粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

祝「龍柱」建設中止

2015-04-09 21:12:07 | 沖縄の虚像と実像

自分のブログでも昨年(7月20日)取り上げた沖縄那覇市の龍柱建設問題、意外にもこれが中止の方向のようだ。現在の翁長雄志沖縄県知事が4年前に那覇市長であった頃に計画されたもので、市内海岸部の幹線道路の両脇に高さ15メートル直径3メートルの大きな龍柱を2本立てるというものだった。

総事業費2億6千7百万円のうち8割は国からの一括交付金を利用するというものだが、必要以上に経費が多額であるという批判もさることながら、その発注を那覇市の友好都市である中国の福州市の業者に依頼していることにも疑念がもたれていた。

龍は古来中国皇帝の象徴であり、わざわざその柱の建設のために国の予多額の税金を中国人業者に払う価値はあるのか。(半額以下の工賃で済むという専門家の指摘がある)また市の計画内容は全くといってよいほど名は市民に開示されていず、建設目的が不明瞭である。

24年25年度では建設のための予算はなぜかわずかであり、26年度になって急に8千万円が交付金に充てられることになった。しかし未執行分があり、那覇市は27年度への繰り越しを申請していたが今年3月下旬にそれを取り下げたという。今年度市の単独予算だけで事業を継続する可能性はあるが、実際は困難と見られる。

それだけ、この計画そのものが不透明であり市民の理解が得られていないということだ。龍柱は翁長市長の悪しき置き土産とってよく、彼の後継市長もその扱いには苦慮したのに違いない。あるいは、現知事にとっても、過去の汚点として批判されることで県政に傷がつくことを心配して現市長に裏から建設中止を指示したのかもしれない。

一方で翁長知事は辺野古「新基地」反対を声高に主張して激しい政府非難を繰り返している。自分の立てた計画は市民の反発を気にしてこっそり中止するのに、敢えて「県民の民意」なるものを振りかざして政府を攻撃する。このご都合主義はどんなものだろう。

まだ確定とはいえないが、それでも龍柱そのものが那覇市に中止の方向であることは歓迎すべきだ。専門家の話では龍柱があることは、そこが中国の境界線であることを意味するという。そんな疑念がとりあえず解消されることは結構なことだ。

翁長知事は以前から中国との深い関係が取りざたされている。中国による尖閣諸島領海侵犯で彼が中国を批判したという話を聞いたことはない。自分の県の深刻な話なのに。中国は昨年の知事選では翁長氏が不利にならないように期間中は尖閣への侵犯を控えたといわれる。もっぱら東京都小笠原へのサンゴ密猟に専念していた。

今月にはあの河野洋平元官房長官らと中国を訪問するという。中国と沖縄の観光拡大が目的とされるが、どうも嫌な感じがする。接触するかもしれない習近平国家主席に「龍柱が立てられないで済みません」とはまさか詫びたりはしないだろうか。そのかわり中国の日本侵犯で新たな片棒を担ぐ密約を交わしたりするなんてことは…。