粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

国民は原発再稼働に反対なのか

2014-02-17 13:52:18 | エネルギー政策

まず個人的な意見からすると現時点の原発再稼働には賛成である。将来的にもどうかと聞かれれば原発推進は難しい。新しいエネルギー源を追求すべきだと思う。しかし、最近の世論調査を見ると、再稼働を支持しないという割合が過半数に達している

安全基準を満たした原発の再稼働について

日本テレビ(2月14日~16日実施)

支持32.9% 不支持54.3%

共同通信社(1月15日16日実施)

賛成31.5% 反対60.2%

この数字をどうみるべきなのか。思うにこれは小泉元首相らが主張するような原発即ゼロとはいささか違うような気がする。小泉氏のような積極的な再稼働反対ではなく、「消極的」な反対といえるのではないか。「どちらかというと再稼働は好ましくない」ということだ。

これは福島の原発事故の生々しさがいまだトラウマとして日本国民の心を覆っているためといえる。爆発によって破壊された原子炉建屋の映像、いまだ十数万人が避難生活を強いられている実態、そして爆発によって首都圏にも放射能が飛んできてパニックになった経験などその衝撃は大きい。それをマスコミがリアルタイムで茶の間にダイレクトに伝える。

こんな状況下では一般国民の多くが原発は恐いものと感じても仕方がない。化石燃料の輸入が年間4兆円になったといっても実感としてなかなか湧かない。むしろ原発がなくても停電もなく普通に電気が供給されているではないかという印象をもつ。

だから敢えて再稼働する必要もないのではないか、というのが世論調査で反映されているといえる。ただ多くの国民にとって何が何でも原発再稼働を阻止しなければならないという強い思いがあるわけではない。都知事選で脱原発を強く訴えた候補が敗退したことがそれを物語る。再稼働は反対であるが、それ以上に別の政策たとえば景気、雇用、福祉などに取り組んでもらいたい、その辺が正直なところだと思う。

その点政府はまだ説明不足である。国富が毎年4兆円も海外に流出し国内の景気回復の足かせになる。特に電気料金の値上げとなって国民生活を圧迫する。それによって国の税収にも影響が出て、当面の重要性政策にも不安定要因になる。原発再稼働は現時点では是非とも進めるべきだ。太陽光や風力発電では決して現在原子力の代替になりえない。原発再稼働が経済の循環を円滑にして日本を活性化することがなによりも国民の福祉向上につながることをもっと政府は国民に訴えて欲しい。