粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

安倍首相の本気度

2014-06-07 20:16:53 | 原発事故関連

安部政権になってから国策が着実に実行されており、評価すべき点は多い。外交や防衛などは特にいえるが、残念ながら経済政策や原発政策には不満が残る。「言論アリーナ」というネット討論を見てそれを痛感し、怒りさえ覚える。原発事故対策の政府の無策ぶりが露呈している。

原発事故に対して昨年五輪の東京誘致活動で安部首相が「事故処理の全面支援」を強調したが、今日それが実行されているとはとてもいえない。討論の出席者が皆それを厳しく指摘している。

現在事故処理の大部分は汚染水の処理作業といってよい。しかし、汚染水は溜まる一方だ。汲み取る汚染水でも大半が基準値以下の水だという。あるいは浄化装置で通せば自然界にあるトリチウムだけが残る。これを希釈したものを海に放出しても全く問題がない。

それを決断できるのは東電ではなく政府しかない。しかし、政府は風評被害を心配する地元の漁業組合を説得しようとはしないで逃げ回っていると動画で池田信夫氏が厳しく批判している。特に昨年あれだけ事故処理の全面支援を公約した安部首相が全く動かずにいるが、その責任は大きい。首相は泥をかぶる覚悟で決断をすべきと池田氏は批判している。

自分自身以前のブログで書いたことがあるが、確かに今こそ首相が決断して汚染水を海に放出する作業に取り組むことを宣言すべきだと思う。

残念ながら、これまでの事故対策はこうした汚染水を溜め込むことだけが主要な作業となっており、すでに2兆円が投入されている。タンクは1000個50万トンに及び、今後も1000個のタンクが必要だという。原発の敷地をただタンクが占領する異常自体が続いているのだ。

まさに後手後手の事故処理であり、本来取り組むべき原子炉内に溶けた燃料棒を取り出す廃炉作業が遅々と進まない。その目処がただず、方向性が定まらないまま作業が続いている。最終的に事故処理の費用も10兆円は掛かるとされている。これ結局税金の支出となって国民に負担が及ぶ。

池田氏がいうには未だ国が東電に丸投げした状態であるという。東電の社員は事故を起こしたという贖罪意識が強く、こんな厳しい作業環境にも士気が高く何とか頑張っているようだ。しかし、それもいずれ限界がくると懸念している。そうなる前に政府特に事故処理の抜本対策を打ち出すことが必要だとしている。

もちろん安部首相の決断が第一だが、首相を取り巻く政界特に与党の自民党がしっかり後押しすることも大事だ。しかし、どうも世論やマスコミの声ばかりに気を取られ党利党略が先行して動きが全く鈍い。野党が後ろ向きなのは分かるが、自民自体が野党化していて他人事のような態度では情けない。討論の出席者が口を揃えて問題にしていた。今こそ政治家の本気度が試される。



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