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進化する魂

フリートーク
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高速上限2000円にがっくり

2009-12-25 16:27:54 | 経済
ありきたりな話題であるが、高速上限2000円にがっくり。

高速道:実験で新上限制、普通車2000円 ETC不要(毎日jp)
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20091225k0000e010081000c.html


政府は25日、高速道路無料化へ向けた社会実験として、10年度から普通車の料金を走行距離がいくら長くなっても最大2000円とする上限料金制度を新設する方針を固めた。軽自動車は1000円、トラックは5000円を上限とする。


私は長期休暇を取ると妻の実家に子供を連れて返る。
個人的には飛行機で帰りたいが、妻の希望でいつも車で高速道路を利用している。
高速料金は片道約12,000円。
8時間から10時間に及ぶ長距離運転だ。

そんな私が高速1000円に賛成しているかといえば、大反対である。
(しかし妻は賛成だ。)

なぜか?

長期連休中はバカみたいに混むからだ。
(首都高付近は毎日混んでいるけれども)
我々は渋滞する高速道路を求めていない。

ここに選択肢(トレードオフ)がある。

1,000円だけど渋滞する高速
10,000円だけど渋滞しない高速

どちらを選ぶかの問題だ。
私は後者を選びたい。
早くなければ高速道路の意味が無い。

国民は一般道よりも少し早いが安い高速を選ぶのか、
それとも一般道よりもかなり早いが高い高速を選ぶのか、
どちらだ?

「高速料金を安くするなら輸送容量を増やす必要がある」とすると、その費用は誰が持つ?
料金を安くするのだから、税金になるのだろう。
結局、トレードオフから逃れることはできない。

一般的な考え方は下記エントリでわかりやすく説明されています。

交通経済学
http://rionaoki.net/2009/10/1180


高速道路は適切な価格付けがなければ適切に使われない、ドライバーが混雑などの社会的費用を全て負担するような価格付けにならない限り、常に過剰な需要が発生し、時間の浪費と言う形で社会的な無駄が発生するという。

これは現在の日本の政策の問題を明らかにしている。道路はその容量に達した途端に極めて非効率的な移動手段となる。しかし、個々のドライバーは自分が運転することで他のドライバーが時間を浪費することにたいし費用を払わないため、放っておくと常に混雑=容量オーバーが発生する。これを防ぐには通行料という形でこの負の外部性を個人に負担させる必要がある。

高速道路無料化ないし上限千円と言った政策はこれに完全に反している。結果は予想される通り大渋滞が発生して利用者がみな無駄な時間を過ごすということだ。このような無駄を省くには、まず高速道路の料金は渋滞をコントロールするためのデバイスであって、道路の建設費用をカバーするためのものではないということへの理解が必要だ(料金が費用をカバーできるかは規模の経済で決まるが、それは二次的な問題だ)。

よくアメリカでは高速道路が無料だと言われる。それは単に高速道路の輸送容量が十分あるためだ。容量が足りないベイエリアのブリッジではどれもかなりの料金を徴収している(残念ながらこの料金も混雑解消というよりも一種の財源として設定されている印象はある)。

利用者にとってみれば混雑している高速道路に料金を上げるというのはどういうことだという意見もあるだろうが、現実には混雑しているからこそ料金を上げる必要がある。高速道路無料化に対する立場は基本的な経済学を理解しているかを示すよい指標になっている。


高速料金引き下げって産業振興政策なのかな。
乗数効果があるようには思えないので、ドメスティックな利益の再分配にしか見えないのだけれども・・。
最適配分としてしっかり計算されているのだろうか。


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