思い出のノーサイド

カメラがつなぐパス ラグビーを撮り続けて

札幌時計台と茶色のボール

2007-12-31 13:04:15 | ラグビー・思い出話

2007年が過ぎようとしています。今年も仕事と撮影。

感情的に板ばさみになることが多く試練の一年でした。

そんな中でも個展を開催しラグビーを表現できたのは、

多くの方の励ましの言葉があったからこそと感じています。

ありがとうございました。札幌展はまだ未定です。

もう少し落ち着いて開催時期を考えてからお知らせします。

ここで大みそかスペシャル。

自分にとって忘れられない出来事があった13年前の大会と

その後の事をご紹介したいと思います。長い文章になっています。すみません。

 

第31回東日本社会人・都道県対抗ラグビーフットボール大会

平成6年5月1日・3日・5日。会場は札幌月寒です。

プログラム表紙には札幌時計台と茶色のボールの写真。

裏表紙には「日本体育協会スポーツ憲章」抜粋

「アマチュア・スポーツマンのあり方」として五つの憲章と

芝生が芽吹いたばかりの札幌月寒ラグビー場が載っています。

メインスタンドの奥には観覧車の影が見え、今と比べ大きなビルや

マンションのない空が広がっています。

完成間近に撮ったものなのでしょう。その秋に写真展を控えていた私は

会場でいただいて、とても感動しました。

土から芽吹いた芝生と、自分が札幌で芽吹かせようとしている

ラグビーの写真が重なって見えたから。その3日間は撮影漬けでした。

初日は少し遠慮してスタンド。大会2日目、3日目は北海道協会の腕章を

貸していただき、ピッチです。

 

第一ブロックが東芝府中、オール茨城、新日鉄釜石、NEC、

リコー、秋田市役所、三菱重工相模原、三洋電機。

第二ブロックがオール北海道、オール福島、オール埼玉、オール山梨。

忘れられない出来事は第一ブロック決勝。東芝府中VS三洋電機にありました。

大雨。月寒は雨が地中にしみこんで水たまりができないよう

作られた競技場であるにもかかわらず、激しく降る雨に

水たまりで試合をしているような状況。私も雨にぬれてサイドからの撮影。

新聞社、雑誌社などメディア関係の取材は一切なく、カメラは自分のみ。

迷惑にならないよう走れるところは走り、前半終了後。

機材をふきたくて、戻ってきた瞬間、信じられない言葉を投げかけられました。

 

「写真学校の生徒か?どうせ親に買ってもらったカメラだろ。」

 

みるとエンブレムつきのブレザーを着た方でした。

「?!」アナウンス係の高校生も、北海道協会の方もビックリ。

でも言われた私はもっと驚きでした。30歳になって

写真学校の生徒に間違われるなんて・・・。でもこの試合を撮る事に

なんの不満?仮に生徒であるなら、未来ある若者にその言葉?

「違います。生徒ではありません。自分で買ったカメラです。」

それが精一杯の返事でした。

北海道協会の方がこっそり「近づくんじゃない。」と顔でサインを送ってくれました。

自分の感情をおさえずに

「写真学校?私にはかなわない夢でした。でも撮ったものは

社会に向けて発表しています。自費で差し上げて喜ばれています。

販売はしていません。あなた達と同じアマチュアの社会人です。」

そう言えたなら、まだ救いがあったです。

 

試合は東芝府中が優勝。表彰式は、来日したばかりの

アンドリュー・マコーミックさんがトロフィーを受け取りました。

雨と泥でグシャグシャになった選手を表彰する時、急にやさしくなった横顔。

私は「一生忘れないでおこう」とカメラに収めました。

 

それからその方を札幌で見かけることはなく、4年後。

98年。初の東京展開催前に、東日本社会人リーグを撮りにいった時

飛んできたボールが後頭部直撃。(フィルム交換で下を向いて気がつきませんでした。)

一瞬目の前が真っ暗になってうずくまった後のハーフタイム、

一人の方に笑顔で話しかけられました。

「さっき痛くなかった?東京で写真展するの?頑張ってね。

案内のポストカードは貼っておくから。」

差し出してくれた名刺には、その方と同じエンブレムがありました。

ビックリしました。

 

雨の日にけなされた私が、晴天の日に励まされるなんて!

 

人が変われば世界は変わるのかも・・・。

その時の喜びはいまだに忘れられないものです。

 

新年がやってきます。NHKの紅白歌合戦と、ゆく年来る年は

欠かさずに見ている私です。実は和田アキ子さんの歌、

「あの鐘を鳴らすのはあなた」大好きなんです。

札幌時計台の光景が浮かぶから。みなさんよいお年をお迎え下さい。

071231_0006~01.JPG  多忙のため携帯写真です・・・。


作品の整理

2007-12-28 02:19:18 | ラグビー・思い出話

処分を予定していた3枚のパネル。袋から出して見ました。

二科会写真部北海道支部時代の入賞・入選作。

風景・動物写真全盛の北海道で、出し続けたラグビーの作品です。

会場展示のためパネル張りした作品は、写真よりマットの汚れと

痛みがひどく、保存の年月を物語っているようでした。

北海道支部札幌展の受付をした時、「あなたの作品はあるの?」

質問され「はい。私の作品はラグビーなんです。」「えーっ!?」

驚きの声が多くあって・・・。

当時の自分を思い出してしまいそうな3枚です。

 

93年、入賞。北海道招待、早稲田大学VS明治大学「パスの瞬間」。

キャノンF-1、NewFD300ミリF4Lに1.4倍のエクステンダーをつけて

スタンドから撮った作品。F-1の少し引っ掛かり気味、クセがある巻上げを

手巻きで、NewFDレンズの重たいピントリングをぐるぐる回して撮りました。

 

96年、入選。月寒で行なわれた東日本社会人リーグ、「突進」。

東芝府中対リコー戦、レフリーは斉藤直樹さんです。

北海道協会さんから認められ、競技場内で撮影できました。

 

98年、入選。夏合宿で撮った「大事なボール」。

東芝府中のアンドリュー・マコーミックさんが中心の作品。

トップリーグからラグビーファンになった方には、おそろいの練習着を

着ていない事が不思議かもしれないけれど、そういう時代でした。

アマチュアリズム撤廃、オープン化。

企業チームが模索状態だった時代です。

この時カメラはEOS1N・RS。95年ヨドバシカメラ札幌店が開店して

オープン記念に置いてあった3台のうちの1台を

購入してから撮ったものです。年上のおじ様しかいない売り場で

「今日現金で買うから電池入れて動かして見せてください。」と

お願いすると、一瞬周囲の視線を浴びて恥ずかしかったです。

でも正直言うしかありませんでした(笑)。

 

収納袋の中にはオールブラックス・カレンダーも入っていました。

弟からのもらいものを、すっかり忘れていましたね。

スポーツメーカーMIZUNOさんが製作したステキなカレンダーです。

自分でも色々作って楽しむけれど、このカレンダーにはかないません。

 

増えすぎた作品を「処分、処分」と思いつつ、選択に悩んできました。

特に「パスの瞬間」。気持ちが揺らいでいます。

めぐりくる春の早明戦にむけて、企画を立てるなら

あったほうが良いはず・・・。来年のお正月、おみくじを引いて決めます。


イブの仕事

2007-12-25 18:10:15 | ラグビー・思い出話

本日クリスマス。みなさん昨日のイブは楽しく過ごせましたか。

私のクリスマスイブは午後4時頃、仕事がひと段落したので、

知人の勤務先にポインセチアのプレゼントを持って行きました。

勤務先といってもスーパーの果物コーナー、「キウイ」の売り場ですが。

つまようじにさしたグリーンや黄色のキウイを笑顔ですすめる「彼女」は

派遣社員時代お世話になった正社員の先輩です。

同じ「うさぎ年」生まれ、相性がよく、時にはデパートの地下で

ソフトクリームを一緒に食べ、仕事の疑問、よろこび、苦しみを

聞いてもらっていた仲です。この日は近況報告の「ソフト会」。

一年お世話になったごあいさつができて良かったです。

贈り物をよろこんでくれて、家族のもとへ足取り軽く帰宅してゆきました。

私はその後一気に年賀状を作成。元旦到着になるよう頑張りました。

サンタクロースの衣装を着て、歳末セールに励む店員さん。

ケーキ、チキン、お鍋の材料を持って帰り道を急ぐ人。

ラグビーの応援で競技場に通う人。人それぞれ。イブの仕事ですね。

今日は大掃除モードに入ろうかと思います。

1990年代に撮った作品整理。 置き場がないので処分の準備です。

そして秩父宮で見た茶色ボールにちなんで、昔話を記事に書こうと考えています。

更新したらお読みくださいませ。


今年もあと半月

2007-12-19 00:23:15 | ラグビー・思い出話

12月に入って二度目の記事です。早明戦をテレビ観戦した翌日から

のどが痛み出し、カゼの治療に時間がかかりました。

せき、筋肉痛などもあってインフルエンザもどきのカゼ。

それでも仕事を休まず、ようやく直った感じです。

今は自分の部屋に飾るカレンダーを作ったりしていて、ためこんだ録画を

見る時間がないほどです。(年賀状の製作もあり。)お正月一気に見ます。

 

18日はお休みをもらえたので、家事、買い物をすませ

メンテナンスに出しているカメラを引き取りにキャノンマーケティングさん、

その後ヨドバシさん、北海道新聞社1Fギャラリーを見てきました。

展示は「札幌国際スキー場展。」歴代のポスター、昔のスキー板、

初代のゴンドラが展示してあり懐かしかったです。私が高校生時代、

まさにその初代の4人乗りゴンドラに乗って滑っていましたから・・・。

仲間内では4人乗りで3人乗ると「かたむく」と言われ体重が重い人一人、

軽い人二人が向き合うように座ったものです。高校時代、スキー「授業」は

好きではなかったけれど、「遠足」は好きでしたね。その違いは

校章入りゼッケンをつけて、ゴンドラ・リフト乗り放題。

好きなコースを滑られたから。社会人になってからは一日券、時間券を買って、

元をとるのに必死になっていました。ヘタの横滑りとでもいうのでしょうか。

 

東京に撮影に行くようになってから、スキーはごぶさた。

ヤマハ、ハガ、ロシニョールと3台あった板は、「ヤマハを知人の子供さんに

譲っていい?」と母の要望があり譲りました。「使わないからいいよ。」

承諾後、残っている板について、まだ実家の倉庫にあるのかわかりません(笑)。

快晴、猛吹雪、新雪、アイスバーン、ブッシュ。

乗っていたゴンドラが止まったとか、友達がぶつけられて声をかけられたとか。

今になってみれば良い思い出です。今日はラグビーではなくスキーの話題に

なってしまいました。お久しぶりなのに・・・。お許しを。


11/25写真の続き

2007-12-01 10:45:15 | ラグビー・思い出話

秩父宮電光掲示板の写真を追加します。

テレビで見た試合、自分が撮影した試合。感慨深いものがありました。

明日は早明戦。行けなくて残念です。

晴れておだやかな一日になることをお祈りします。

昨日明大スポーツの方からお手紙と新聞が届きました。

それぞれの署名記事を読んで写真展に来てくださった方たちが

目に浮かんでくるよう・・・。私もお礼のお手紙をお出しします。