粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

世界一安全な食卓に潜む不安

2011-12-16 00:04:00 | 過剰不安の先

今日もテレビネタで恐縮です。15日のNHKのアサイチは「食品の安全」がテーマ。自分は知らなかったのだが、以前放送した内容自身にミスがありそのお詫びを兼ね、今回NHKが再度編集し直したものらしい。

番組では全国から7家族を選び一週間にわたり普段の献立を1人分余計につくってもらいその分を放射能測定器で検査する。それによって毎日の食事にどのくらい放射性物質が含まれているかを調べるというものだ。一日分の食材を全て一緒にして全体的に見てしまうということでそれは理にかなったやり方だろう。(米だけは別に調べる)(NHKが公開した検査結果)

NHKの話だと当初調べた数字に不備があったようだ。セシウムを調べるべきところを別の基準で調べたため数値が高くなってしまった。大学の専門機関に依頼したのだが、ちょっと杜撰な感じもする。今回改めて検査し直したらなんと、7家族×7日分計49件でセシウム不検出は48件、1件だけがキロ当たり8.5ベクレルと微量。もちろん米も不検出。不検出といっても放射性物質がゼロということではなく、機械の精度がそれ以下は測れないというレベルだが。

NHKがネットで公開しているのを見ると不検出の数字基準が全くといってよいほど違うのは食材や天候などによって精度が微妙に違うようだ。それでも唯一数値が検出された献立を毎日食べたとしても1年で内部被曝量は0.08ミリシーベルト程度に過ぎず、今後国が内部被曝の基準にする年間1ミリシーベルトに遥かに及ばない。多く見積もってこれくらいだから実際はもっと少ないだろう。もともと自然界から0.8ミリシーベルト内部被曝しているという。それと比較しても全く微々たるものだ。

来年から食品の内部被曝の基準が改訂され、現在の暫定基準より遥かに厳しいものになりそうだ。しかし、今の日本の食環境ならば、充分に耐えられるだろう。現在普通の食材がキロ500ベクレルだが50ベクレルいやそれ以下にしても大丈夫ではないか。

よくウクライナやベラルーシと比べて日本の暫定基準は甘過ぎると反原発派はいうが、これらの国は10年以上かけてこのような厳しい基準になっている。それを日本は1年で果たそうとしているわけで、その取り組みをする日本政府は評価してよいと思う。また日本の被曝レベルもチェルノブイリの7分の1に過ぎないことを証明しているともいえる。

番組に出演していた室井佑月もこの数字にはさすがに反論できずに終わったのは致し方あるまい。ただ視聴者にはへそ曲がり?もいて「7件の検査で安全なんてチャンチャラおかしい」と悔し紛れのメールを番組中に送った人もいた。番組はそれにも答えるように、別に福島のスーパーの食品も同じように検査したがこれも検出されていなかったことを駄目出した。

もちろんこれで安全が完全に保証されたなどとは思っていない。今後も緻密な食品の管理態勢が必要だろう。しかしそんなに放射性物質汚染を神経質に恐れることは決してないと思う。

原発事故以前日本は世界で最も食品基準が厳しい国だったいってよい。昨年の食品アンケートでも国民の8割以上ができれば外国のものより国産品を選ぶと答えている。思えば食品汚染はいつも外国から入ってくる。今年に入ってもヨーローッパで大腸菌の問題で大騒ぎをして死者も20人以上に及んだのも記憶に新しい。さらにいまだにチェルノブイリ事故の後遺症が続いている。アメリカではBSEの問題が日米の懸案事項になっている。また遺伝子操作の食品の輸入もTPP問題の一つの課題だ。中国の食品はそれ以上に不安な点が多い。土壌汚染、農薬、食品管理など挙げたらきりがない。

NHKの今回の結果をみれば日本が世界で今でもトップクラスの食品安全水準を維持していると信じている。日本人がそれだけ安全に敏感で潔癖だという国民性によるといえる。したがって原発事故で不安になるのは理解出来る。それはそれで良いにだがあまり過敏になるのも問題だと思う。世界一安全な食卓の国であっても安心度数が世界基準以下というのでは困ったものだ。それこそ昨日のぎんさんではないが、くよくよせず足腰を鍛えた方がずっといい。

お詫び:NHKが検査した家庭は8ヶ所でなく7ヶ所でした。早トチリして申し訳ありません。訂正してお詫びします。人のミスを悪くいえません。(汗)(本文中訂正)