インドネシアのアジアアフリカ会議で5ヶ月ぶりの日中首脳会談が実現した。日本のメディアでは日本側から申し出でをしたと伝えられている。しかし、評論家の青山繁晴氏の情報では、中国側から依頼があったというのだ。しかも、会談にあたって、中国側から日本の申し出でそれが実現したような形にしてほしいと条件もつけられたというから驚きだ。
自分がラジオの番組でその報道内容でもっとも信頼を置いている東京ニッポン放送「ザ・ボイス」に毎週木曜日青山氏がコメンテーターとして出演している。いつも彼の知見を興味深く聞いているが、昨日23日でも青山氏は「ニュースの裏を読め」(動画17分あたりから)のコーナーで今回の日中首脳会談の真相を意表をつく切り口で語っていた。
それが前述した内容である。中国側の依頼で会談が実現したということだが、青山氏によれば中国側現在、相当焦っていて、そうせざるを得ない事情があったようだ。これは青山氏の勝手な推量ではなく、首相に近い自民党議員による裏情報で相当信憑性があるようだ。
何を中国側は焦っているかというと、例の中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)で日米が参加を見送ったことだ。それによって、銀行の信用度で想像以上に世界での低い格付けになりそうだからだ。中国は外貨準備額が世界一といっても、ここ最近中国の銀行が世界から多額の融資を受けていて外貨も急激に減らしているというのだ。それだけ中国の経済が失速して生産過剰で在庫を多く抱えているわけだ。
そんな中国の金融面や経済的な苦境を反映してこのAIIBの世界の評価も低くならざるを得ない。また、この銀行にしても運営が全く不透明で、アジアへのインフラに対しても中国の欠陥商品を提供するようではその信頼性は極めて低い。事前の世界の格付け予想でも想像以上に低い評価がされそうだ。そうなると中国の信用は丸つぶれになってしまう。
それを回避するためにも中国にとって、金融面で信用度が高く、インフラの技術力が圧倒的に強い日本の参加は自国のメンツのためにも不可欠というのが青山氏の見立てだ。日中首脳会談が事前の紆余曲折もなく、あっさり実現したのは、こうした中国の背に腹は代えられない裏事情が背景にあるということだ。
この青山氏の指摘が果たして正しいかは、近いうちに出される世界での格付けがどう査定するかにかかっている。これまでAIIBの実態が不明瞭で闇の部分が多すぎて中国の事情通の間での評価は極めて低い。こうなると、中国の苦境はより深まる感じがする。どうも日本のメディアの多くは中国を買いかぶり過ぎると思う。必要以上に経済大国として崇めるのもそろそろ考え直した方がよいのではないか。