粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

野口みずき、苦難からの脱出

2011-12-18 00:01:52 | スポーツ

野口みずきといえば、日本人なら誰でも知っている。アテネ五輪女子マラソンの金メダリスト、栄光の選手だ。しかし、同時に次の北京五輪では連覇を期待されながらも左足の故障で直前に出場を辞退した「悲劇のヒロイン」でもある。その後もなかなかその怪我が完治せず、一時は監督から「引退勧告」まで申し渡されたほどだ。しかし復帰への強い執念は凄まじく、昨年の10月実業団西日本女子駅伝で2年5ヶ月ぶりの出場を果たした。自分も当時10キロの再長区間を走る姿を大きな期待を持ってテレビで観戦した。しかし記録は好調時と比べて3分も遅く決して復活とはいえなかった。「まだ完全にはほど遠い」と思っていたら、昨年暮れの駅伝でも体調不良で大失速し、左足を再度痛めた。その後リハビリを続けて走れるようになったが、今年夏にも左足の違う後部を痛めてしまった。

このように北京五輪辞退から怪我の連続で苦しい日々が続いた。一口に不屈の精神力というが我々凡人にはとても想像ができない。彼女の成績を調べてみたらフルマラソンは6回出場しているのだがなんと優勝は5回、そして残りの1回は世界陸上の2位(日本人では1位)だけだ。これだけ見れば才能恵まれ順風満帆に進んだようにみえるが決してそうではない。その間も怪我をしているがそれを克服しての優勝だ。逆境にもめげない精神力は昔からすごかった。

その彼女、今年の10月、再び実業団西日本駅伝では最長区間を区間トップで走り2位選手を40秒以上の差をつけ昨年の屈辱を果たしている。復帰を「充分」果したと言ってよいだろう。しかし依然「完全復帰」と太鼓判を押すわけにはいかない。いまだ五輪辞退以来フルマラソンを走っていない。これは来年1月29日の大阪国際マラソンを見なければならない。この大会は来年夏のロンドン五輪の出場選手を決める大会のひとつだ。

早く彼女の雄姿を見てみたい。きっと「完全復活」を日本国民にアピールしてくれるものと期待している。そしてもうこれ以上彼女を苦しめる怪我や故障が見舞われないよう望むばかりだ。さらにロンドン五輪の栄光を夢見ながら…。