粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

オリンピックとルール改正

2014-02-16 16:27:35 | スポーツ

残念ながら、ソチ五輪フィギュアスケート男子で、羽生結弦選手が金メダルを取った瞬間を見過ごしてしまった。睡魔に勝てず寝過ごしたのだが、後で彼の滑りを見たが、転倒などして本来の出来ではなかったようだ。ただライバルのパトリック・チャンも大分ミスがあったようなので、これを見れば羽生の金も納得がいくところだろう。

世界の多くのメディアが羽生選手の演技に絶賛を送る中でロシアのあるメディアが辛口の批評をしていた。以前浅田真央選手のコーチをしていたロシア人のタチアナ・タラソワ氏が「率直に言って、メダルを誰にも与えるべきではない。私の記憶では、こんなに転んだ五輪チャンピオンはいない」とのコメントをのせていたのだ。

実は、現在の羽生のコーチはかつてキム・ヨナを指導したカナダ人ブライアン・オーサーであった。バンクーバーで浅田選手がキム・ヨナに破れた記憶がタチアナさんに去来して、あのカナダ人コーチへの複雑な気持ちが湧いて出たのかもしれない。

ただ羽生選手が相当難易度の高い演技を敢えて挑んだことはフィギュアの解説者の説明を聞けばわかる。パトリック・チャンも羽生ほどでないにしてもかなり難易度の高いに技を試みて失敗している。今回はそうした意味で「両者痛み分け」といったところか。

前回はアメリカのライサチェクが4回転ジャンプもせず無難な演技をきっちりこなしたことで金メダルをとった。そして、銀のロシアのプルチシェンコや銅の高橋大輔が敢えて4回転ジャンプを挑んだのに優勝はできなかった。これにプルシェンコは相当不満で協会に提訴したようだ。それが発端になり今回のソチ五輪では難度の高い演技をした選手に多く加点される採点システムに変わったようだ。もし、このルールがバンクーバーでも適用されていたならライサチェクの金メダルはありえなかっただろう。

今後心配するのはフィギュアでの新たなルール改正である。タチアナさんが酷評したような見方がフィギュアを運営する協会の中でまた沸き起こってくるようだとそれもあり得る。今回の男子は銅のカザフタン選手を含めて全て東洋系の選手がメダルを独占した。ヨーロッパ系役員の意見が今なお協会の主流である以上、どこか嫌な感じがする。