進化する魂

フリートーク
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「議論」ではなく「対話」のススメ ~ダイアログ~

2013-08-21 02:14:32 | AKB48_オピニオン

「議論」ではなく「対話」もあるよ、というお話。


ドラフト会議
http://blog.goo.ne.jp/advanced_future/e/d1ad73b4eb65f76a3a6b6fec2735c6bf


↑上のエントリで繰り広げられた議論を読んで思ったのですが、ちょっと混乱しているようなので、ちょっと私の方で整理しますね。
(既に見習いさんが、非常によいコメントをしてくれていますが。)

論者の立脚している知見が、とりわけ「理念」と「組織」に対する考え方に大きな隔たりがあるので、このまま議論を進めても平行性だと思います。

なので、まず「理念」をおさらいし、「対話」でないと成立しないよという話の展開の後、簡単に「対話」についてお話します。


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当Blogでいう「理念」とはビジョナリー・カンパニーの「基本理念」のことです。

「ビジョナリー・カンパニー」は現代のドラッカーとも呼ばれるジェームズ・C・コリンズが提唱した「学説」でもありますし、持続的に利益を生み出す卓越した企業の「呼称」でもあります。

(なんで現代のドラッカーかというと・・出版社の売り文句だと思いますけど、ドラッカーがそうであったようにビジョナリーだからなんだろうなぁと思います。)

当Blogでも過去何度か触れています。

AKB48はビジョナリーカンパニーになれるか?!
http://blog.goo.ne.jp/advanced_future/e/2462f432dbc5e3b5b22c8fa39f7b877f

時を告げるのではなく、時計をつくる
http://blog.goo.ne.jp/advanced_future/e/91429274914372eb7fc7865aac457f6d

AKB48も踊る
http://blog.goo.ne.jp/advanced_future/e/148e8f87673bb92ee979d213b1926620

アイディアを狩る狩猟採集生活から、土壌(組織力)を醸成しタネ(アイディア)を育てる農耕生活へ
http://blog.goo.ne.jp/advanced_future/e/0319c34c9503377d8b175908352da252

「育む」という発想で、継続的な努力が活きる生き方をしよう
http://blog.goo.ne.jp/advanced_future/e/eaf9943d3704e917e3377c127067f036


ジェームズ・C・コリンズは過去の企業業績を調査し、卓越した企業になるための「条件」と思われていた項目が実は嘘だと明らかにしました。

これは「12の神話の崩壊」として説明されています。

(1) 「すばらしい会社を始めるには、すぐれたアイデアが必要である」とは言えない
(2) 「ビジョンを持った偉大なカリスマ的指導者が必要である」とは言えない
(3) 成功している企業は、利益の追求を最大目的とはしない
(4) 成功企業には、共通した「正しい基本的価値観」があるとは言えない
(5) 「変わらない点は、変わり続けることだけである」とは言えない
(6) 「優良企業は危険を冒さない」とは言えない
(7) 「優良企業はだれにとってもすばらしい職場である」とは言えない
(8) 「成功企業は綿密で複雑な戦略を立案し最善の動きをとる」とは言えない
(9) 「根本的な変化を目指すには社外からCEOを迎えるべきだ」とは言えない
(10) 「成功企業は競争に勝つことを第一に考えている」とは言えない
(11) 「二つの相反することは同時に獲得することはできない」とは言えない
(12) ビジョナリー・カンパニーが成長を遂げたのは、経営者の発言が先見的だからでは全くない。

その上で、唯一つだけ、卓越した企業に共通してる点があるとしました。

それが「基本理念を持っており、病的なまでに基本理念に忠実である。」ことです。

コリンズはこう言います。

世界は変化している。
この難題に組織が対応するには、企業として前進しながら、その基礎となる信念以外の組織のすべてを変える覚悟で望まなければならない。
組織にとっての聖域は、その基礎となる経営理念だけだと考えるべきである。

基本理念を、文化、戦略、戦術、計画、方針などの基本理念ではない慣行と混同しないことが、何より重要である。
時間の経過とともに、文化の規範は変わる。
戦略は変わる。
製品ラインは変わる目標は変わる。
能力は変わる。
業務方針は変わる。
組織構造は変わる。
報酬体系は変わる。
あらゆるものが変わらなければならない。
その中でただひとつ、変えてはならないものがある。
それが基本理念である。
少なくとも、ビジョナリー・カンパニーになりたいのであれば、基本理念だけは変えてはならない。

この点から、本書の中心になっている概念が導き出される。
概念とは「基本理念を維持しながら、進歩を促す」であり、これこそ、ビジョナリー・カンパニーの真髄である。

組織を築き、経営している読書に向けた本書の主張のなかで、何よりも重要な点をひとつあげるなら、それは、基本理念を維持し、進歩を促す具体的な仕組みを整えることの大切さだ。
これが時計をつくる考え方の真髄である。

会社を究極の作品と見るのは、極めて大きな発想の転換である。
会社を築き、経営してるのであれば、この発想の転換によって、時間の使い方が大きく変わる。
製品ラインや市場戦略について考える時間を減らし、組織の設計について考える時間を増やすべきなのだ。

ビジョナリー・カンパニーが素晴らしい製品やサービスを次々に生み出しているのは、こうした会社が組織として卓越しているからに他ならず、素晴らしい製品やサービスを生み出しているから素晴らしい組織になったのではないと思われる。



「会社を究極の作品と見るのは、極めて大きな発想の転換である。」

これは極めて重要な発想の転換です。

ビジョナリー・カンパニーは「時を告げるのではなく、時計をつくる」のです。

昔は正確に時を告げる能力は貴重なものであった。
その才能のある人が才能を生かして、生涯、正確な時を告げる役を負うか、そうではなく、正確に時を告げることのできるシステムとしての「時計」を創るのか、は大きく役割が違う。


この部分に関する考え方が大きく異なると、議論は進みません。

「持続的な利益を生み出し続けるAKB48という組織(システム)こそ究極の作品である!」と主張する人と、「AKB48のブランドも組織も、個々のメンバーの自己実現のためにある!」と主張する人の間には、基本的な考え方に大きな隔たりがあるからです。

また、今時「ミッション・ステートメント」や「経営理念」を掲げない企業はほとんどないと思いますが、「ビジョナリー・カンパニー」を信ずる人と、そうでない人の間には、これまた「理念」に対する考え方の大きな隔たりがあります。

一方は「基本理念は全てに優先する」と考えているわけですから。


以上を踏まえると、考え方の違う両者が語らうためには、見習いさんが指摘してくださったように、

これらを踏まえて次の議論が成立しませんか?
AKBは理念を掲げずに成功するパターンを作りたいのか、それとも今でも理念を掲げているのか、掲げたいが掲げる事ができていないのか、ここがハッキリしていません。
そして恋愛禁止条例=理念とする考えは主流派の考えではなく同意が得にくい部分です。

ガチ・マジという理念は必要か?
必要ならどういう形で具体化するか?

ではないでしょうか?


となるわけですが、たぶんこの話も平行線になるのは目に見えています。

「理念」に関する議論に答えが出るなら、全ての企業がビジョナリー・カンパニーになっているわけですから。

つまるところ、何に価値があるか、何が正しいのか、といったことを論争する枠組みがあるのは多様性を醸成するのに非常に重要なれど、「理念」に関して言えば、これは明確な答えが出るものではないので、「議論」ではなく「対話」によって進めるのがよいかと思います。


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で、また言葉で説明するのが面倒なのでPPTのスライド貼りつけることにします。

(文字が小さくて見えるかな・・)