最近の報道によると震災で発生した東北地方のがれきは宮城、岩手2県ではその処理が順調に進み予定通り3月中には終了するという。ただ福島県に関してはまだ68%程度であり、これも原発事故での避難区域は除外されている。東北三県でその進捗状況で明暗が分かれた形だ。
宮城、岩手のがれきについては62万トンが他都府県で広域処理された。こうした支援は被災地の復興に大きく貢献したことは間違いない。青森、秋田、山形の東北他県がいち早く応じた意味は大きいが、処理能力の高い首都東京が震災の年のうちから既に処理を始めたのも素晴らしかった。その点は石原元知事の功績の一つとしてもっと評価されてしかるべきだと思う。
がれきの広域処理で、朝日新聞宮城県支局の記者による見当違いな記事を思い出す。この記者は「がれきが野に山積みになっていてもさほど気にならない。自分の周りにもそう思っている人が結構いる」と、広域処理への疑問を書き立てていた。
当時自分のブログでこの記者の「取材能力」と「交友関係の狭さ」を皮肉ったが、彼は今現在、がれきの山が奇麗に取り除かれた現状をどう思っているのだろうか。まさかがれきの山に「郷愁」など感じてはいないとは思うが。
また、震災がれきが汚染されて危険だという全く科学的根拠のないデマを煽って、広域処理反対を繰り広げた活動家、市民団体、ジャーナリスト、マスコミは今でも批判されてしかるべきだろう。がれきの焼却によって周辺住民が深刻な放射能汚染が起こると喧伝して、受け入れを申し出た自治体の住民を恐怖に陥れた責任は決して小さくない。
はたしてそんな健康被害が一つでもあったろうか、はなはだ疑問である。北九州などでは、この「健康被害」を巡って裁判を続けている市民団体があるようだが、全く理解の域を超えている。
まだ福島県では、3割以上が未処理なのが気にかかる。まして避難区域がこれからというのが厳しい。特に帰宅困難地域とよばれる地域はがれきの実態さえ把握出来ていない状況だ。これは福島第一原発の事故処理とも大きく関係してくる。国を挙げての迅速な処理が求められる。