跳ね上がるし、一億枚うれたら百万枚の百倍のコストがかかる。

握手券ではなく、客が純粋にコンサートチケットを買って地道に集客できているモー娘のほうが破綻してないじゃん。
返信する
費用対効果ですね (advanced_future)
2010-11-16 00:35:15
>なるさん
コメントありがとうございます。
すみません、コメント気づくのが遅くて返信が遅れました。

なるほど。
AKBの方がコストが高いというご指摘ですね。

費用対効果の適正値は業界や分野、また時代とともに変わるものだと思います。
売上げや利益を上げるためにコストをかけること自体は一般的な行為ですから、AKBのビジネスモデルが破綻しているというからには、AKBのビジネスでは効果が費用を下回っていないといけないですね。

時間がなくて深く考える事ができていないのですが、私には「最初から破綻している」ということの意味が理解できていません。
長期的なお話をされているのかもしれませんが、今の私には2年先も読めてません。
ご教授頂けると助かります。

また、この手の議論の場合、モーニング娘が地道かどうかは関係がなく、単にモーニング娘のビジネスが既に収穫逓減していて、コストをかけても利益を得られないということを端的に表しているに過ぎないと思います。

それに、これは質問なのですが、実際にCDが100万枚売れましたが、1万人の会場を100回押さえなくてはならない状況が生まれているのでしょうか。

10倍売れてコストが10倍なのだとしたらビジネスモデルとして失敗していると思いますが、そういう現象が観測できているのか、情報がなくてわかりません。

総じて、なるさんは規模拡張性に対する疑念を提示されていると考えています。
それも考え方の一つとしてあると思います。

私の関心としては、AKBは100万枚セールス後の次のStepをどう考えているかです。
AKB自身がどんどん変わることを要求されていくはず。
AKBの本当のプラットフォーム化はこれからなのです。
ここでの舵取りを失敗すると、2~3年後に没落していく可能性も高いと勝手に思っています。
これは未知の領域で、今後のいい教材になると思っています。

またコメント頂けると嬉しいです。
よろしくお願い致します。
返信する
Unknown (なる)
2010-11-26 03:09:54
返信いたします

AKBの凋落は二三年後なんて悠長なことは言ってられません。下手すると次のCDで凋落するでしょう。

なぜならAKBがいまよりも売れてしまえば、”会いにいけないアイドル”となってしまうからです。

アイドル個人の肉体的負担をこれ以上増やさないという戦略(=握手に取り掛かる時間を売れても売れなくても一定とする)をとると、CDが百倍売れれば、一枚の握手券によって一人のアイドルと握手できる時間は百分の一となってしまい、AKBの新曲のCDの価値が百分の一になってしまいます。

一枚買っても好きな子と0.01秒しか握手できないCDなど、ばからしくてファンは誰も買わなくなるでしょう。

かといって彼女たちの歌はくだらないので、握手券をつけず、純粋に楽曲で勝負することはできません。

握手でしか売れないという時点で、AKBは詰んでいるのです。
返信する
Unknown (つづき)
2010-11-26 03:16:21
もしCDの価値を減じることをやめ、売れてないときと同じような濃密な握手を、売れた後にも続けるとAKBの子たちが決心したなら、彼女たちは24時間かけて数年間、ずっと握手をしなくてはならなくなるでしょう。これでは歌の練習の時間がとれません。

秋元さんはいいましたよね?AKBは芸能界の次のステップへいく経過点だと。

質問します

練習もしないで、いつ次のステップにたどりつけるのですか?

握手会に忙殺されてりゃ練習はできませんよ?歌手や女優で大成できませんよ?

でも握手会の密度を減らしてその分練習時間をとったら、誰もCDを買いたがらなくなって、CD売り上げは減りますよ?

握手をせずに売り上げを伸ばそうとして、楽曲のよさで勝負しようとしても、握手会ばっかりしてレッスンできていなかったら歌が下手糞なんだから誰も買いませんよ?

