粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

小泉元首相とフィリピン台風

2013-11-13 16:46:33 | 原発事故関連

山本太郎問題が腰砕けに終わった現在、日本のニュースの中心的な話題はこの二つであろう。小泉元首相が原発ゼロを主張して、講演会などで活発に発言している。最近では原発再稼働反対にも踏み込んでいる。自分自身、元首相はこの稼働即反対までは言及しないと予想していたが、事態は想像以上の展開を見せている。

一方、先週フィリピンを襲った台風はこれまた人類史上最大規模とも思える猛威を振るって甚大な被害を及ぼしている。次々届く現地報道に接して自然災害の脅威を改め思い知らされた。

ところで小泉元首相の原発ゼロ発言とフィリピン台風は全く無関係の問題にも見えるが、実は密接に結びついている。キーワードは地球温暖化である。最近の気象関係のニュースを見ていると、日本南方の海洋での海水温が異常に高いまま常態化していることがわかる。これが日本やフィリピンに異常に大型の台風を頻繁にもたらす原因ともなっている。あるいは各地の気温が上昇して今の東京の気温はかつての宮崎地方に匹敵するともいわれる。

こうした地球の温暖化は、世界のエネルギー消費急造によるCO2増加とよく関連付けらている。実際本当に直接の原因かは現在のところ立証はできない。しかし、その大きな関与が否定出来ない以上、やはりCO2を排出しないクリーンエネルギー使用を促進しなければならないはずだ。

こんな最中、現在ポーランドで開催されているCOP19(国連気候変動枠組条約締約国会議)でフィリピン政府代表が自国の台風被害から温暖化対策の必要性を涙ながらに訴えていた。その観点からどうしても原子力発電は重要なファクターであることは今も変わっていないと思う。

小泉元首相は原発を即ゼロにしても代替エネルギーの開発を今から進めていけばなんとかなると主張しているが果たして本当にそうなのか。これには疑問符が残る。現在のところ、太陽光発電も風力発電も原発の代わりうる安定供給可能なエネルギーにはなっていない。

小泉元首相はまた核のゴミを数万年も管理しなければならない原発は人間の制御の範囲をこえているとも語っている。しかし、廃炉に30~40年人為的に冷却すれば、危険性は急激に下がることは事実である。反面地球温暖化対策は今すぐに世界的規模で進めなければ30年はおろか10年後でさえ深刻な事態が訪れることもありえると思う。

現にフィリピンでこんな想像を超える台風被害がおきているのだ。日本は原発ゼロを進めて一時的に化石燃料が増えても温暖化には特別影響はないかもしれない。しかし、世界的に見ればどうしても温暖化対策のためには原発が有効な手段となると思う。安部政権が国内で原発ゼロを宣言すれば、原発輸出は論理的な矛盾を生じてしまう。日本の高度の原子力技術は地球温暖化には今後とも大きく貢献していくと信じている。そのためにも日本は軽々には原発ゼロを政策に唱うことはできないのではないか。


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