卒業とは出口ではなく入口だろう。 卒業が出口である内は、学生になれていないということだ。

推敲する時間がなかったので、後でちょくちょく直すかもです。

どんなことを言ってみても、卒業というのは悲しいものだ

なぜなら、卒業には別れがついてくる。

苦楽を共にした仲間達や、様々なイベントの舞台だった校舎、いろんな想いの積もった通学路、

それらと離ればなれになることは、誰にとっても辛いものだ。

卒業ソングにしっとりとしたバラードが多いのは、そのためなのだろう。


だが、もし「卒業」がなかったとしたら、どうだろう？

「卒業のない世界」を想像して欲しい。

卒業がなかったら新しい生活へのワクワク感はないし、

ひょっとしたら、変わり映えのしない似たような生活を送ることになるのかもしれない。

なによりも、そもそも卒業とは、学ぶべきものを学び終えたという意味である。

何のために学び終えるのかといえば、学んだことを活かすためである。

アウトプットなしにインプットし続けることの虚しさを考えて欲しい。

インプットしたことをアウトプットするために新しい生活に土俵を変えるのだ。

ゆえに卒業は出口であり入口であるという言われ方がなされる。


実は、身近に卒業のない世界がある。

大人の世界には卒業がない。

正確には、大人の世界にも卒業はある。

ただ、その種類が違う。

学生の時の卒業は、させられるものだが、大人の卒業は自分でするものだ。

学生の時にインプットしたものを、大人になってアウトプットするのだと

そういったイメージがあるかもしれないが、実態は逆である。

大人の世界は、学びで溢れている。

激動の時代にあって、学ぶことなしに何事も成し得ない。

学生から大人になるとは、インプットが主たる目的であったものが、

インプットをしながらアウトプットし続ける世界への移行であろう。


つまり、子供の頃は「学生」という職種によって「学生」であるわけだが、

大人の「学生」は自分で自分に課すことによって「学生」になるのである。
(人は一生、学びの徒、学生なのだ。)

このことを理解しないまま大人になると、ダラダラと人生を過ごすことになる。


実は、一般的な感覚と実態は異なり、大人の世界には「卒業」が溢れている。

学生の専売特許ではないのである。

そして、それは卒業の本来の意味通りに「出口ではなく入り口」なのだ。

それは本当の意味で、人が学生になるということだから。

つまるところ、卒業が出口であるうちは、本質的に学生ではないということだ。


卒業を「出口」ではなく「入口」にする人生を生きろ、ということだ。


「死ぬことがない一生」を生きるとすれば、きっと人生はとてもつまらないものになるだろう。

それと同じ理由で、「卒業のない人生」を生きるとすれば、きっとつまらない毎日になる。