AKBって、詰んでませんか?
返信する
Unknown (Unknown)
2010-11-26 03:26:11
逆にモー娘はまったく詰んでいません。

極端な話、五億しか売れなかったら
三億しか金をかけなければ二億儲けが出ます。

握手会で時間を取られる必要がないので
すきなだけレッスンができます。
知名度は十年前に稼ぎきっているので
道重以外はテレビに出て顔を売る必要もありません。
そのためステージパフォーマンスのレベルが
落ちないのでコンサートの集客も落ちません。
口パクをしないのでそのつど歌い方が異なり
ファンが飽きないのでリピーターが増えます。

ハロプロとは、破綻するまでは、とりあえず
黒字が出続ける機械といえます。
返信する
ビジネスのお話 (advanced_future)
2010-12-03 20:47:53
>なるさん
再コメントありがとうございます。
そして返信が遅くなってすみません。

観点の違いを感じています。

なるさんがなぜCD販売にこだわるのかわかりませんが、
AKBビジネスにとって、CDの販売は数あるうちの1つの項目でしかないと思います。

仮に握手権が彼女達に肉体的な負担をかけ、
それがAKBのビジネスを破綻させる要因になるのであれば
AKB側がビジネス判断で抑制をかければよいだけです。
破綻するまでCDを売らなければならない理由がわかりません。
事業をやる者であれば費用対効果を考慮するのは当然であり、
何と競争するわけでもなく利益を削って売り上げを伸ばす強い理由があるとは思えません。

次に、私はAKB48というのは人ではなくて、プラットフォームだと思っています。
AKB48というプラットフォームを活かせる者はステップアップしていくでしょう。
AKB48として会いにいければよいのです。
人気の出た者が歌番組やドラマ、ミュージカルに出るのは有効なメディア戦略です。

逆に質問ですが、ユーザにとって品質というのは何によって決まるものですか。
楽曲がよければ、歌が上手であれば、CDが売れるのでしょうか。
ユーザ体験価値は、何によって決まるとお考えでしょうか。

最後のモー娘のお話は費用対効果のお話をされていると思います。
前回のコメントで述べたとおり、
みな、どれだけ掛けたらどれだけ得られるか、
という観点でバランスをとっているのだと思います。

なるさんがステージパフォーマンスの出来について主張されるお気持ちはわかりますが、
それはなるさんの価値観であって、さきほど述べたユーザ体験価値の観点からすると
万人に通用するものでもないと思います。

よろしくお願いいたいます。
返信する
Unknown (なる)
2010-12-22 01:18:13
あのね・・・

AKBは握手しなくちゃCDが売れないの!
曲がいいから客が買ってるんじゃないんだもの。
だから握手は永久にやめらんないんだよ。
AKBが握手の負担を抑制したらあっというまに
CDの売り上げが落ちる。落ちたら作曲家を雇えなくなるし
豪華なPVも撮れなくなる、メンバーの給料もまかなえなくなって、
結局、AKBは維持できなくなる
返信する
Unknown (つづき)
2010-12-22 01:20:43
それにAKBにとって、CD販売はすべてだよ。
テレビでてるのも握手してるのもCDをたくさん売るため。

他で儲けを出すことは不可能。
だって下手糞なんだもの。
ライブは赤字、握手会も赤字
黒字になるように料金を高く設定すると客がこなくなる。
返信する
ビジネスの観点から (advanced_future)
2010-12-28 23:17:41
>なるさん
コメントありがとうございます。
そして、今回もお返事が遅くなりまして申し訳ありません。

財務諸表を見ているわけではないので確かなことは言えませんが、
(AKBという会社があるわけではありませんので、"AKBビジネス"を連結で見る術がそもそもあるのか知りませんが)
AKBビジネスがCDの売上げに依存しているというのは通常考えられません。
100万枚売ったところで

1,000円 * 100万枚 = 10億円

でしかありません。
グッズや権利収入が非常に重要になってきます。
今の日本で200万枚、300万枚と販売できる可能性は低いですから、
当事者にとってみると、CD販売ビジネスそのものは
既にピークアウトしてしまった魅力のない市場でしかないのです。

一方で、CD販売そのものに価値が全くなくなってしまったかといえば、そうでもありません。
CD販売の持っている力を利用しない手はないからです。

例えば、AKBのビジネス担当者として考えなければならないことには、
AKB48が売れ筋アイドルかどうかを世の中に認識させるために、どういう手段が有り得るのか。
また、どういう形でのプロモーションが最も効果的か。
などを考えていく必要がありますが、CD販売は非常に有用な手だと考えるのではありませんか。

ここで講義をはじめても仕方ないので結論を急ぐ形になってしまいますが、
AKBにとってCD販売は先行投資なのです。
それ自体はAKBビジネス全体を表すものではないが、
しかし、AKBビジネスのキーとなっているものである。
といえるのではないでしょうか。

そういう観点で考えれば、

CDと着うたとカラオケの年間トップ10で#AKB48が出ているのはCDだけの件(村上福之の「ネットとケータイと俺様」)
http://blogs.itmedia.co.jp/fukuyuki/2010/12/cdakbcd-a452.html

こういった「AKBはCDを売り上げるために必死になっている」と
単純に考えてしまうのは勘違いだと気づくでしょう。
返信する

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。