旅する小林亜星

小林亜星情報満載

目撃

2008-09-25 21:31:19 | 青春生き残りゲーム
夕方のオフィス、
誰かが突然叫び声をあげた。

ゴキブリでも出たのかと思って振り返ると
皆が窓から下を見てる。

「どうしたの?」と近くにいた子に聞くと

そこでひとが刺されたみたい、とその子。

窓にかけよって下を見ると

15分前にごみ捨てに行ったばかりの場所に
白人のビジネスマンが血まみれで横たわってた。

すでに救急車は到着していて
意識がなさそな彼は心臓マッサージをされてる真っ最中だった。

「警察が来るだろうから、今日は皆、撤退」とキャサリンの一声で帰宅準備。

ビルの下に行くと
すでに警察が辺りを封鎖しようとしていた。

5メートルほど先に被害者。
心臓マッサージは続けられている。

被害者が横たわってるのは坂の途中で
あたしのほうまで3センチほどのべっとりした鮮血の川が3本。

5メートルほど逆方向の大通りに歩くと
世の中はふつうに稼動してて

まるで何もなかったかのよな空気があたしを包む。

目の前で起こったことが衝撃的すぎて
自分の足で歩いてる気がしなかった。

被害者は亡くなった。

殺人は案外、身近に転がってた。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする