旅する小林亜星

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流梨

2008-12-15 18:09:10 | 青春生き残りゲーム
そんな小指氏が日中プラプラしてたところ

オンラインで運命的に出会ったのが
広州省の、とある女子23歳。

なんでも家族が大規模なビジネスを営んでいて無職。

1週間で恋に落ちた彼がうれしそに彼女の話をするので

「もし会ってみて、超ブスだったらどうするの?」と

浮かれ風船に針を刺してみると

「外見なんか関係ないんだ」と目の前でまた風船が膨らんでく。

「中国行きの航空券買ってくれるなら会えるよ?」ともちかけた彼に

NZ$2500を送金した彼女。

とうとうゲットした彼女の写真には
あまりにも美しい女性が写っていたとか。

そんな彼らに待ち受けていたのは
彼女の既存のお金持ちなカレシとの結婚を望んでる家族の大反対。

家族に逆らえない彼女が出した決断は
小指氏との永遠の決別。

「ぼくは世界を変えてみせる」と豪語した小指氏は

彼女のカレシのプロポーズ大作戦や
彼女の家族の束縛をも覆し

とうとう彼女に

「小指氏のことが好き」と言わせるところまでこじつけた。

小指氏は20日の飛行機で帰国する。
香港の空港に迎えにくるはずの彼女とクリスマスを過ごす目論見。

会ったこともない彼女に
ましてや電話で話したこともない彼女に

数週間でぞっこんになり

「愛のないお金持ちと結婚するより
 生まれて初めて愛を感じられたぼくといるほうが幸せになれるに決まってる」

と小指氏。

はたまた会ったこともない小指氏に
ましてや電話で話したこともない小指氏に

数週間でぞっこんになり
NZ$2500を貢ぎ

一生安泰のお金持ちカレシのプロポーズをふいにし、
借金まみれの男に人生をかけようとしてる彼女。

お金より愛を信じることを否定はしないけれど

その愛がヴァーチャルであることと
数週間で培われたものであるということは

ただただ滑稽だった。

ワークビザに関して
大変お世話になった小指氏に餞別代わりにクリスマスプレゼントを買おうと思った。

「ドリアンドリアン」という中国映画を見たとき

ドリアンは臭いけれど
なんだか友情を象徴するよな扱いだったことを思い出して

ドリアンにしようかと思ったけれど
間に合わなくて買えなかった。

そんな話をしたら
件の彼女はドリアンが好きらしく

ドリアンを食べたことがない小指氏に
香港で食べさせてあげると約束してるらしい。

買わなくてよかった。

実は写真マジックで
本物の彼女は実はかなりの不細工で

会って話してみたら
オンライン上みたいに気が合わなかったというオチを

密かに期待してる意地悪な、あたしがいる。
ドリアンの試食まで、あと5日。
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絶叫

2008-12-15 17:41:43 | 青春生き残りゲーム
久々に小指氏にコンタクトしたら
なんと10月末でクビになってたそうな。

それもまた些細なネタで。

毎月恒例の顧客から承認をもらうというメールに
総統ポーラを同報しなかったという罪で。

彼がもらったばかりのワークビザを申請した、ほんの1週間後のことだった。

法律では相当の理由なしには解雇できないことになってるらしいし

たとえ相当な理由があっても
まずは従業員に警告するのが通常の解雇プロセスらしい。

けれど雇用契約を交わしてない故
なんでもありの会社。

彼は金曜日の朝、総統ポーラに叱責されたあと

「今すぐオフィスを出ていきなさい」とクビになったらしい。

ポーラは彼のデスクまでついてきて
机の上を片付ける暇も与えなかったらしい。

そんな空恐ろしい会社から
ワークビザをもらおうとしてた自分のもうひとつの未来を想像するだけで

背筋が凍る。

ところで小指氏は中国は広州省の出身で
大学受験に失敗したため

親戚に借金してNZで大学を卒業し
これから何十年もかかって謝金返済をしてく身。

オフィス去り際に
ポーラにワークビザの発行をキャンセルすると言われたそうだ。

NZで働くことができなければ
借金返済の目処が立たないと半ば絶望を味わってたころ

その1週間後に
ワークビザの申請が下りたという通知が来たそうだ。

この先2年はNZで働くことができる。

小指氏は自宅で殺人事件は起こるわ、

会社をクビになるわ、
ワークビザは無事に下りるわと

ジェットコースターみたいな人生だと苦笑いしてた。

そういえば彼がクビになった日の午後、
このオフィスで何年も働いてる大御所の、

出所のファッキン、インド人もクビになったらしい。

とにかくとにかく
そんな会社と縁を切ってよかったとなでおろす胸。
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