粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

大衆迎合政治の終焉

2011-12-23 12:10:39 | 国内政治

前田国土交通相は八ッ場ダムの建設継続のための予算を来年度に計上することを表明した。結局民主党のマニフェストと言われた耳障りの良い公約はほとんど実行されないまま2年以上が過ぎた。ダムの工事継続には疑問が残るが、その他の子供手当を始めとした公約は最初から無理があると考えていた。

子供手当にしても高速道路無料化、ガソリン暫定税率下げ、農家戸別補償にしても早い話が一時的なばらまきであり、それが起爆剤になることはない。結局大衆受けするが、継続が困難な政策ばかりであった。

そのなかで最大の失敗が普天間基地の移転問題だ。鳩山元首相の失政は万死に値する。よく沖縄基地問題を国民に知らしめたと一部左翼ジャーナリズムが評価する向きがあるが、とんでもない話だと思う。日米同盟関係をこじらせそれが今日までそして今後も尾を引いている。

民主党は鳩山、菅、野田と首相が交代したが、少しずつはましになってきた感じだ。ただ野田首相にはまだ指導力に疑問符が残る。いまや党内調整とか国民総意などと聞こえの良い言葉はいらない。自分の政治理念で政策を断行してほしい。その際一番いけないのはくどいようだが、大衆に迎合することである。いわゆる人気政策だ。考えてみると「大衆」とは何か。労働者か、主婦、老人層、学生なのか、あるいは職のない失業者なのか、全く対象のはっきりしない漠然としたいわば「お化け」のようなものかもしれない。

それと首相に求められるものはまず「国に活力をつける」ことだと思う。これは景気を良くすることも必要だが、「頑張る人がより頑張る気になり、頑張らない人は少しは頑張ろうと思う」ことに違いない。

もう首相はドジョウのまま潜伏するのではなく、ナマズになっていい意味暴れてほしい。1年以内に一つの重要政策を果したら、後はすぐに総選挙で国民に信を問うべきだろう。来年1年が野田政権いや日本の国運を左右する節目の年になるような気がする。